Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

リスペクト

2021-11-13 | 映画(ら行)


◼️「リスペクト/Respect」(2021年・アメリカ)

監督=リエスル・トミー
主演=ジェニファー・ハドソン フォレスト・ウィティカー マーロン・ウェイアンズ オードラ・マクドナルド

音楽もの伝記映画が次々に製作されている。本人になりきった演技はもちろんだが、歌や演奏も聴かせなければいけない。ましてや数々の偉業をなし遂げたアーティストだけに、観客は思い入れがあるから中途半端なことはできない。主役は、デビュー作「ドリームガールズ」で歌唱力とビヨンセを喰らう名演技を見せたジェニファー・ハドソン。これ以上のキャスティングがあろうか。彼女なしにこの企画は実現し得なかっただろう。

映画「リスペクト」はクィーン・オブ・ソウル、アレサ・フランクリンの生涯を描いた力作。幼い頃から父親の教会で歌っていたアレサ。私生活でのトラブル、公民権運動、マネージャー男性との紆余曲折、様々な困難を経て、再び自分のルーツであるゴスペルを歌う1972年のチャーチコンサートに至るまでを描いたものである。

僕が初めてアレサ・フランクリンが歌う姿を見たのは、忘れもしない「ブルース・ブラザース」のThink。フリ〜ダム♪と歌うパワフルな姿だ。代表曲はなんとなくどこかで聴いたことがあるレベルで、80年代育ちなものでユーリズミックスとデュエットした楽曲や、Freeway Of Loveなど当時のヒット曲、映画「コミットメンツ」でカバーされたChain Of Fools、ストーンズのJumpin' Jack Flashのカバー(めちゃくちゃ好き♡)あたりを知っている。だから映画「リスペクト」で語られる時代の活躍は詳しくは知らなかったので、とても興味深かった。

公民権運動の時代だけに、白人と黒人の衝突や無理解は映画以上のものがあったことだろう。そんな中で白人ミュージシャンの演奏をアレサが気に入って受け入れるのは、グッとくる場面の一つ。チャーチコンサートのAmazing Graceの熱唱。そしてエンドクレジットで流れる、ご本人の(You Make Me Feel Like) A Natural Womanに感激。一緒にいるだけで素直な気持ちになれる。そんなパートナーへの気持ちを歌った名曲。世間の困難に向き合う女性の歌もパワフルで素晴らしいけれど、この曲の優しい響きが心に残った。




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