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2022年12月20日 弁理士試験 代々木塾 意匠法60条の3

2022-12-20 16:33:42 | Weblog
2022年12月20日 弁理士試験 代々木塾 意匠法60条の3

(国際登録出願)第六十条の三
1 日本国民又は日本国内に住所若しくは居所(法人にあつては、営業所)を有する外国人は、特許庁長官に意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定(以下「ジュネーブ改正協定」という。)第一条(vⅱ)に規定する国際出願(以下「国際出願」という。)をすることができる。この場合において、経済産業省令で定める要件に該当するときは、二人以上が共同して国際出願をすることができる。
2 前項の規定による国際出願(以下「国際登録出願」という。)をしようとする者は、経済産業省令で定めるところにより外国語で作成した願書及び必要な物件を提出しなければならない。

〔解説〕

・60条の3第1項(国際出願の出願人適格)

(1)国際出願の出願人適格
 日本国の特許庁長官に国際出願をすることができる者は、「日本国民」であるか、又は「日本国内に住所若しくは居所(法人にあつては、営業所)を有する外国人」である。
 日本国民であれば、日本国内に住所、居所又は営業所を有することは必要とされない。
 日本国民が在外者であるときは、意匠管理人(準特8条)により国際出願をしなければならない。
 外国人は、ジュネーブ改正協定の締約国の国民に限定されず、日本国内に住所、居所又は営業所を有する外国人であれば、出願人適格を有する。

(2)「国際出願をすることができる」
 改正協定4条(1)(a)によれば、国際出願は、国際事務局に直接するか、自国の官庁を通じてすることができる。
 そこで、日本国では、出願人が直接出願をするか又は間接出願をするか自由に選択することができるよう、特許庁長官に「国際出願をすることができる」と規定している。
 なお、マドリッド協定の議定書に基づく国際出願においては、日本国民又は日本国内に住所、居所若しくは営業所を有する外国人は、日本国の特許庁長官に国際登録出願をしなければならない、と規定している(商68条の2)。議定書に基づく国際出願は、本国官庁にしなければならないからである。

(3)出願人が特許庁長官に国際出願をするときは、日本国を指定締約国に含めることもできるし、含めないこともできる。
 同一の意匠について日本国に意匠登録出願をしていないときは、国際出願の指定締約国に日本国を含めることにより、日本国においても意匠権を取得することができる。
 一方、同一の意匠についてすでに日本国に意匠登録出願をしているときは、国際出願の指定締約国に日本国を含める必要はない。

(4)改正協定には共同出願に関する規定は存在しないが、日本国では、全員が出願人適格を有することを要件としている(60条の3第1項の経済産業省令)。

 改正協定 第三条 国際出願をする資格
 締約国である国の国民若しくは締約国である政府間機関の構成国の国民である者又は締約国の領域に住所、常居所若しくは現実かつ真正の工業上若しくは商業上の営業所を有する者は、国際出願をする資格を有する。

 改正協定 第四条 国際出願をするための手続
(1)[直接又は間接の出願]
(a)出願人は、その選択により、国際事務局に対し直接に、又は出願人の締約国の官庁を通じて国際出願をすることができる。
(b)(a)の規定にかかわらず、いずれの締約国も、宣言により、自国の官庁を通じて国際出願をすることができない旨を事務局長に通告することができる。

 ジュネーブ改正協定に基づく国際出願は、国際事務局に対し直接にするか、出願人の締約国の官庁を通じてするか、出願人が選択することができる。
 締約国は、自国の官庁を通じて国際出願をすることができないこととすることができるが、日本国は、特許庁長官を通じて国際出願をすることができることとしている。
 指定締約国に日本国を含めない場合でも、特許庁長官に国際出願をすることができる。

・60条の3第2項(国際登録出願の手続)

(1)「国際登録出願」
 日本国の特許庁長官にした国際出願を「国際登録出願」と定義している。
 「国際登録出願」は、国際段階の手続を意味する。

(2)言語
 日本国の特許庁長官に国際登録出願をするときは、願書は、英語、フランス語又はスペイン語から選択した外国語で作成しなければならない(経済産業省令)。
 意匠法施行規則2条5項において、国際登録出願の願書の様式は、別に定めることとされている。英語による様式と、フランス語による様式と、スペイン語による様式が規定されている。国際登録出願の出願人は、この3つの様式から選択した様式で、国際登録出願の願書を作成しなければならない。

 PCTに基づく国際出願については、日本国の特許庁を受理官庁とする場合は、日本語又は英語で作成しなければならないが、改正協定に基づく国際出願については、日本国の特許庁を通じてする場合でも、英語、フランス語又はスペイン語から出願人が選択することができる。しかし、願書を日本語で作成することはできない。

(3)「必要な物件」
 改正協定5条(1)において、国際出願時に提出が必要な資料として意匠の見本等が規定されているので、特許庁長官に国際出願をするときは、必要な物件を提出しなければならないこととした。

 改正協定 第五条 国際出願の内容
(1)[国際出願に必須の内容]
 国際出願については、一の所定の言語で作成し、及び次のものを含め、又は添付する。
(i)この改正協定に基づく国際登録の請求
(ⅱ)出願人に関する所定の事項
(ⅲ)国際出願の対象である意匠の一の複製物又は出願人の選択による二以上の異なる複製物の写し(所定の方法により提出されるもの)の所定の部数。ただし、意匠が平面的なものであり、かつ、(5)の規定に基づいて公表の延期の請求がなされている場合には、国際出願には、複製物を含めることに代えて、所定の部数の意匠の見本を添付することができる。
(ⅳ)意匠を構成する一若しくは二以上の製品又は意匠が使用されることとなる一若しくは二以上の製品の所定の表示
(v)指定締約国の表示
(ⅵ)所定の手数料
(ⅶ)その他の所定の事項
(2)[国際出願に追加される必須の内容]
(a)その官庁が審査官庁である締約国であって、自国の法令が意匠の保護の付与のための出願について自国の法令に基づいて出願日が認められるためには、当該出願が(b)に規定する要素のいずれかを含むことをこの改正協定の締約国となる時に要求するものは、宣言により、当該要素について事務局長に通告することができる。
(b)(a)の規定に基づいて通告することができる要素は、次のものとする。
(i)出願の対象である意匠の創作者の特定に関する表示
(ⅱ)出願の対象である意匠の複製物又は特徴についての簡潔な説明
(ⅲ)請求の範囲
(c)国際出願に(a)の規定に基づいて通告を行った締約国の指定を含む場合には、当該国際出願には、所定の方法により通告の対象である要素についても含める。
(3)[国際出願の他の内容]
 国際出願には、規則に定める他の要素を含め、又は添付することができる。
(4)[同一の国際出願における二以上の意匠]
 国際出願には、所定の条件に従い、二以上の意匠を含めることができる。
(5)[公表の延期についての請求]
 国際出願には、公表の延期についての請求を含めることができる。


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