《 秘密保護法 私は訴える 》 『 元内閣情報調査室長 大森義夫さん (39年生まれ、63年に警察庁、警視庁公安部長などを経て93年内閣情報調査室長。12年から日本文化大学学長) 』 【 運用監視と検証が必須 】 2014/11/23 地方紙記事より
[特定秘密保護法の施行が迫っている中、重要なのは、メディアを含む国民が、政府による秘密指定状況を注視することだ。具体的にはどのような指定が進んでいるのか外からは見えにくい。だが件数がむやみに増えないがどうか、情報公開制度などを活用して国民がチェックを続けるべきだ。
政府は、秘密の指定項目を支障がない範囲で明確にすべきだ。例えば「外交に関すること」と表記すれば、際限がない指定が可能だ。それでは国民の信頼が得られない。
私は、独立国には秘密があり、保全法制は必要という立場だ。国家安全保障会議(NSC)を設立し米国から情報をもらう必要があるから、秘密保護法をつくるという議論には違和感がある。米国に対しても情報の独立は必要だ。
この法律は、情報公開と広い意味で一体でなければならない。公務員による情報収集活動は税金を使っている。政府機関が取得した秘密は国民に帰すべきだ。情報は間違いもあり、必ずしも真実ではない。収集活動は真実に迫ろうとする人間の営みだ。将来の国民の目で評価されるべきだ。
そもそも後世の国民の検証がなければ、情報収集は鍛えられない。情報機関を持つ英米やイスラエルも、過去の失敗を含めた活動が国民の目にさらされ、反省を繰り返し組織の在り方を生かしている。自己検証が組織を強くする。
特定秘密の指定から30年たては、自動的に公開するという運用を原則とするべきだ。国会の監視機能も物足りない。国権の最高機関が、行政が集めた機密を事実上、チェックできない仕組みになっている。]
[特定秘密保護法の施行が迫っている中、重要なのは、メディアを含む国民が、政府による秘密指定状況を注視することだ。具体的にはどのような指定が進んでいるのか外からは見えにくい。だが件数がむやみに増えないがどうか、情報公開制度などを活用して国民がチェックを続けるべきだ。
政府は、秘密の指定項目を支障がない範囲で明確にすべきだ。例えば「外交に関すること」と表記すれば、際限がない指定が可能だ。それでは国民の信頼が得られない。
私は、独立国には秘密があり、保全法制は必要という立場だ。国家安全保障会議(NSC)を設立し米国から情報をもらう必要があるから、秘密保護法をつくるという議論には違和感がある。米国に対しても情報の独立は必要だ。
この法律は、情報公開と広い意味で一体でなければならない。公務員による情報収集活動は税金を使っている。政府機関が取得した秘密は国民に帰すべきだ。情報は間違いもあり、必ずしも真実ではない。収集活動は真実に迫ろうとする人間の営みだ。将来の国民の目で評価されるべきだ。
そもそも後世の国民の検証がなければ、情報収集は鍛えられない。情報機関を持つ英米やイスラエルも、過去の失敗を含めた活動が国民の目にさらされ、反省を繰り返し組織の在り方を生かしている。自己検証が組織を強くする。
特定秘密の指定から30年たては、自動的に公開するという運用を原則とするべきだ。国会の監視機能も物足りない。国権の最高機関が、行政が集めた機密を事実上、チェックできない仕組みになっている。]