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彦四郎の中国生活

中国滞在記

「南京」城市へ行く❷—予約していたホテルに行ったら、「外国人は宿泊できません」と告げられ‥

2018-10-07 21:06:38 | 滞在記

 10月3日(水)の早朝6時すぎにアパートを出て空港行のリムジンバスが出る市内のホテルにタクシーで向かう。福州長楽国際空港には、午前7時45分頃に到着。しばらくして、予約していた南京行の飛行機チケットをもらうために指定されたチケットカウンターに並んだ。飛行機の出発時刻は9時45分。まだまだ2時間もあった。(国内線)   列に並んで待つこと20分、ようやく私の番になった。「ここでは、取り扱いができません。28番カウンターに行ってください」と告げられた。

 28番カウンターに行ったら、「ここでは取り扱いしていません。8番カウンターに行ってください」と、また告げられた。チケットが発券されるのか不安になってきた。長い列に再び並んだ。飛行機の時間が迫っていた。ようやくここでチケットを出してもらえた。3つのカウンターをたらいまわしにされて1時間もが経過していたので午前9時となっていた。搭乗手続き開始は9時15分。あと15分しかなかった。急ぎ、荷物検査等を受けて搭乗口に向かう。飛行機に搭乗するまでに まずは疲れてしまった。

 9時45分に飛行機が離陸開始を始めた。席の隣には若い中国人夫婦と漢服(伝統服)を着せられた可愛らしい小さな女の子。2才くらいだろうか、私の孫の栞(しおり)と同じような年ごろ。飛行機が離陸してまもなく、眼下に福州市内を流れている閩江(びんこう)の河口付近が見えてきた。かなり広い河口だった。

 しばらくして、福州市の北方にある寧徳市の海岸線が見えてきた。このあたりは長大なリアス式海岸で、干満潮の激しい湾内には広域な干潟も広がる。中国でもっとも「養殖漁業」が盛んな地域で、筏(いかだ)の数も半端ではないほど海面に広がる地方でもある。地方都市の巨大な高層家屋ビルが何百棟も並ぶ場所も飛行機からくっきりと見える。

 福州を離陸して、飛行機より中国の山河や町を眺めながら中国という国の大地のことを考える。離陸後、1時間15分ほどして南京の近郊が近づいてきたようで高度が下がった。風景が福建省と違って、江南地方だからだろうか高い山地がなくなり、水田のような大地が広がっていた。

 稲の取り入れの時期なのだろう、黄金色の大地が広がる。中国では稲作は「二期作」の地方が多いようだ。

 午前11時頃、南京禄口国際空港に到着した。T2到着ロビーには、江南地方に多い「蓮の花や葉」の模型が蓮池のように置かれていた。高いエスカレーターにて1階に降りる。すぐに外に出て、「請打火机」と言ってタバコの火を借りてまずは一服。

 空港の建物内に戻り市内に向かう地下鉄乗り場に向かう途中に「便利店」があった。ここではたくさんの種類のタバコが売られていた。値段は10元(約160円)から100元(約1600円)くらいまで。平均は30元(約500円)くらいだろうか。さっそくライターを買った。(1元から2元=16円から38円)。南京というタバコも何種類か売られていた。

 福州でよく買い日常的に一日4箱(80本)は吸っている韓国製タバコ「ESSE」も売られていた。値段を見て驚いた。25元(約400円)となっているが、福州の普通の店ではこのタバコは15元で売られている。私がいつも買う店では10元(約160円)で売ってくれている。日本ではタバコの値段はどこで買っても同じだが、中国では違うようだ。日本の「日本たばこ産業」のような独占「専売」企業はないのかもしれない。

 国慶節期間のためか、空港の地下鉄乗り場の「券売機」には長蛇の列ができていた。すごい人だ。ようやく順番が廻ってきて券(コイン券)を買って、荷物検査を受けて地下鉄空港線に乗り込む。宿泊予定をしているホテルは「南京南駅」の近くにあることは、数日前から事前に入念に調べていた。地理もわからない初めての都市に行く場合、「宿泊先」を探すのにいままでにかなり苦労をした経験があるからだ。

 空港駅から30分ほどで南京南駅に到着。南京南駅はたくさんの地下鉄の路線や新幹線、在来線が乗り入れている大きな駅だった。事前に印刷していた何枚もの地図を見ながら「南京白斯特酒店」というホテル方面に向かった。ホテルは駅の北1番出口から徒歩5分とパソコンから印刷した不鮮明な地図に書かれている。ところが、なかなか見つからない。15分ほど付近をウロウロしながら探すが見つからない。ちょうど、ホテルの客室係のような制服作業服を着たおばさん2人が道を歩いていたので聞いてみたら、ホテルの場所を指さしてくれてようやく分かって安心した。時刻は午後12時半すぎ。

 ホテルのロビー受付でパスポートを出して、宿泊予約を確認したが、ところが次の言葉に困惑してしまった。「このホテルは外国人(中国人以外)は宿泊はできません」。「いいえ、私は予約が完了しているはずです。なぜですか?」と聞くが、「宿泊はできません」とのこと。「これは困ったぞ、福州に戻る飛行機予約の5日までの2日間、野宿になりそうだな」と この時 瞬間的に思った。

 「近くの福州南駅の屋外の屋根の下か近くの南駅北広場で寝泊まりか‥‥。辛いな‥‥。でも、寒くも暑くもない時期になっているから大丈夫か‥‥」と思った。中国では「外国人宿泊不可」というホテルの方が圧倒的(おそらく80%くらい)に多いようだ。特に、料金の安いホテルはほぼ不可だということは知っていた。しかし、このホテルは一泊500元(約8000円)と料金的には高い方に属するホテルだった。しかも、予約が完了しているはずのホテルだった。

 外国人宿泊可のホテルを改めて自分で探す能力は私にはなかった。まだまだ、最近購入したスマホ携帯電話のアプリ機能が一部しか使えないし中国語もほぼ分からなく電話での交渉もできない。とほうに暮れて、とりあえずこのホテルを予約してくれていた同僚や福建師範大学の学生に電話をして状況を伝えた。(※中国では、一旦宿泊予約を受け付けても、「宿泊不可」とする場合、事前に本人に知らせないで、到着した時に いきなり知らせることが多いようだということをその後 知った。)

 ホテルフロントの女性が「気の毒に思ってくれたからなのか」「親切な人だった」からなのか、おそらく両方だろうが、ロビーの椅子に困って座っていると、彼女の携帯電話のアプリ(日中翻訳機能)を使って、話し掛けてきてくれた。「外国人が泊れるホテルをさがしましょうか?」「はい、お願いします。」 20分ほどして、「このホテルでどうですか?」と携帯の画面を見せてくれた。「はい、お願いします。OKです。助かります。」と、携帯翻訳機能を通じての会話が成立できた。

 そして、ホテル前にタクシー呼んでくれた。このタクシーに乗って15分ほどで紹介してくれたホテルに到着した。1週間前に買った南京の市内地図を見ると近くには30分くらい歩かないと地下鉄の駅がまったくないホテルだったが、とにかく野宿をせずに済んだことに胸をなでおろした。「山水時尚酒店」というホテルのフロントでパスポートを出して受付を行った。日本人宿泊客は初めてのようなことをフロントの若い女性2人は、にたにたしながら話しながら、部屋の鍵を渡してくれた。宿泊費用は1日700元(約1万1千五百円)と、ホテルの様子からして高い値段だったが、背に腹はかえられない。国慶節期間なので普段より高いのかもしれないと思った。

 とにかく、南京のホテルの宿泊部屋に入れてようやく安心感が広がってきた。午後3時近くになっていた。ここまでたどり着くのに かなり苦労した 南京行の1日目の行程となった。

 

 

 

 

 

 


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