tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

新政権の経済成長戦略に期待する 

2010年01月06日 11時33分37秒 | 経済
新政権の経済成長戦略に期待する 
新政権も、当面の問題に振り回されて、新しい日本がどこに向かっていくのかはっきりしないではないかといった意見が多いようですが、ようやく2020年までの経済成長戦略を6月までに策定すると発表したことで、何か先が見えてきそうだと感じている人も多いのではないでしょうか。

 年率3パーセントの成長で、10年後にGDPが4割増というのは、今の状態を考えれば、かなり意欲的ということも出来ましょう。GDPが4割増になれば、単純計算をすれば、雇用が1割増えて、賃金が3割増になってもいいわけです。
 
 それならば雇用問題も改善、多分非正規雇用の比率もまともな水準に戻り(雇用者の20パーセント以下 程度)、正規・非正規の賃金格差も改善するでしょう。

 但し、正規雇用者の賃金水準は残念ながら3割増にはならず(例えば2割増程度にとどまり)、その分非正規雇用者の賃金水準が、3割を超えて上昇するといった形になるでしょう。

 これは、年3パーセントの経済成長があればパートの労働市場などは次第に窮屈になり、市場賃金が上がるからという予測からですが、できれば、マーケットに任せるだけでなく、労働行政も、経営政策も、労働運動も、そういった日本経済・社会のバランス回復を目指した行動をとるべきだという意味も含んでのことです。

 ゼロ成長の中では、あちらが増えればこちらが減るという事 になりますが、成長経済の中では、増え方の大きいところと、増え方の小さいところがでるということですから、それなら人間はかなり寛容になれるというのが現実のようです。

 いずれにしても、実力のある日本経済が、運営の失敗で低迷状態というのが現状ですから、新政権の「経済成長戦略」の中身はまさに刮目してみるべきでしょう。
 日本経済の実力(技術、労働力、資本蓄積)から見れば、盛り込むべきテーマはいくらでもありましょう。 問題はどういう順序でそれを進めるかです。

 今までのような旧態依然の財政政策、金融政策に頼っていたのでは、失敗の繰り返しになる可能性が大きいでしょう。
 既存の経済論の枠組みなどにとらわれず、柔軟な発想で、十分、国民と対話しながら戦略を練り上げていただきたいと思います。