長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

鮨はおごられてこそ美味い

2015-10-23 08:28:38 | Weblog

そんなことを言っていた友人がいた。

「ぼくがおごる」とだれかが宣言していくと安心して食べられる。そんなことだと思う。

「誰が払うんだろう?」「いくらくらいかかるんだろうか?」とか思いながら食べるのでは、鮨より

心配を喰っているような気分になる。

そんなこともあって、うちの鮨会は、ひとり8000円。酒は持ち込み。すしは「おまかせ」のみ。という形にした。

昨日は少し肌さむい夜だった。「初孫」をもってきた方がいたので、常温で飲んだ後、久保さんの志野の「燗鍋」

に入れ、人肌にした。信じられないくらい「燗あがり」して初孫が笑ったようだった。大塚に「なべ家」という江戸料理

の店がある。これから冬は「蓬莱鍋」という究極の鍋がでてくる。ここのお酒も「初孫」のみ。

なべ家のおかみさんは、池袋の天真庵の催し、南條先生の寒山拾得展とか久保さんの個展などにも

まめに足を運んでくれた。大塚という街には、そんな精神的文化力の高い主人や女将のいる店があまたあった。

気骨の鮨会のじいちゃんも、若いころか鮨の修行をし、屋台から初めて渋谷のセンター街に店を持つほどがんばった人だ。

昨日は終わって、二階に飾ってある遠山満の書を座ってながめ、「いいな~。こんな国士みたいな九州男児は今はおらんばい。

それにしても、いい字だな~」といいながら、久保さんの斑唐津に注いだ酒を飲みほし、「おれもまだまだがんばらなくては」

といって、天真庵をあとにされた。

「国士」・・・・自分だけ、今だけ、金だけみたいな政治家にきかせてあげたい言葉やね。