今回は2011年春アニメで最も大化けしたと言われているローカル局アニメ「TIGER & BUNNY」の第1話を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。
「TIGER & BUNNY」…サンライズ制作のオリジナルアニメ作品で、アニメ制作はサンライズです。ローカル局放映アニメなうえにオリジナル作品で、さらに題名も惹かれるものでは無かったため知名度はかなり低く、自分も全くノーマークでした。
名前からして萌えアニメなのかと思いきや、実際はアメコミ調のバトルアニメで萌えとは全く無縁でした。そしてその内容はヒーロー達による治安維持貢献度によるランキングバトルのようで、これは最近のアニメでは非常に珍しい形式で結構意表を突かれました。
そしてさらに意表を突かれたのが、このスポンサーの数々!作中でもヒーロー達は個別の架空のスポンサー企業に所属していましたが、実在の企業もスポンサーとして参加していて、「SoftBank」や「ペプシNEX」、「カルビー」に「DMM.com」などが見て取れました。それらの企業のロゴが各キャラクターのスーツに描かれていて、これは実際放映前にサンライズが企画として募集していたみたいです。中でもやはり主人公クラスは値段が高めだったりするようでその分ロゴは胸の部分など目立つ部分に載せられるようです。
そんな中一際異彩を放つのが…「牛角」!主人公虎徹の親友で同じヒーロー仲間ですが、とにかく普通にしていても目立っていて性格も面白く、さらにあのロゴの位置が絶妙でキャラクターの名前はなかなか覚えられませんがとにかく牛角さんということで一発で覚えられました。ある意味この作品で一番トクをしているのは牛角かもしれません。
アニメ制作のシステムも面白かったですが、これで作品がつまらなければ単なる大赤字アニメの企画倒れで終わっていたかもしれませんが、実際のところ純粋にアニメとして見ると、これが予想以上に面白い!萌えとは全く無縁の濃いめのデザインによる王道ヒーローアニメですが、犯人逮捕だけでなく人命救助をするとポイントが加算されたり、犯人を捕まえるために車両や物を壊すとスポンサーが賠償金を支払うことになるためヒーローが怒られたりと話としても面白く、その様子を実況中継しているヒーローTVの「いったんCM!」で本当にCMに入るなど演出も見事でした。
主人公の虎徹はもう10年近くヒーローを続けていてしかも妻子持ちのおっさんというなんとも渋い設定なのがたまりません。そんな虎徹がスポンサーの撤退により移籍した先で新しいスーツに着替えろと言われていましたが、そこで虎徹が「あのスーツでないと…」とヒーローに誇りを持っている一言が印象的でした。そして移籍先で初めてのヒーローコンビを組む相手があのスーパールーキー、バーナビー・ブルックスJrとは…気になるところで終わってしまいました。
作画は良くも悪くもサンライズらしかったです。「ウイングマン」を思い出させる桂正和デザインは萌えとは無縁の渋いキャラクターデザインで、さらにキャラクターの個性が強く、バトルシーンのCGも良く作られていて面白かったです。少々残念なのはオープニングとエンディングはいたって普通なところでした。
総評
1話の全体的な感想としては、素晴らしいほどに王道ですがそれゆえに面白かったです。アニメ自体が面白いからスポンサーにも注目が行くし、アニメ制作のほうにも制作費が落ちるというある意味理想的なアニメ制作の形の一つかもしれません。少なくともこのアニメの第1話を見たら大抵の人は牛角に興味が出てきそうでした。
1話の個人的評価としては、久々に見る王道作品でしかもオリジナルということで先が気になる終わり方だったし何より面白かったので永久保存版のAランクです。
やはり今期もオリジナルアニメ作品は強かったです。しかも現在2011年春アニメの覇権クラスと言われているのが「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」とこの作品「TIGER & BUNNY」です。放映前誰がこのような展開を予想できたでしょうか。