■「第七の封印/Det Sjunde Inseglet」(1956年・スウェーデン)
●1957年カンヌ映画祭 審査員特別賞
監督=イングマル・ベルイマン
主演=マックス・フォン・シドー グンナール・ビョルンストランド
キリスト教の知識が乏しいために深読みすることはできないが、映像美と独特な物語の進行には魅了された。まず印象に強く残るのは死神とチェスを始める冒頭。十字軍帰りの騎士を死神が迎えに来る。騎士は、死を迎えるまでに知りたい事がまだいくつもある、チェスの勝負の間猶予して欲しいと言う。この騎士を演ずるのがマックス・フォン・シドー。後に「エクソシスト」で悪魔と対決する神父を演ずる人だけに、”死神と勝負”ときくと映画ファンとしては勝手につながりを感じてしまう。
全編を通じて漂うのは”死”のイメージ。ペストが流行している地域から逃れて旅をする主人公たち、悪魔に取り憑かれたとして処刑される女性、葬列のようなペスト患者の一団。主人公の騎士は神について知りたいと教会で語るが、その話を聞いているのが死神だったりして、彼の問いかけに神は沈黙するのみである。そして旅芸人を除く7人は死神に踊らされ、連れられていく。何とも言えない無常感が残る。この映画を言葉で語るのは難しい。でも強烈に心に残る魅力がある。
(2002年筆)
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