忘却への扉

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人類への最後通告に鈍感な日本

2014-11-09 | 共に
 《 気候変動への対応 》 【 地球存続をかけて取り組みたい 】 2014/11/5 地方紙「社説」記事より
 [国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、「人類への最後通告」ともいえる統合報告書を発表した。急速な気候変動の影響を避けるため、温室効果ガス排気量を今世紀末にほぼゼロにする必要性を指摘したのだ。
 気候変動防止については、各国の経済発展に伴う利害などが対立し取り組みが遅れてきたが、もはや国ごとのエゴが許される時代ではない。子孫につけを残さないために、国際社会の早急な意識改革と具体的行動が必要だ。
 報告では、このまま放置すれば今世紀末には、20世紀末に比べ平均気温が最大で4・8度、海面水位が最大82㌢上昇する。生物は絶滅にひんし、魚種や穀物は分布が変わり食料安全保障が脅かされる。水害や高潮などの災害で環境難民が激増。貧困が悪化、紛争が起きるとしている。
 事態回避のため人類に許される排気量は残り1兆㌧と明記。温室効果ガスを段階的に削減し、再生可能エネルギーの導入や二酸化炭素の地中埋設などで、今世紀末にほぼゼロにする方法を示した。
 これほど切実な危機に人類は直面したことがない。ヒトとすべての生物の存続がかかっていることを、あらためて認識しなければならない。
 報告書の意味は、重い。来年度に開かれる、国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(CОP21)で採択を目指す、2020年以降の新枠組みへの指針となるからだ。
 新枠組み採択に向け、米国や中国など「排出大国」は、削減目標案の提出へと方針転換。欧州連合(EU)も先月末、呼応するように明確な削減目標を設定した。
 そんな中、日本だけ国際社会の動きに鈍感だ。9月の国連気候変動サミットでも、削減内容や目標の提出時期を示さなかった。排出量5位という自覚がないまま取り残されつつある。地球の未来という大局的視点が欠けていよう。
 むろん各国とも産業界の反発は強い。しかし報告書では、対策が遅れるほど、後世にコストを強いることを指摘している。先延ばしにすれば、失われる損失が利益を上回ることは、各国の研究チームが検証済みだ。
 報告書は千年後の地球も描いてみせた。このままではグリーンランドの氷床などが解け、海面は7㍍上昇する。回復不能な最終局面だ。それを招くのも阻止することができるのも「人類」である現実を、各国が共有する必要があろう。
 無秩序な経済活動停止と、思い切った産業構造の転換が必要な時代に入ったと認識しなくてはならない。資源は有限であり地球は閉じた生態系を持つ。このままだと、地球は未来の世代まで存続できない。「ゼロ炭素社会」実現に向け今こそ正念場である。]
 

空想と思考世界にしたりたい

2014-11-09 | 日々
 【 地 軸 ]】 2014/11月5 地方紙1面下段記事より

 [読みたい本は次々現れるのに読むのが遅くてもどかしい。速読できたらいいのに、と積み上げた本を横目に感じる。楽しんでいるのだか、追われているのだか。せわしない。
 ▲いま読書週間。若者の本離れが心配される。実測を測るものさしは、購入金額や図書館の貸し出し数。速く、たくさん読むと褒められる。だが中学校の司書を経験したある女性は言う。「ゆっくり読んで」]
 ▲中学校では、読後、筋は言えるのに面白かった場面は言えない子を多く見てきた。刺激の強い流行の本をストーリー展開を追いかけ突っ走るように読む。けれども心は動かせない。
 ▲「大きな満足感とともに読み終える体験を味わってほしい」。彼女は思春期の子たちと日々語り合い、一人一人にぴったりな1冊を手渡そうと試行錯誤してきた。時間をかけ、楽しみを共有し、心を通わせる喜びを育みながら。こんな大人がそばにいてくれたら、子どもたちはどんなに幸せだろうと思う。
 ▲児童文学作家の角野栄子さんが、子どもがたくさんの本を自由に読める現代の豊かさの落とし穴をついていた。図書館で一度にたくさん借り、気に入らなければ次の本に移る。ここにも、手をそっと差し伸べ、読み切る喜びを手渡す大人がいるといい。
 ▲寒さが増してきた。暖かな部屋でのんびりページを繰って、空想と思考の世界にしたりたい。ときに誰かと語りあって。豊かな時間こそ読書の醍醐味(だいごみ)。]

米国まで飛んだ紙風船

2014-11-09 | 追憶
 【 戦時の風船爆弾 歴史知って 】 四国中央市 女性 (38) 《 こだま 読者の広場 》 地方紙「投稿欄」より

 ◇私の住む四国中央市で、11月15、16日の両日、ミュージカル「風船爆弾を作った日々~シャボン玉、宇宙(そら)までとばそ!」が上演される
 ◇風船爆弾は第2次世界大戦中、紙製の大きな気球に爆弾を積んで偏西風に乗せ、アメリカ本土を攻撃しようと旧日本軍が造った秘密兵器だ。製造に携わった川之江高女(現川之江高)の33回生が出版した手記が原作だ。この「おばけくらげ」風船爆弾は、「無差別攻撃の恐怖をアメリカの名もない市民に抱かせる」という意味では大いに効果があったらしく、その戦果とよべるものをアメリカは日本にひた隠しにしていたらしい。ただ、こんなものを学徒が造らざるを得なかった時点で、敗戦は決まっていたのではないのか。
 ◇戦争に対してはさまざまな意見があるだろうが、いろんな意味でこんな悲しい兵器を作らなければならなかった時代があったことを、このミュージカルによってぜひ知ってほしい。]  (主婦)