2020/8家計調査、消費不振基調は不変
今日、総務省から8月分の家計調査が発表になりました。
コロナでおカネは使いたくても使えないのか、不測の事態に備えるのか、消費不振の基調はあまり変わらないようです。
このブログでは、近年の日本経済の不振の主因とみられる家計の消費不振の実態観察を続けようと、勤労者所帯の「平均消費性向」をずっと追いかけてきていますが、昨年の消費税導入に続いて新型コロナの襲来で、趨勢的な観測は困難気味で、不規則な影響を与える外的要因によって翻弄される消費支出の動きを見ることになっています。
そんなわけで、今回まず家計調査の基本部分である2人所帯の消費支出の昨年8月以降の動きを見てみました。
この統計の指数は2015年平均が100ですから、上のグラフ左端、昨年8月+1という事は、消費支出が4年前から1%増えただけだとい事です(表示は名目値)。
それ以前は出ていませんが、2015年以来の数字を見ても殆どフラットで大きな変化はありません。という事は、この間殆ど消費支出は伸びていないという事です
そこへ昨年9月に至って、消費税増税の駆け込み需要がありました。グラフは大きく10%近く上がっています。そして10月からは駆け込み需要の反動減です。
10月の-5%から徐々に増え、今年2月には2015年水準まで戻りましたが、それからが新型コロナの影響で、急激に落ち込み、5月には-15%まで落ち、緊急事態宣言の解除とともに回復かと見えましたが、7・8月は矢張り低迷状態で、2015年水準には届きません。
経済社会が平穏であれば、通常、趨勢の動きが経済の長期的な傾向の判断の役に立ったりするのですが、昨今のような、特殊な原因による乱高下は、まさに変化の行方を追うだけになってしまいそうな状況です。
そんなわけで、この所の状況はコロナによる消費の落込みがどの程度かという実態を見るだけになりそうですが、それでも、何が読み取れるのか、毎月検討している、収入と支出が調査されている2人以上勤労者所帯の「平均消費性向」見てみましょう。
上図は、収入と支出が調査されている2人以上勤労者所帯の平均消費性向(消費支出/可処分所得:%)です。
今年1月、2月はまだコロナの影響はないのではないかと思われますが、平均消費性向は前年比で低くなってます(茶線が下)。このところ続いている家計の節約系回向が変わっていないのでしょう。
3月、4月と平均消費性向が前年比で下げ幅を広げています。花見も危ないといった状況の反映でしょう。緊急事態宣言が4月から5月まで伸びて、5月の平均消費性向は前年5月より大幅に低下していますが、これは1人10万円の給付金の支給が始まって特別収入が増えたが、消費は緊急事態宣言の延長で抑えられた結果でしょう。
6月はボーナス月で平均消費性向は例年下がりますが、この月は10万円の給付金の支払いが集中したようです。しかし支出はやっぱり大幅に下がっています。そして新規感染者が増えた7月も8月も、前年並みには回復せず、相変わらず対前年でマイナスが続いています。8月の平均消費性向は69.8%、前年8月は75.4%(5.6ポイントの低下)でした。
新型コロナの影響は大きいと思いますが、この平均消費性向低下の状況が、GoToキャンペーンなどの政府の些か強引と言われる政策でどこまで回復するか、新規感染者の動向も見ながら、9月以降の統計発表で示されるでしょう。
月々の統計を追う事で、政府の政策と国民の意識の動きの美妙な関係をトレースしていきたいと思っています。
今日、総務省から8月分の家計調査が発表になりました。
コロナでおカネは使いたくても使えないのか、不測の事態に備えるのか、消費不振の基調はあまり変わらないようです。
このブログでは、近年の日本経済の不振の主因とみられる家計の消費不振の実態観察を続けようと、勤労者所帯の「平均消費性向」をずっと追いかけてきていますが、昨年の消費税導入に続いて新型コロナの襲来で、趨勢的な観測は困難気味で、不規則な影響を与える外的要因によって翻弄される消費支出の動きを見ることになっています。
そんなわけで、今回まず家計調査の基本部分である2人所帯の消費支出の昨年8月以降の動きを見てみました。
この統計の指数は2015年平均が100ですから、上のグラフ左端、昨年8月+1という事は、消費支出が4年前から1%増えただけだとい事です(表示は名目値)。
それ以前は出ていませんが、2015年以来の数字を見ても殆どフラットで大きな変化はありません。という事は、この間殆ど消費支出は伸びていないという事です
そこへ昨年9月に至って、消費税増税の駆け込み需要がありました。グラフは大きく10%近く上がっています。そして10月からは駆け込み需要の反動減です。
10月の-5%から徐々に増え、今年2月には2015年水準まで戻りましたが、それからが新型コロナの影響で、急激に落ち込み、5月には-15%まで落ち、緊急事態宣言の解除とともに回復かと見えましたが、7・8月は矢張り低迷状態で、2015年水準には届きません。
経済社会が平穏であれば、通常、趨勢の動きが経済の長期的な傾向の判断の役に立ったりするのですが、昨今のような、特殊な原因による乱高下は、まさに変化の行方を追うだけになってしまいそうな状況です。
そんなわけで、この所の状況はコロナによる消費の落込みがどの程度かという実態を見るだけになりそうですが、それでも、何が読み取れるのか、毎月検討している、収入と支出が調査されている2人以上勤労者所帯の「平均消費性向」見てみましょう。
上図は、収入と支出が調査されている2人以上勤労者所帯の平均消費性向(消費支出/可処分所得:%)です。
今年1月、2月はまだコロナの影響はないのではないかと思われますが、平均消費性向は前年比で低くなってます(茶線が下)。このところ続いている家計の節約系回向が変わっていないのでしょう。
3月、4月と平均消費性向が前年比で下げ幅を広げています。花見も危ないといった状況の反映でしょう。緊急事態宣言が4月から5月まで伸びて、5月の平均消費性向は前年5月より大幅に低下していますが、これは1人10万円の給付金の支給が始まって特別収入が増えたが、消費は緊急事態宣言の延長で抑えられた結果でしょう。
6月はボーナス月で平均消費性向は例年下がりますが、この月は10万円の給付金の支払いが集中したようです。しかし支出はやっぱり大幅に下がっています。そして新規感染者が増えた7月も8月も、前年並みには回復せず、相変わらず対前年でマイナスが続いています。8月の平均消費性向は69.8%、前年8月は75.4%(5.6ポイントの低下)でした。
新型コロナの影響は大きいと思いますが、この平均消費性向低下の状況が、GoToキャンペーンなどの政府の些か強引と言われる政策でどこまで回復するか、新規感染者の動向も見ながら、9月以降の統計発表で示されるでしょう。
月々の統計を追う事で、政府の政策と国民の意識の動きの美妙な関係をトレースしていきたいと思っています。