彦四郎の中国生活

中国滞在記

ロシア・サッカーWカップ大会❹―ベスト8が準々決勝の戦いへ、注目したい「ベルギーVSブラジル」

2018-07-05 16:28:49 | 滞在記

◆前号のブログで、「57秒でのカウンター攻撃」とありましたが、「9.3秒で7人をつないだカウンター電撃速攻」の間違いでした。訂正いたします。

 ベスト8が出そろった。南米の「ウルグアイ」「ブラジル」、ヨーロッパの「ロシア」「クロアチア」「スウェーデン」「イングランド」「ベルギー」「フランス」だ。優勝候補にも挙げられていた「ドイツ」「アルゼンチン」「ポルトガル」「スペイン」「コロンビア」「メキシコ」「ポーランド」はすでに敗退している。そしてWカップ常連国であった「イタリア」は今大会には出場していない。

 準々決勝で「ベルギーVSブラジル」戦がもうすぐだ。この試合は注目したい。事実上の「決勝戦」的な試合なのではないかと感じる。世界が注目する試合となるだろうと思う。

 7月5日(木)の今日、日本代表が日本に帰国した。ロシアに成田を出発する際は、150人の見送りだったようだが、出迎えは1000人を超える人が出迎えたようだ。そして、すでに長谷部選手と本田選手の代表引退が発表されていた。二人が代表を去ることはなにか一つの時代の終わりであり、私も寂しさを思った。そして、成田空港で、西野監督・長谷部キャプテン・田嶋日本サッカー協会会長の3人会見が行われた。

 3人の会見に前監督のハリルホジッチ゛氏に関する言及はなかったようだ。今回のロシア大会に向けてのチームは、最初はアギーレ(南米)監督、そして、長期にわたってハリルホジッヂ監督だった。西野監督は3〜4カ月間の監督だった。ハリルホジッヂ氏の電撃解任から西野監督へという交代劇はやむおえなかったとも思うが、このチームの基礎を作ったのは前監督であったので、会見では、一言であってもハリルホジッヂ氏貢献に触れては欲しかった。

 そして、7月いっぱいの西野氏の監督契約をにらんで、次期日本代表監督の名前(前ドイツ代表監督のクリンスマン氏など)が挙がっている。日本の今回のWカップの戦勝は、1勝1分け2敗だったのだ。いわゆる負け越しでもある。西野監督の続投も視野に入れながらだが、次の2022年Wカップ・カタール大会ではベスト8が目標となるだろう。

 ◆今回のコロンビアチームの6番「サンチェス選手」。日本戦でハンドを取られレッドカード一発退場、香川のPKゴールとなった選手だ。幸い「グループリーグ」では1位で通過した。3戦目の試合の勝利を監督は「この勝利はサンチェスに捧げる」とまで、彼が帰国後暗殺されたりする事態を憂慮していた。コロンビアが決勝トーナメントに進んで「コロンビアVSイングランド」でも、サンチェス選手はペナルティエリア内でファウルをしてしまい、イングランドにPKを与えてしまった。そして、PK戦の末、コロンビアは敗退した。

 1994年・Wカップ・アメリカ大会で、オウンゴールを献上してしまったコロンビア代表のエスコバル選手が、帰国後暗殺されてしまった事件があって世界を驚愕させたことがあった。日本戦後、SNSにサンチェス選手の殺害予告があって被害に遭うことを懸念されているが、イングランドでの2回目のPK献上に、「皆さんに夢を提案する」と殺害を示唆する書き込みがされているという。特に日本代表に勝利をもたらした要因を作った本人だけに、被害に遭わないことを願いたい。

 昨日、NHKの報道ニュースで、「高齢者に人気!ウオーキングサッカー」というものが紹介されていた。ルール的には「走っては反則」であるから、高齢者でも「危険や疲れ」がなくできるサッカーということだった。「日本ウォーキングサッカー協会」もあるようだが、これはなかなかいいなあとも思った。少し元気なら60代から75才までの人の男女ともできそうなサッカーだと思う。

 

 

 

 

 

 

 


ロシア・サッカーWカップ大会❸悔いも残るが、ベルギー戦は世界での日本の現在地を知る勝負だった

2018-07-05 15:11:18 | 滞在記

 7月2日(月)の深夜というよりも、7月3日(火)の早朝に決勝リーグの「日本VSベルギー」戦が行われた。この試合を心待ちにしていた。気がつけば、6月中旬以来、私の生活の支えに「サッカーWカップ・ロシア大会」での日本代表チームの戦いはなくてはならないものになっていた。

 試合は前半から赤い悪魔軍団と言われるベルギーの圧力が日本ゴールに迫ったまま、前半がようやく終了した。後半、信じられないことが起きた。原口と乾の連続ゴールが見事に決まって2:0とリードしたのだ。半ばこの試合の勝利を思った瞬間だった。私は一人で中国で軽い興奮を感じていた。「次戦はWカップでのブラジル戦だ……!」と。「なんとかリードのまま終わってほしい…!」と。しかし、ベルギーというチームはこれも信じられないほどに強かった。優勝候補の一つだけあった。190cm以上の選手が3人、技術とスピードのある、まあ完璧の強さを持つチームだった。特に、アディショナルタイムでのたった57秒でのカウンター攻撃でのゴールは見事だった。勝ち切るための選手交代の時期など、「あの時こうしていれば…」と悔いも残るが……。

 本田選手は「やれることはやった。ベストを尽くして戦い抜いた。その想いはあります。」と試合後インタビューに語った。「受け入れがたい結果です」と率直な気持ちを吐露した香川選手は、それでも堂々と「ただ、自分たちは全てを出し尽くして戦い抜いた。その結果がこれなので、受け入れるしかないのかなあと思うし…」と続けた。ベルギーの選手たちを「バケモノだと思った」と話した長友選手は、「クオリティも、スピードも、フィジカルも彼らの方が上だった」と認めた上で、「ただ、全部出し切ったというか、やれることはやったと思うので、自分自身も、チームも、胸を張って帰りたいなって」と清々しさすら感じさせる表情で答えた。

 この試合を見て、「ああしていれば、こうしていれば」と後半の2点リード以降の戦い方で思えるシーンは、少なくはない。しかし、多くの人がこの3人の選手の言葉に頷けるのではないだろうか。「最高に近いプレーを出せた」「すべてを出し尽くして戦い抜いた」「やれることはやった」という言葉とともにWカップの舞台から姿を消すのは、日本サッカー史上、初めてのことではないだろうか。

 サッカーダイジェスト誌のインターネット記事に次のような記事があった。見出しは、「凄ましい進歩だ!品格ある去り方―ベルギー戦惜敗の西野ジャパンを仏メディアが手放し称賛<ロシア杯>」 以下、そのフランスの記事より。

 「日本人のなんたる試合だ!そして、2002年から比べると、凄ましい進歩だ!私は感動している」。そして、朝のカフェでも、すれ違うだれもが笑顔だった。「最初観られなくて、やっとテレビをつけたら日本が2-0でリードしていて、信じられなかったよ!惜しかったなあ!」「でもあのベルギーに2ゴール見舞ったんだからな。素晴らしかったよ!」

 その記事内では、戦況をベンチで見守ったベルギー代表MF・アザールのコメントを紹介している。「僕らはどん底だったよ。日本はいずれペースが下がるだろうと見ていたのに、逆に僕ら(の首)を探しにきた。でも僕らもその罠からうまく抜け出せたんだ」と振り返った。

 2014年のブラジルWカップ大会で、日本代表を率いたザッケローニ元・日本代表監督は、このベルギー戦について、「残念だ。最後に日本は無邪気なところを見せてしまった。彼らの文化やDNAにはマリーシア(ずるがしこさ)は存在しないからだ。(アディショナルタイムでカウンターを仕掛けられた時に)戦術的なファウルで(失点を)防げたが、彼等には(ファウルで止めることは)理解できないことだ」とコメント。日本人の性格では決勝点となったカウンターを止められないと主張していた。

 2018年7月2日にロシアのロストフで行われたベルギー戦は、本当の意味で、「世界における日本の現在地が測れた」勝負だった。

 この日の試合が朝の日本のNHK報道番組で、高瀬アナウンサーが、「今日一日、どう過ごしていいかわからない」「青い鳥が逃げて行った」という表現をしていたが、私もその日一日、「どう過ごしていいいのかわからない」というような気持ちになっていた。

 

 

 

 


ロシア・サッカーWカップ大会❷―世界の美女サポーターたち―世界の国々の「美人」考―

2018-07-05 12:37:40 | 滞在記

 6月14日から始まったロシア・サッカーWカップ大会。各会場に世界から集まる観客やサポーターたち。中でもその美女には世界の報道カメラマンも注目する。これらの映像を特集してインターネット記事として発信することは、日本ではとても少ないが、中国のインターネット記事ではとても多く掲載されている。この中国の記事のうちの何枚かをこのブログでも紹介したい。

◆上記写真は、ロシア、クロアチア、ブラジル、韓国などの美女サポーター。

◆上記写真は、日本、イランなどのイスラム教圏の国などの美女サポーター。

◆上記写真は、ロシア、中国、メキシコなどの美女サポーター。

◆いままでに、私はロシアに4回、モンゴルに5回、フィリピンに3回、アメリカに4回、カナダに1回、そして今は中国に暮らしている。日本の周りの国々はベトナムと朝鮮半島以外には行ったこととなる。ロシアの女性はとても美人の比率が多いのには驚く。3回行ったサンクトペテルブルグの地下鉄はとても深い。エスカレーターは延々と深く、3分間以上続く。これは、東西冷戦時代に、核戦争に備えて「核シェルター」としての利用を考えて造られたためだ。エスカレーターに乗っている3分間の間にすれ違うロシアの人々の顔を見て、「美人の割合」を計算してみたことが数回ある。私が見たところ「10人中、5人、つまり50%」ぐらいが美人であった。

 これが、アメリカやカナダでは少なくなる20%くらいかと思う、モンゴルや中国やフィリピンでは15%くらいだろうか。行ったことはないが、東欧諸国や地中海民族も美人が多いといわれる。ロシアも東欧も南欧もこれはスラブ民族の流れをもつ国々なのだ。この民族の流れをもつ国々は美女の比率は高い。同じヨーロッパの民族でも、ドイツやスカンジラビア半島、イギリスやフランスなどの国々はアングロサクソン民族の流れをくむ民族だ。美人の比率スラブ民族系よりはかなり低くなる。

 スラブ民族系の中でもロシアの女性たちは、「まろやかな美人」というか、鼻は高からず低からずという美しさは、他のスラブ民族には見られない美しさをもつ。これはアジア民族との混合のDNAをもつためかとも思う。東欧美人は鼻が高すぎて、横から見ると、日本人の私には違和感を感じてしまう人も多い。

◆一方、アジアはどうだろうか。アジア人は西欧人に比べて鼻が低い。しかし、ここ20年間くらい「アジアン・ビュティ」といわれるように、アジアの女性の美しさも注目されて久しい。私もそう思う。アジア人の美しさというものは、欧米やロシアとはまた違った、「かわいらしさと美しさ」を兼ね備えたおちつきのある美しさを持っている。現代はまたアジアの時代となりつつもあるのだろう。中国人は、日本とまた違った美しさをもつ女性も多い。

 各国から来ている小さなサポーターたちも。

 

 


ロシア・サッカーWカップ大会❶日本16強への道のり―上司と部下(失敗しても使い続けるドラマが)

2018-07-05 10:45:53 | 滞在記

 2018年6月14日、ロシアでのサッカーWカップが開催された。開幕戦の試合ではロシアが勝利をした。ロシアにとっては歓喜的な出来事だっただろう。実は前回の2014年のブラジルで開催されたWカップは1試合も見ることができなかった。中国に赴任して1年あまりの頃で、インターネットを通じて試合を見ることが、私にはまだわからなかった。グループリーグ予選で1分2敗という結果だったことをYahoo Japan!を通じて知るだけだった。今回の大会では中国にいても日本のテレビ放映をインターネット中継を経て観戦することができている。

 スペインVSポルトガルの試合を中国で見た。スペインのルイ・コスタなどを中心としたパスサッカーが素晴らしかった。ポルトガルのロナウドの迫力。3-3の引き分けとなる白熱した試合だった。とりわけスペインチームに注目しながらグループリーグを観戦した。

 日本に一時帰国していた6月19日の深夜、日本のグループリーグ第一戦「日本VSコロンビア」。香川と大迫のゴールで初戦勝利、日本中が熱狂した。韓国のインターネット上には「日本代表、史上最高齢チーム、おっさんジャパンがコロンビアに勝った」という見出しの記事。

 サッカー強国、アルゼンチン・コロンビア・ブラジル。グループリーグ予選ではとても苦しんだ。頭に手をやり嘆くメッシやサポーターのマラドーナ、コロンビアのエースのとまどい、ブラジルのエース・ネイマールの苦しみと祈り、そして、ようやくゴールを得た感謝の祈り。アルゼンチンGKの単純なミスキックによる相手チームの得点シーンはなんとも……。GKを「ムンクの絵―嘆き」に喩えた記事もあった。しかし、この3チームとウルグアイはともに「グループリーグ」予選を勝ち上がりベスト16に至ったのは南米のさすがだった。

 6月24日の深夜の「日本VSセネガル」戦、ようやく乾が素晴らしいゴールを放ってくれた。GK川島の2戦連続ミスキャッチもあったが、日本2-2セネガルと引き分けとなり日本中が沸いた。

 6月28日、いよいよグループリーグ最終戦の「日本VSポーランド」。結果は「日本0-1ポーランド」での敗戦。GK川島の神の手セーブなどもあったが、、16強進出のための「後半最終10分間あまり」の日本のパス回しだけに終始した戦術に、日本国内のみならず海外からも「賛否両論」が巻き起こった。

 中国でも多くの否定的な意見がインターネットに書き込まれていたが、日本の16強進出に「日本!亜州(アジア)の光!」と讃える記事も見られた。この日の日本のスポーツ記事は、サッカー日本代表の記事で埋め尽くされていた。絶対に一面は「阪神タイガース」という編集方針を何十年も変えたことがなかった関西のスポーツ紙「デイリースポーツ」だが、今回は初めて一面に「サッカー日本代表と阪神タイガースを掲載する」という記事を掲載した。表裏の2ぺージを使って1面とする記事構成のアイデアだった。

◆私はこのグループリーグ3戦を見て、一番印象に残ったことは、西野監督の「失敗ミスやノーゴールであっても、川島や乾や原口を使い続けたことだった」。そして、彼らは、「第2戦の乾、第3戦目の川島の活躍」となった。<指揮官・指導者・監督・上司・教官>と、<選手・部下・学生>いう関係のあり方での一つのドラマを見た思いだった。