隊長が、これまでに鑑賞した「映画」を紹介するシリーズの第256作品目は、『セーラー服と機関銃』をお送りします。
『セーラー服と機関銃』は、1981年12月に公開された日本映画です。製作会社は、角川春樹事務所と、キティ・フィルム。配給は、東映。上映時間:112分。
原作は、赤川次郎の同名の小説。
脚本:田中陽造。
監督は、相米慎二(そうまい しんじ)。
主演:薬師丸ひろ子。
尚、「隊長のブログ」では、薬師丸ひろ子さんが出演する作品・番組を、これで十本を紹介したことになります。詳細は、こちらをご参照下さい 。
共演者:渡瀬恒彦、風祭ゆき、佐藤允(まこと)、大門正明、酒井敏也、柳沢慎吾、北村和夫、寺田農(みのり)、三國連太郎、藤原釜足、円広志、斎藤洋介、ほか。
(上:渡瀬恒彦、下:薬師丸ひろ子)
あらすじ:主人公の星泉(薬師丸ひろ子)は、どこにでもいる平凡な女子高生。幼い頃に母親を亡くした泉は、そのあと商社マンの父親と二人で、暮らしていました。しかし、その父親も交通事故で帰らぬ人となってしまいました。
天涯孤独の身となった泉は、葬儀で父親に最後の別れをするのですが、線香をあげる参列者の中で、全く見知らぬ男性がいることに気がつくのでした。葬儀を済ませて、家へ帰ると見たこともない女性・三大寺マユミ(風祭ゆき) が待っていました。
マユミは一通の手紙を、泉に差し出します。それは、マユミに対して泉の父親が送った手紙でした。その手紙には、自分に何かあれば泉を頼むといった文言が、記されていました。それからというもの、マユミは泉のマンションに転がり込み、二人は同居することになります。
その次の日のこと、泉はいつものように高校へ行くと、校門で黒い服を着たヤクザの一軍に出迎えられて、事務所へ連れていかれてしまいます。
すると、目高組の若頭・佐久間真(渡瀬恒彦) から「組長になってほしい」 と頼まれます。泉は断りますが、最後は仕方なく組長を襲名することに。挨拶回りに訪れた松の木組組長・関根(佐藤允) から、泉は徹底的にバカにされます。そして、父が麻薬の密輸に関与しての死と聞かされ、他のヤクザ組織との抗争に巻き込まれいくのでした。。。
感想:中学一年生(13歳)の時に、映画 『野性の証明』 で芸能界入りした、薬師丸ひろ子さんの映画三作目です。主演だけでなく、同名の主題歌で歌手デビュー。
作詞:来生えつこ、作曲:来生たかおの、この曲も大ヒットしました。「角川映画」が、いかに社運を賭けて、薬師丸ひろ子さんをスターダムに載せようとしていたかが、わかります。薬師丸ひろ子さんも、その期待に応えて成長し、58歳の今でも、女優・歌手として第一線で活躍しています。
改めて、角川春樹さんの映画製作者としての才能と、「角川映画」の既存の映画界に対する挑戦を評価したいと思います。春樹さんが社長を務めていた「角川書店」が、「KADOKAWA」へ社名と業態を変えた結果が、東京オリンピック・パラリンピック大会の贈賄事件で、弟の歴彦さんの逮捕へ至るのも、何か皮肉ですね。
相米慎二監督の斬新な演出も、光ります。泉の機関銃乱射シーンで、薬師丸ひろ子さん「カイカーン・・・」と呟く、有名なセリフは、赤川次郎さんの原作にはなかったそうです。
泉(薬師丸)と、マユミ(風祭ゆき)が、劇中で何度か口ずさむ「カスバの女」の歌が、何故かいつまでも、耳に残ります。
ラストシーンで、薬師丸さんの歌う主題歌が流れる中、泉が、セーラー服に赤いハイヒールで、休日の歩行者天国を歩く姿が、異様に思えました。しかし、最後に、マリリン・モンロー主演の『七年目の浮気』へのオマージュだと分かり、納得しました。
このシーンは、伊勢丹新宿店の前でのゲリラ撮影だっとことにも、驚きました。
最後になりますが、この映画が公開されてから41年が経ちました。多くのスタッフ・出演者が鬼籍に入られています;
相米慎二、渡瀬恒彦、北村和夫、三國連太郎、藤原釜足、斎藤洋介、佐藤允、など(敬称略)。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
主題歌:「セーラー服と機関銃」
作詞:来生えつこ
作曲:来生たかお
歌手:薬師丸ひろ子
==「映画」バックナンバー =
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Film1~240 省略
Film241 2022/1/26 『クライ・マッチョ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/757274df8156bdb9256e9800898eb5bf
Film242 2022/2/17 『ウエスト・サイド・ストーリー』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0ba5d415d0a79d47bb2cc6e5651f9d92
Film243 2022/3/9 『JSA』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1df8ea4ff792addc6af7c2ea3811435d
Film244 2022/3/17 『山桜』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/705a4195432147acf188dce64b3817ba
Film245 2022/3/20 『ボヘミアン・ラプソディ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/34dab4728c0d4aab627a3920a1f76aac
Film246 2022/4/6 『ミスター・ベースボール』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/2874b50d8ad5de1f85e616b54f0e0265
Film247 2022/4/11 『ムトゥ 踊るマハラジャ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/6343f32c2b89e30fd9b4836e62e461eb
Film248 2022/4/22 『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/aa52c0d999cb8ff95f475cfc6bb9e215
Film249 2022/4/28 『マチネの終わりに』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8ad137688f0aa756991714a5e5af634f
Film250 2022/6/12 『トップガン マーヴェリック』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/cfe888828c089f8a2a398d8c3d996f1e
Film251 2022/7/18 『エルビス』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8253525b9bf7527bc081bb94708ff005
Film252 2022/9/20 『必死剣 鳥刺し』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9e2a85ff0a9e61ab15e39f8b554e8ae4
Film253 2023/1/7 『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/86d9b2ce72d25e29c817d658bfc84f88
Film254 2023/2/14 『おとうと』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f2f797a386684d5d744a368d7e52f66c
Film255 2023/3/6 『ウエスト・サイド物語』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/46ae01c40505d1be80251f8cb534f750