tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

共産主義の独裁主義化は必然か

2021年08月20日 16時06分12秒 | 文化社会
最近ゴルバチョフさん(90歳)が、声明を発表して、 
ソ連の改革を目指して推進した「改革路線」は正しかったと述べ、(プーチン政権に対しては、名指しは避けつつ)ロシアの発展には、民主主義こそが正しい道と言っているとのことです。

このブログでは、歴史的にみると、共産主義は必然的に独裁主義に陥っていると指摘してきていますが、共産主義国でも、独裁主義に陥らないという事も可能なのかという問題は残っているように思います。

この問題とは一見関係無いようにも思えますが、政治と宗教を分ける政教分離が世界では進んできています。

日本も1945年までは、皇国史観で国民は天皇の赤子(せきし)と神道で国をまとめ、独裁政治をやっていました。
共産主義というのも、人間の思考構造としては宗教と同じで、しかし宗教を否定する宗教でしょうか。

皇国史観や、共産主義の場合は「信奉」という言葉が使われ、宗教の場合には「信仰」という言葉が使われるようですが、いずれにしてもそれ以外の価値観は排除する、あるいは認めたくないというところは同じでしょう。
そういう意味では、リーダーの個人崇拝や、独裁主義が出来やすいと言えるような気がします。しかし権力は腐敗するという事もよく言われます。

共産主義国でも、独裁政権はまずいと気づいていて、国のトップは二選までとか決めているようです。中国も、毛沢東の経緯に学び、二選までとしているようです。
しかしプーチンはそれを撤廃したようで、習近平さんも、今度三選をどうするか世界が注視しているようです。(安倍さんもやりましたね)

ところで、中国では、鄧小平が共産主義の中でも、土地所有を認めて(資本の私有を認め)経済に関する管理の部分を自由化する政策を取り、「社会主義市場経済」と名付けました。

そのおかげで、中国経済は大発展し、世界第2の経済大国になった訳です。しかし、政治は社会主義(共産主義)にしておいた方が国として健全という考え方なのでしょう。共産党一党独裁は変わりません

民主主義にすると、巨大な国ですから統一が取れなくなることを懸念するのは当然かもしれません。

ベトナムなども、ドイモイ政策は基本的には同じで、経済の発展は著しいというのが現実でしょう。

という事で、政治的には一党独裁、経済的には、自由経済の利点を活用するという方法の成功例はあるのですが、これは、本当は、本来の共産主義とは違うものでしょう。
共産は「資産が共有」という事でしょうから、中国もベトナムも社会主義であっても「共産」ではないという事になりそうです。(日本語がいけないのかな)

ところで、この、経済は自由経済、政治、社会構造は共産主義という手法が、今後どうなるのかという問題です。
これは永続しうるものでしょうか。民主主義・自由経済への過渡的なものでしょうか。

これは「政教分離」ならぬ「政経分離」ですから、広く考ええれば、政治、宗教、経済、という3者が、人類社会の発展の中でどんな役割を果たしてきたかという歴史の延長線上で、大変難しい問題のようです。(参考:マックス・ウェーバーの理論)

そういえば、日本共産党は「共産」という言葉を使っていますが、財産の共有も、独裁主義も認めていないようですから、もう少し親しみ易い名前の方がいいのではないかなど思ったりするところです。(年寄りに多い余計なお世話ですね)

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