鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【2017回】 大企業病

2016年07月08日 | 住宅コンサルタントとして
リーダーやスタッフが協調性や和を大切にする空気を有していないと
組織は滅ぶようになっています。

もともと住宅業界は分業制などを採用していなくて、
スタッフがお客様を見つけてきて、自分で設計し、積算し、
そして契約後に現場を管理していたのです。

そうするとお客様の懐に入って契約を頂ける人に業務が殺到し、
その人が次々と新しいお客様を発掘できない。
だから営業に専念させてあげて、
代わりに図面制作や現場管理を他の人がやった方が生産性が上がる、
ということで設計部や工事部が出来た訳です。

本来は設計部や工事部というのは、営業さんをフォローし、
営業がより多くのお客様から契約をいただける環境をつくることが目的で
出来た部署なのです。

そして営業部はそれら後工程の部署に感謝をし、
あなたたちのおかげで自分たちは営業に専念できている、ということを感謝し、
日々仕事に向き合わなくてはならないはずです。

しかしながら、営業は

「ウチの設計、センス無いよね・・・」
「ウチの監督、安心して任せられない・・・」

と文句を言うようになったり、設計は

「こんなに仕事、取られてもウチら、完全にキャパオーバーです・・・」
「もう仕事、要らない」

というような気持ちを持ったりするようになるのです・・・。


より多くのお客様からご注文をいただき、
デザインも性能も施工品質も高い家を建ててお引渡しをし、
お客様に喜んでいただくという、最も大切なことを忘れ、
自部署の都合を最優先に考え、お客様のことを第一に考えなくなってしまう。

これが大企業病なのです。

特に住宅業界は、小さな大企業病の会社が結構多いのです。

これを防ぐためにも、リーダーやスタッフの皆さんは、
そもそも組織とは大きくなれば
自分たちの組織の都合を最優先に考えるようになる危険性を有している、
ということを最初から知っておくと良いでしょう。

大企業病にかかった企業は意思決定が遅くなりがち。
更には決定したことを実行するのがもっと遅くなりがち。

お客様には自分たちの会社の都合など、関係ありません。

お客様のために何ができるのか?
そもそも自部署は何のために存在するのか?

リーダーはそういうことを理解して、部下を指導しなくてはならないのです。
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