ヒマラヤの秘境、ブータン王国の国営新聞「クエンセル」の
2006年1月6日付の記事である。
2005年11月1日の夜、首都ティンプーのメインストリートにある
一軒のお店の前で一組のブータン人夫婦が喧嘩をしていた。
そこに偶然居合わせた、42歳の日本人ボランティアの男性は親切心から
この夫婦喧嘩の仲裁に入ったところ、逆に当事者の夫に刃物で刺されてしまった。
そして、この状況を一人の少年が目撃していた。という記事である。
新聞では、刺された日本人のケガがどのくらいなのか?
などの詳しいことには一切触れていない。
その後、この事件は裁判になり、刺した夫、刺された日本人、
目撃者の少年の証言が食い違ったりして、多少混乱があったらしい。
そして判決の日、ブータンの地方裁判所は、刺した夫、刺された日本人、
目撃者の少年、刺した夫の妻の4人を、つまりそこにいた全員をなんと
有罪としてしまったのである。
判決理由は、「故意に暴力を振るった場合、それがいかなる理由であっても
有罪となる」というブータン刑法158条によるものらしい。
そして刺した夫には懲役1年、刺された日本人には懲役2ヶ月、目撃者の少年には
懲役1ヶ月、夫の妻はなぜか有罪としか記載されていない。
詳しいことは、記載されていないのでわからないが、推測するに、
そこにいた全員が、止めあいになって、手がぶつかったとか、
腕が当たったとか、おそらくもみ合いにでもなったのであろう。
それを裁判官が、それぞれが暴力行為をはたらいたとして、判決理由に
当てはめた。その結果全員が有罪なのである。。
めちゃくちゃである。
秘境なんていっても、現実なんてこんなもんである。
しかし、今一番行きたい国でもある。
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