◼️「猫のように」(1988年・日本)
監督=中原俊
主演=吉宮君子 橘ゆかり 森川正太
「櫻の園」(1990)を観て、女子と女子との距離感や相手への気持ちをうまく表現する映画だなと思った。男の自分でも切なさにジーンと来てしまって、繰り返し観てしまった。中原俊監督が特別に女心がわかる奴とは思わないけれど、そんな世界を描けることをなんか羨ましく思った。そんなことを考える僕も若かったのだろうな。
そんな中原俊監督のにっかつ時代の作品「猫のように」を観た。シスターコンプレックスな感情を抱えた姉妹が主人公。姉の男性関係に対する苛立ちから、妹は姉を監禁しようと考える。普通の関係でもなく、禁じられた恋愛感情でもなく、でもどこか異常な気持ち。好きだけじゃ言い表せない感覚。それをネチっこいエロティシズムでフィルムに収めている。
「櫻の園」を先に観たせいか、男には計り知れない心のつながりを別な形で見せつけられた気がして、ロマンポルノじゃなくてもいい題材だよなー、と思ったのを覚えている。
主演の橘ゆかりが素晴らしかった。強い眼差しと美しい肢体が忘れられない。橘ゆかりは「櫻の園」で演劇部OB役で出演している。わずかな出番だったけど、高校時代の揺れる気持ちを通り過ぎた人なんだと思うと、素敵な場面に感じられたっけ。
ともあれ「猫のように」もっかい観たいんですよねー🥺