tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2021年12月「日銀短観」:企業活動回復へ

2021年12月14日 13時57分50秒 | 経済
昨日12月現在の「日銀短期経済観測」が発表になりました。
コロナの新規感染者数が、小康状態を続けていることが主因でしょう、経済の動きは比較的順調で、前回3か月前の9月調査の製造業の大幅回復(12月はDIは18で横ばい)に続いて、今回は非製造業も回復のペース(DIで7ポイントの改善)に乗ってきました。

こうした状況はまず大企業で顕著ですが、今回の調査では中堅企業中小企業でも、企業環境がかなり改善し、企業の元気度も上がって来ている様子が見えています。

大企業では製造業のDIが前回の大幅改善後、引き続いてその水準を維持(DI18→18)していますし、ずっとさえなかった非製造業も順調な回復(DIは2→9) を示しています。

中堅企業、中小企業はも似たような動きで製造業では中堅企業は横ばい(DI6→6)ですが中小企業ではDIはマイナスながら改善(-3→-1)です。

非製造業でも中堅企業のDIが改善(-6→+1)していますし、特筆すべきはマイナス続きの中小企業も、DIは改善(-10→-4)していることはマイナスながら大幅改善といえそうです。

残念ながら、非製造業の中でもコロナ禍の影響が最も深刻な「宿泊・飲食サービス」のDIは大幅マイナスが続いていますが、それでも、DIの数字は、大企業-74→-50、中堅企業-76→-51、中小企業-70→-36で、中小企業の大幅改善が目立ちます。

毎月定点観測している個人消費支出、平均消費性向の動向もコロナ次第、更には企業の景況も同じくコロナ次第、結果的に四半期GDP速報のコロナ次第、というのが日本経済の現状です。

最近、製造業関係では、輸入資源価格の上昇が問題になっていますが、これは世界各国に同じ水準の影響があるわけで、世界中同じなので、日本だけ特に心配することはないのですが、コロナは、その点、国や地域の対策のやり方如何で、それぞれに大きく差が出るようです。

一昨日のNHKの日曜討論で、コロナ対策と経済対策が背反か共通かといった問題が出ていましたが、現状では、コロナ対策が最大の経済対策だという事がこのあたりから解るのではないでしょうか。

先行き、オミクロン変異株の心配で、今回の日銀短観でも3カ月後の予想のDIは一様に下がっていますが、日本で言えば、新規感染者の情況がこのまま減少傾向を持続できれば、次回の日銀短観でも、DIの改善は進むのではないでしょうか。

日本経済の先行きは、まさにコロナ対策の成否にかかっているようですから、給付金のバラマキだけではなく、この辺りを、国会でも、もっともっと真剣に議論してほしいものです。

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