2020年10月「平均消費性向」対前年比で上昇
このところずっと政府の赤字財政問題を追って、MMT(新時代の貨幣理論)や「国債紙屑問題」を論じてきていましたが、気が付けば12月8日に10月分の家計調査が総務省から発表になっていました。
開いてみますと、10月に至って、家計消費に、微かながら変化も見て取れそうな気もしますので、遅ればせながらご報告申し上げます。
新型コロナの勢いは止まりませんが、消費者・家計の方は、巣籠りや我慢に次第に疲れ、何か羽根を伸ばす対象はないかという感じも出ていたような気もします。
そこに政府のGoToキャンペーンがあって、一部の人々の発散したい気持ちと重なった面もあるのでしょう。
GoToの奨励で、旅行や飲み会に多少安易になり外出も増えたが、他方コロナも拡散するという面があったようです。しかし、家計の動向で見ますと、旅行や飲み会より確り増えたのは、いわゆる「巣ごもり需要」の方だったことも解ります(後述)。
やはり我慢疲れがあるのでしょう。何かで少しは羽根を伸ばしたいという気持ちの表れでしょうか、10月の消費支出需要(二人以上世帯)は1年以上の前年比マイナスから、微かながらプラスになっています(下図)。
2人以上所帯の消費支出の伸びの推移(対前年同月比:%)
総務省「家計調査報告」
流れを追ってみますと、昨年10月は消費増税による6月駆け込みの反動で前年比5ポイントほど減り、持ち直すかと思った所が年末年始の商戦が不発で、2月になって持直すかに見えましたがその後は、完全にコロナ対応に入って5月には前年比マイナス15%です。
緊急事態宣言明けの6月、例の一律10万円支給集中の月は多少の効果はあったでしょう、然しワーケーションの掛け声も空しく夏季需要は低迷、GoToはあったものの、9月には前年比10.2%のマイナスでした。
しかし10月に至って様変わりで、前年比プラス1.9%です。
昨年10月は駆け込み需要の反動減でも前年比マイナス5%でしたから、9月のマイナス10.2%から10月のプラス1.9%への12.1ポイントの変化は、何か家計の意識変化を感じさせるように思えるところです。
という事で、その中身を見ますと、最大の伸びは「家具・家事用品」で41.0%、第2位の保健医療の15.3%を大きく引き離しています。第3位は矢張り巣ごもり系の住居関係で13.7%です。
マイナスになっているのは交通・通信と教養娯楽でともにマイナス3.9%、最大のマイナスは「その他の消費支出」で、交際費のマイナスが響いているとのことです。
交通・通信はマイナスですが、その中でも自動車関係費はプラスです。公共交通は空いていて、車での移動が多いことは皆様ご存知の通りです。
コロナからの防衛を十分に考えながら、その中での生活スタイルに対応する消費需要が増えているといった様相が見えてくるところではないでしょうか。
ところで肝心の二人以上勤労者所帯の平均消費性向ですが、これは、可処分所得の増加2.1%、消費支出の増加2.3%で、このところ続いていた可処分所得増、消費支出減の殻を破って、僅かですが支出が所得を上回って伸び、平均消費性向は昨年の68.4%から68.5%と0.1ポイントですが上昇を記録しました。
ごく微かな上昇ですが、コロナの猛威の中で、コロナ化を避けながら消費を伸ばしたという点では、何か、消費者・家計の「新しい生活の在り方を探そう」という気持ちの表れだと見られないこともないような気がしています。
11月12月と、コロナ第3波が深刻になっていますが、今後の展開がどうなるのか、皆様の家計の消費の動向を反映する「家計調査]の統計数字で確かめたいと思っています。
このところずっと政府の赤字財政問題を追って、MMT(新時代の貨幣理論)や「国債紙屑問題」を論じてきていましたが、気が付けば12月8日に10月分の家計調査が総務省から発表になっていました。
開いてみますと、10月に至って、家計消費に、微かながら変化も見て取れそうな気もしますので、遅ればせながらご報告申し上げます。
新型コロナの勢いは止まりませんが、消費者・家計の方は、巣籠りや我慢に次第に疲れ、何か羽根を伸ばす対象はないかという感じも出ていたような気もします。
そこに政府のGoToキャンペーンがあって、一部の人々の発散したい気持ちと重なった面もあるのでしょう。
GoToの奨励で、旅行や飲み会に多少安易になり外出も増えたが、他方コロナも拡散するという面があったようです。しかし、家計の動向で見ますと、旅行や飲み会より確り増えたのは、いわゆる「巣ごもり需要」の方だったことも解ります(後述)。
やはり我慢疲れがあるのでしょう。何かで少しは羽根を伸ばしたいという気持ちの表れでしょうか、10月の消費支出需要(二人以上世帯)は1年以上の前年比マイナスから、微かながらプラスになっています(下図)。
2人以上所帯の消費支出の伸びの推移(対前年同月比:%)
総務省「家計調査報告」
流れを追ってみますと、昨年10月は消費増税による6月駆け込みの反動で前年比5ポイントほど減り、持ち直すかと思った所が年末年始の商戦が不発で、2月になって持直すかに見えましたがその後は、完全にコロナ対応に入って5月には前年比マイナス15%です。
緊急事態宣言明けの6月、例の一律10万円支給集中の月は多少の効果はあったでしょう、然しワーケーションの掛け声も空しく夏季需要は低迷、GoToはあったものの、9月には前年比10.2%のマイナスでした。
しかし10月に至って様変わりで、前年比プラス1.9%です。
昨年10月は駆け込み需要の反動減でも前年比マイナス5%でしたから、9月のマイナス10.2%から10月のプラス1.9%への12.1ポイントの変化は、何か家計の意識変化を感じさせるように思えるところです。
という事で、その中身を見ますと、最大の伸びは「家具・家事用品」で41.0%、第2位の保健医療の15.3%を大きく引き離しています。第3位は矢張り巣ごもり系の住居関係で13.7%です。
マイナスになっているのは交通・通信と教養娯楽でともにマイナス3.9%、最大のマイナスは「その他の消費支出」で、交際費のマイナスが響いているとのことです。
交通・通信はマイナスですが、その中でも自動車関係費はプラスです。公共交通は空いていて、車での移動が多いことは皆様ご存知の通りです。
コロナからの防衛を十分に考えながら、その中での生活スタイルに対応する消費需要が増えているといった様相が見えてくるところではないでしょうか。
ところで肝心の二人以上勤労者所帯の平均消費性向ですが、これは、可処分所得の増加2.1%、消費支出の増加2.3%で、このところ続いていた可処分所得増、消費支出減の殻を破って、僅かですが支出が所得を上回って伸び、平均消費性向は昨年の68.4%から68.5%と0.1ポイントですが上昇を記録しました。
ごく微かな上昇ですが、コロナの猛威の中で、コロナ化を避けながら消費を伸ばしたという点では、何か、消費者・家計の「新しい生活の在り方を探そう」という気持ちの表れだと見られないこともないような気がしています。
11月12月と、コロナ第3波が深刻になっていますが、今後の展開がどうなるのか、皆様の家計の消費の動向を反映する「家計調査]の統計数字で確かめたいと思っています。