Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

胸騒ぎのシチリア

2018-06-11 | 映画(ま行)

■「胸騒ぎのシチリア/A Bigger Splash」(2015年・イタリア=フランス)

監督=ルカ・グァダニーノ
主演=ティルダ・スウィントン レイフ・ファインズ マティアス・スーナールツ ダコタ・ジョンソン

「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ監督の旧作「胸騒ぎのシチリア」に挑む。
喉を痛めたロック歌手マリアンは、恋人のポールとイタリアで静養中。
そこにポールの友人にしてマリアンの元カレ、音楽プロデューサーのハリーが娘のペンと一緒に突然やって来た。
陽気に騒ぐことが好きなハリーは次々と友人を招き、マリアンとポールの静かだった生活はかき乱される。
しかしハリーが島を訪れた本当の理由は、
マリアンへの未練だった…。

アラン・ドロン主演の「太陽が知っている」(1968)を現代風にリメイク。
4人の役者がそれぞれの持ち味でいい演技。
特にティルダ・スウィントンは声を出せない役だけに、
ポールとかつての恋人ハリーとの間で揺れる不安な心持ちを見事に演じてみせる。
レイフ・ファインズは他の出演作では見られないハジけっぷり。
しかし、メロドラマとしてはなーんか釈然としない結末。観る側の受け取り方次第なのかな。

「ミラノ、愛に生きる」と同じく、ラブシーンの撮り方が独特で巧い。
全てを脱がずに激しく絡み合う様子や、その間の台詞からも思いの切実さが伝わってくる。
また、ロングショットでシチュエーションを見せた後、相手を見つめる表情をアップで捉える。
何を思っているのか、ミステリアスな印象で観る側を引きつける。
裸が多い映画ではあるが、見せ方は時に気品すら感じる。

ハリーがローリングストーンズと仕事をしたということで、
Emotional Rescueが本編とエンドクレジットで流れる。
登場人物それぞれが抱える寂しさをどうにかしたい切なさが描かれているだけに、"心の救済"とは暗示的。

「胸騒ぎのシチリア」予告編


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