Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

マイ・ブルーベリー・ナイツ

2008-04-19 | 映画(ま行)

■「マイ・ブルーベリー・ナイツ/My Blueberry Nights」(2007年・香港=中国=フランス) 

監督=ウォン・カーウァイ
主演=ノラ・ジョーンズ ジュード・ロウ ナタリー・ポートマン

 本当にいい映画に出会えたとき、映画のエンドクレジットは僕らを何とも言えない名残惜しい気持ちにさせる。「マイ・ブルーベリー・ナイツ」のラストシーン…その後の僕は、いつまでもこの雰囲気の中に身を置いておきたい…そう思った。こんなにロマンティックで、音楽が素敵で、しかも人生について考えさせられるよな人間模様が描かれた映画…なかなかないよ。「…やられた。」この映画の感想を一言で言うならば、それが僕の答えだ。

 片岡義男の小説を読んでいた中坊の頃から(マセガキ?)、酒場のカウンター越し、または喫茶店でコーヒーの湯気の向こうで語られる物語になんとなく憧れていた。この映画で描かれる人間模様は、まさにそれ。恋に破れて旅する主人公は、そこから生き方を考えて成長していく。レイチェル・ワイズもナタリー・ポートマンも、主人公とは違うスレた女っぷりが実にいい。

 ウォン・カーウェイの映画を観るとき、伝えたいのに伝わらない気持ちの一方通行を常に感じていた。「花様年華」しかり「恋する惑星」しかり。そこにいつも切ない気持ちにさせられている。でもこの映画ではしあわせな結末が待っている。いつものセンチメンタルなムードを期待すると、完全に裏切られる。だがジュード・ロウとノラ・ジョーンズの恋物語を始めとして、映画のディティールには、これまでの監督作にみられた要素が少しずつだけど反映されている。店の客との恋(恋する惑星)、もう開けることのない部屋の鍵(花様年華)、女ギャンブラー(2046)…。

 最後のニューヨークの場面。僕は胸が高鳴るのをおさえられなかった。監視カメラや予約席。彼女が再び店に来るのを待ちながら彼がビデオを繰り返し見てたのかと思うと、近付くラストにわくわくする。実はキスに気づいていて二度目のキスに(いや、次の恋に)すぐたどり着いていいのか考える為の旅だったのか…そう勝手に想像するとなおさらドキドキ。そしてラストシーン。カフェのカウンター越しに始まる物語は、カウンター越しにしあわせな結末を迎える。まだ恋物語にドキドキできる自分…、まだまだイケてるのだろか(バカ)。



サントラ、買っちゃいました。この映画の雰囲気にずっと浸っていたくて。ノラのこの曲弾いてみたいな。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする