Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

涼宮ハルヒの憂鬱

2009-08-28 | 読書
 アニメ版が放送されている「涼宮ハルヒの憂鬱」。興味本位で何気なく初回を見て面白くなった。
配偶者アミダラM「まっ!萌え系アニメ見てるのね。」
アナキンtak「オレは絵に惹かれて見てるんじゃないの(ウソつけ)。けっこう筋が面白いんだぜ。」
アミダラM「だって、この”あさひなみくる”って娘、完全にあなたの好みじゃない。そのうちフィギュア手に入れるんじゃないの?」
アナキンtak「・・・。」
と、一方的に批判されっぱなしのtakであります。

 アニメを2回まで見たあたりから、超現実的なストーリーと主人公キョンのちょっと自嘲的なナレーションが妙に僕のツボにはまった。そう、押井守が監督していた頃の「うる星やつら」に、ウディ・アレン映画の自虐的なナレーションが添えられたようなもの。この2点において圧倒的に僕の趣味だったのだ。決してミクルちゃんだけがツボだった訳ではありませぬ(あ、認めてる・汗)。

 コミックも確かに面白いのだが、ボキャブラリーと知識豊富なキョンの「つぶやき」にもっと触れたくなって、ついに原作を手にしてしまった。あー、本屋さんでレジに出すのそれなりに恥ずかしかった。だって角川スニーカー文庫だもん。いやいや、オレは萌えを求めて購入する訳じゃない。いいんだいいんだ。

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

角川書店 2003-06
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 ”神”とも言うべきハルヒの存在。それは完全に現実を超越している。彼女の設定をめぐる説明を小泉クンや長門から聞く度に、僕は高校時代に考え込みながら真剣に観た「うる星やつら ビューティフルドリーマー」を思い出す。ハルヒは小泉クンたちが言うような異質な存在。だけど、彼女をめぐる物語が普遍的なテーマのように思えてしまうのは何故だろう。

 人生においていろんな興味に目覚めさせてくれる異性の存在って誰しもがあると思う。その女性とつきあったからジャズを聴くようになったとか、彼氏が好きなガンダムにはまっていく女の子とか。それはある意味で「啓示」だ。それまでの自分の世界を大きく変える出来事なのだ。高飛車で身勝手な涼宮ハルヒは、主人公キョンにとってそうした存在。ところが実は彼女がそうなったのはキョン自身が関与しているという事実。七夕のエピソードや「消失編」で語られるのは、”神”と呼ばれしハルヒのルーツ。そこでのキョンはまるで理想の女性を創り出そうとするピグマリオンのようでもある。そして彼を導いてくれる美女の存在。超時空な展開が、この物語のたまらない魅力だ。

 文中でキョンのぼやきのような台詞の数々は「 」(かぎかっこ)なしに記されることが多い。それは台詞でもあって、心のつぶやきでもある。キョンが引用する単語や引用はなかなか深くって、それがまた僕ら世代を唸らせる。閉鎖空間から帰還するまでのドラマティックなエピソードが収められた第1巻を僕は一気に読み上げてしまった。アニメにはアニメの魅力があるけど、アニメの台詞じゃ理解できない長門のふかーい台詞をじっくり味わえる小説には別な魅力がある。続き、読んじゃお!。

配偶者アミダラM「やっぱりみくるチャンが好きなんでしょ。」
アナキンtak「いや、だからオレはさ・・・」

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