長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

湯豆腐や持薬の酒の一二杯

2015-10-28 09:08:13 | Weblog

昨日は書の会だった。

月に一度、一階の土間に毛氈を敷き詰め、半紙を置き、そこに

好きな字を書く。やはり料理といっしょで、「キ、キ、キ」

だ。気持ちが入る、季節を入れる、器(道具)の三つがそろわないといけない。

昔から文人たちは「文房四宝」といって、道具にはとりわけこだわりを持った。

昨日は、友達が球磨焼酎を持参してくれたので、それをロックにして、

今年初めての「湯豆腐桶」に昆布を入れ、お湯をはり、備長炭をおこし投げ入れ、

徳利(酒をいれてよし、出汁をいれてもよし)に昨日は出汁を入れ、みなで

静かに(いや静かではないな)飲んだ。昨日の焼酎は44度の強い球磨焼酎。

その徳利に、「湯豆腐や持薬の酒の一二杯」と書いてある。

昨日はあだっちゃんがその句を書いた。なかなか味わいのある字である。

書というのは瞬間の芸術だけど、そこにその人の人生が吐露されていて、おもしろい。

この句を作ったのが晩年だったらしいが、最晩年に

「湯豆腐やいのちのはてのうすあかり」と詠んだ。

日常的ななんでもない食べ物だけど、酒をかたむけながらゆっくりながめていると、楽しくもあり、

さみしくもあり、だ。

今日は「座敷でそば遊び」があるけど、これから冬にかけては、「湯豆腐」が場を

あたためる。

明日は「ダメから始める中国語」だ。