隊長が、これまでに鑑賞した「映画」を紹介するシリーズの第241作品目は、『クライ・マッチョ』をお送りします。
1月14日から全国公開されている『クライ・マッチョ』を、観に行ってきました。
『クライ・マッチョ(原題:CRY MACHO)』は、監督・製作・主演をクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)が務めた、本国では2021年9月17日に公開されたアメリカ映画。
クリント・イーストウッドの監督デビュー 50周年記念作品となります。尚、「隊長のブログ」では、クリント・イーストウッドの映画作品を、これで九本を紹介したことになります。詳細は、こちらをご参照下さい 。
原作は、N・リチャード・ナッシュ(N. Richard Nash)の同名小説。
脚本:N・リチャード・ナッシュ、ニック・シェンク(Nick Schenk)。
配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ。上映時間:104分。
共演者:エドゥアルド・ミネット(Eduardo Minett)、ドワイト・ヨアカム(Dwight Yoakam)、フェルナンダ・ウレホラ(Fernanda Urrejola)、ナタリア・トラヴェン(Natalia Traven)、ほか。
あらすじ:物語の始まりは、アメリカ・テキサス。ロデオ界のスターだったマイク(クリント・イーストウッド)は落馬事故以来、数々の試練を乗り越えながら、孤独な独り暮らしをおくっていました。そんなある日、元雇い主のハワード・ポーク(ドワイト・ヨアカム)から、別れた妻・リタ(フェルナンダ・ウレホラ)に引き取られている十代の息子ラフォ(エドゥアルド・ミネット)をメキシコから連れ戻してくれと依頼されます。
犯罪スレスレの誘拐の仕事。それでも、元雇い主に恩義があるマイクは引き受けました。メキシコを訪れラフォを探し当てると、男遊びに夢中な母に愛想をつかし、闘鶏用のニワトリとストリートで生きていました。最初は、懐疑的だったラフォは、マイクとともに、父親が待つアメリカとの国境への旅を始めます。
そんな彼らに迫るメキシコ警察や、ラフォの母が放った追手をかわし乍ら、旅を続けるのでした。。。
鑑賞したのは、東京・日比谷にある「TOHOシネマズ 日比谷」。
オミクロン株が蔓延しているので、劇場鑑賞は出来るだけしたくないのですが、今年5月の誕生日を迎えると、92歳になるクリント・イーストウッド。失礼な言い方になってしまいますが、彼を大型スクリーンで観られるのも最後かもしれないので、行きました。
「日比谷シャンテ」4階にある同シネコンからは、「日比谷交差点」と「日比谷公園」が一望できます。
本作を上映しているのは、座席数98のSCREEN 6。
感想:題名の『クライ・マッチョ』の“Macho”とは、スペイン語で「強い男」の意味ですが、ラフォが飼っている闘鶏用のニワトリの名前でもあります。劇中のセリフにもありますが、弱虫や臆病者を意味する“チキン”ではなく、本当の“マッチョ”になろうとする老人と男の子の物語だと言えるでしょう。
クリント・イーストウッド演じるマイクは、孤高の老人なのですが、彼が監督・主演した『グラン・トリノ』、 『運び屋』 と、同じ設定です。
この二作品の脚本を務めたニック・シェンクが、本作でも共同脚本として名を連ねているのも、偶然ではないでしょう。
本作は、西部劇の要素がある「ネオウェスタン」でもあるのですが、クリント・イーストウッドは年を取っても、西部劇が似合う男です。カウボーイハットなどの衣装、道中ではホテルに泊まらず野宿をするなど。
西部劇ですが、銃は出て来ますが、一発も撃つことない、「ヒューマンドラマ」です。
また、メキシコの大自然をバックにした「ロードムービー」でもあります。でも、撮影場所は、メキシコではなく、米国ニューメキシコ州のようですが。そう言えば、『運び屋』もメキシコが舞台のロードムービーでしたね。
旅の途中立ち寄った片田舎の街で知り合ったレストランのオーナー・マルタ(ナタリア・トラヴェン)とマイクとの、まさかの“ロマンス”もあります。ラブシーンのバックに流れる音楽もロマンチックです。
90歳を過ぎても、アクションシーンをこなせるクリント・イーストウッドですが、さすがに暴れ馬を乗りこなすシーンは、スタントでしょうね。
本作には、スマホも登場しません。マイクがメキシコからテキサスのハワードに連絡を取る手段は、公衆電話、それもコイン投入式。マイクがメキシコ国境を越える時、前のオープンカーに乗っていた3人の女性がヒッピースタイルだったので、時代設定は、原作が執筆された1970年代前半なのでしょうね。
エンドロールの一番最後に “for Alan(アランに捧ぐ)” と映し出されました。アランとは、『ハドソン川の奇跡』など多くのクリント・イーストウッド作品で音響編集を務め、2021年2月24日に66歳で亡くなった、アラン・ロバート・マレー(Alan Robert Murray)氏のことのようです。
1時間44分の上映時間が、2時間以上にも感じられた珠玉の作品でした。
==「映画」バックナンバー =
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/226e9f0193a60e6a012384176360666fえ
Film1~225 省略
Film226 2021/4/18 『少林サッカー』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3d7cadbe8320324f6f76c92f3055fdb9
Film227 2021/5/3 『ダーティーハリー2』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8f9b1e1d7c73831ed6bd802308f3e633
Film228 2021/5/11 『記憶にございません!』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dbe589226c7d8c59c68739e909441512
Film229 2021/5/19 『海洋天堂』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/417011bf38b8475d306a2c9e9165963a
Film230 2021/5/29 『最高の人生の見つけ方 (2019年)』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/fc657982359bb0e626957648a10d485f
Film231 2021/6/12 『ザッツ★マジックアワー ダメ男ハワードのステキな人生』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b7dd45c3e2988a5e10f89396b56cab86
Film232 2021/7/16 『ターンレフト ターンライト』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f9107d043155b78160b2e3673bf00b18
Film233 2021/7/28 『蝉しぐれ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/5b0180e3be682d458ac6d319e4c7b448
Film234 2021/8/12 『キネマの神様』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1430ea47c71a6a1da4a662ebe7aa8f26
Film235 2021/8/25 『慕情』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/99d5e5f27218122714e8564f2f55e28c
Film236 2021/9/3 『男たちの挽歌』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e1621c294a6f9a3bbba5821aa707f601
Film237 2021/9/19 『バニラ・スカイ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b66582e1e43a1910e83bd538c48a8660
Film238 2021/10/1 『ホタル』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a7754ab0228da08b787c23e653c71acc
Film239 2021/11/8 『男たちの挽歌Ⅱ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ba58b588e7e11fe630936234f20943f2
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