中国は、世界各国の中で、経済力や軍事力で急速な伸びを示し、世界の中の強国としてアメリカに追いつこうとしている。中国の国家主席・軍事委員会主席である習近平氏は、大のサッカーファンとして知られている。どれくらいのサッカー好きなのか、一度一緒にサッカーをしたいものだと思うが。「中国のW杯出場、中国でのW杯開催、そして将来の中国のW杯優勝」が彼の夢(中国の夢)の一つとも言われている。2022年のカタール・W杯への出場、2030年のW杯開催国が彼が中国共産党の事実上のトップとして君臨する年月での具体的なプランとなるのかと思う。
サッカーW杯のイベントは、オリンピックイベントよりも世界的に多くの人々が熱狂するスポーツイベントだ。経済と軍事の力だけでなく、サッカーやオリンピックでの自国の活躍は「国民の自尊心」「國への誇り」などを持ちせるためにもとても重要な要素になることはまちがいない。このため、2015年には中国サッカー総合改革プランが発表された。そして、「サッカー重点校」は予定よりも3年早く、2017年に2万校を指定した。中国ならではのスピード改革の実施には、いまさらながら驚かされる。
中国の中学校や高校には、基本的に日本のような「運動系クラブ活動」「文科系クラブ」はない。あるとしても、有志で学校が作らせたクラブ(学校対抗戦)くらいであり、それは、日本の運動系クラブのような練習量はない。試合前に一定期間練習をする程度である。普通の学校でサッカーをしている光景は、今でもあまり見ることは少ない。休み時間や放課後の遊びとしてのバスケ、バスケ、バスケの世界だ。そして、大学受験を目指しての勉強・勉強の6年間である。
そんな中で、2万にも上るサッカー重点校指定と言うのは、いったいどのような内容なのか興味はある。ひょっとしたら、10年ぐらいの短期育成強化で、かなりの成果を出す可能性もある。
中国の多くのインターネット記事などで「アジアの光」と賞賛された日本サッカーについて、とても興味深いインターネット記事があった。それは、「我々は日本のサッカーに何年遅れているのだろうか?―20年?―」という記事だった。この記事は、「日本はどのようにして強くなったのだろう?」ということについてかなり詳しく分析している記事だった。本田圭佑、柴崎岳、大迫勇也、乾など日本代表には一つの共通点がある、つまり彼等は高校サッカーの出身ということに注目している記事だ。
前回の第96回全国高校選手権大会には何と4093校のチームが出場、48チームが全国大会に出場したことなど、100年近くの歴史を持つ学校サッカーの存在をその強さの重要点として述べている。また、各都道府県の市単位などでの地区リーグの存在、40才〜70才までの年齢層のチームの各地の存在などもとりあげられていた。つまり、幅広い層のサッカー愛好者の多さに注目している点だ。
中国の世論調査によるとW杯への関心をしめした中国人の割合は87%で、開催国のロシアやブラジル、イタリアなどをも上回ったとも報じられていた。(試合の賭博「くじ」に関心を持つ人も多いから、純粋にサッカーへの関心というのは‥‥?) 「人口33万人のアイスランドが健闘」という見出しで、「人口33万人のアイスランドがW杯で活躍している。一方アジアの某国は、十数億の人口を擁し、核兵器を製造する実力もあるのに、W杯に行けない。インドよ頑張れ。」と、ひねりを効かせた自国代表への皮肉が、ネット上での支持を得たり、「サッカー代表チームを話題にするな。卓球で自尊心を保とう」という書き込みにはも「最近は男女とも日本に負けているぞ」とのツッコミを感じる内容でもある。
中国サッカーが今後 どのように発展していくのか注目したいと思う。