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光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

日本型Nゲージの50年と思い出から・ED75編

2015-05-16 10:18:20 | 車両・電気機関車
 鉄道模型工作ハンドブックから

 今回はED75です。
 「ED75と言ってもピンとこない方も多いと思いますがこれはこの9月に完成した試作電機の形式です。ED71~74の系統を継ぐものですが交流電機の決定版とされていて近いうちに実に200両が量産され常磐線平以北、東北本線仙台以北で活躍するそうです。今回はモデルに作りやすそうな半流線型車体を持つこの最新鋭機ED75の製作を楽しみましょう」
 記事の冒頭で書かれたこの解説に時代を感じる向きも多いと思います。
 そもそも「半流線型」なんて言葉、いまどきのファンは使わないのではないでしょうか。何しろED75が半流なら今活躍中のほぼ全ての機関車が半流になってしまいますから。

 ED74と違って75の方は順風満帆な人生と言いますかEF65と並んで国鉄を代表する電機機関車の顔となっている事は皆さんもご存じの通りと思います。

 16番の工作記事の作例を見ると「まだ出ていない機関車をモデル化した」と言う風情の完成写真で、前面窓や明かり窓のHゴムや前面帯が付いていないので「真っ赤(本誌は白黒印刷なので真っ黒)な塊」にも見えます。
 今となっては面白いのは記事中では「飾り帯をつけて~」と書いているのにHゴムへの言及が全くない点です。
 このタイプ以降の電機は大半が「Hゴムの付いた窓」が外見上のアクセントになっているケースが多いので少し意外でした。
「車体は深紅色とはいう物の少しピンクがかっているので赤75%白23%青2%の割合でラッカーを混ぜると良いようです」・・・これを読むと市販の調色塗両で安直に塗ってしまう私などはなんだか申し訳ない様な気になります(汗)

 さて、本書は以前から書いている様に元々は当時機関士(と言うか後半生は運転士)だった親類のおじさんが持っていたものです。
 当時(昭和43年以降)は岩手でもED75がようやくお目見えする時期に当たっていましたが自身が運転していたからでしょうか、本書を大分参考にしながらペーパー車体の16番ED75を自作していました。しかも2両も。
 鉄道模型が都会ほど普及していない環境ですから車体の色が実車より淡かったりとかしたのですが前述のHゴムは塗りでもガラスの描き込みでもなく真鍮線で表現していました。
 やはりここは電機にとってはアクセントとして無視できなかったのでしょう。

 残念な事におじさんの死去の前後にモデル自体が処分されたとの事で今となっては現物に触れられませんしお見せする事も出来ません。
 だからという訳ではないのですが16番のED75はTOMIXの奴を1両持っています。
 DSCN8626.jpg 
 一方、Nゲージの世界でもED75はかの「SONYマイクロトレーン」でのモデル化を皮切りに量産品が1974年のトミーナインスケールから始まって多くのメーカーからリリースされている人気機種です。
 (人気と言うか、実質これしかいない様な線区が多いせいもあるのでしょうが笑)
 うちの鉄道でもED75は「偉大なる凡庸」の異名をとる主力機のひとつでブルトレやコンテナ列車から旧客、クリーニングカーの後押しまで多様に活躍しています。

 今回の写真のはTOMIXのHGモデル。
 ナンバーもまだ嵌めていませんが1000番台の後期形です。香港製から始まるトミー&TOMIXのED75も中身だけでも3回以上変わっているだけに最新式の走りっぷりは見事の一語。
 ある程度の速さから急に電源を切っても短距離ながらそれっぽい惰行をして見せるところなどはなかなか素晴らしいです。

 「偉大なる凡庸」だけあって思い出も多いせいかED75で語る時は何故か長文になります。