tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

賃上げ、金融政策と物価の関係 1

2014年03月15日 20時54分42秒 | 経済
賃上げ、金融政策と物価の関係 1
 以前も書きましたが、日銀も政府も、2パーセントインフレ率(インフレターゲット)に結構こだわっているようです。私は基調的なデフレを避けることが出来れば、インフレ率は低いほどいい、だから、2パーセントよりインフレが1パーセントで済めば、その方がいいと考えています。

 政府、日銀のこだわりは国際公約だからということなのでしょうか、それとも、本当に2パーセントがベストと考えているのでしょうか。
 私は年金生活者ですから、これまでのデフレの中では、雇用・賃金の劣化に苦しむサラリーマンより、申し訳ないが得をしたと思っています。

 賃金や雇用は経済動向に柔軟ですが、年金は制度ですから硬直的です。経済が落ち込んでも、GDPが縮小して非正規雇用が増え、正規雇用の賃金もジリ貧になる中でも、年金額はあまり減りません。経済が多少とも拡大に転じ、デフレがインフレになれば、サラリーマンの賃金が先に上がり、年金は後から調整されるというのが一般的な形となるでしょう。

 それなら年金生活者の方が損するからと物価上昇が低い方がいいと言っているわけではありません。経済成長はある程度の物価上昇をどうしても随伴することになります。物価上昇を賃金でカバーすべきかどうかという問題は別途論じなければなりませんが、現に経済成長(付加価値の増加)を直接担っているサラリーマンが有利になることは自然でしょう。しかし同時に、インフレが進めば賃上げは目減りします。

 インフレ分を賃上げ要求すればよいといっても、それでは後追いですし、それもなかなか巧くはいきません。

 というのは、賃上げで補填できる物価上昇とできない物価上昇があるからです。さらに、現在の日本経済では「内外価格差」という問題が、物価に決定的な影響を与えます。それに加えてFRBや日銀の金融政策が絡み、金融政策の効果も、マネーゲーム全盛の今日、従来のものとはかなり違ってきているようです。

 こうした問題を、現状の日本経済に当て嵌めて見ると、一体どんなことになるのか、その辺りを少し現実的な目で見てみたいと思います。


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