Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

ニューヨーク 最高の訳あり物件

2019-06-22 | 映画(な行)
◾️「ニューヨーク最高の訳あり物件/Forget About Nick」(2017年・ドイツ)
 
監督=マルガレーテ・フォン・トロッタ
主演=イングリッド・ボルゾ・ベルダル カッチャ・リーマン ハルク・ビルギナー フレドリック・ワーグナー
 
オンライン試写会にて鑑賞。地元の映画館では上映予定にないので、貴重な機会に感謝。
 
売れっ子モデルだったジェイドは、デザイナーとしてのデビューに向けて準備していた矢先に、出資者でもある夫ニックから離婚を言い渡される。彼女が住むマンハッタンの高級マンションに、ニックの元妻マリアがやって来て部屋の半分の権利は自分にあると主張し、奇妙な同居生活が始まる。よりを戻す戻さない、部屋を売る売らないから始まってトラブルの連続。そこへマリアとニックとの間に生まれた娘が子供を連れてやってくる
 
同じ男性を愛したという共通点だけで、性格も理想も違う二人。この映画では、幸せの形があれこれ示される。愛する男性との間に子供をもつ幸せ、愛する人に支えられて仕事に励む幸せ、子供と一緒にいられることの幸せ。世間が認める成功という幸せ、お金と成功だけが幸せではないという選択。次第にお互いを理解する様子が、時にじれったく時に胸を打つ。
 
ジェイドとマリアのライフスタイルの違いを絵画や絵皿、積み上げられた詩集など小道具をうまく使っているのは面白い。コミカルな描写もあるけれど、ライトな人間ドラマとして楽しめる。ドイツ映画だからって身構えずに観て欲しい。舞台はアメリカだし脚本も一部を除いて英語。シンプルだけどオシャレなタイトルバックも素敵。映画の終わりには、離れ業のハッピーエンドとほっこりした幸せ感があなたを待っていることだろう。
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