べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

育林と間伐材の利用

2009-09-30 23:53:34 | CO2を25%削減
木は成長とともに空気中の二酸化炭素を吸収していきます。(詳しくはこちら
山では植林し、育林をすることで、木を成長させていますが、その途中で成長が止まってしまうことがあります。さらに成長させるためには間伐や枝打ちなど、様々な工夫をする必要があります。


植林をします


植えた苗は、廻りの雑草や雑木に負けて成熟しません。苗だけを残して廻りの草を倒してやる作業を行います。これが「下草刈り」です。
また、斜面や雪の多い地方では、木が倒れたり、曲がったりしてしまうので、これを真っ直ぐに起こしてやるのが「雪起こし」です。
ある程度、一本立ちするまでに10年~20年くらいかかります。



木が成長します(20年~30年くらい)
林の下は暗くなり、土壌の栄養が減り、成長が止まります


それまで、廻りの草や雑木が土壌を肥やしていましたが、その雑木等の活動が弱まると、林の成長も止まります。
木が混みすぎたり、根元に光が入らずに雑木や雑草が生えないと、土が乾燥し、林が成長しないばかりか、大雨が降ると直ぐに河川に流れ出して土砂災害や河川の洪水を起こしやすくなります。



間伐作業を行います




枝打ち作業を行います


間伐と枝打ちを行うことで、根元に光が入るようになります。
また、混み過ぎた林を適度に間引くことで、成長するスペースを確保できます。



下層林が形成されます


根元に光が入って、下層に雑木や雑草が生えることで、土壌が活性化します。
活性化した土壌は保水力があり、地下水の補充とともに、林の根の水分補給にも使われます。



林が更に成長していきます


活性化した土壌の栄養を元に、林が成長していきます。
さらに、間伐・枝打ち作業を行えば木が成熟していき、大きな材料を取ることができます。


間伐の問題点




殆どの山で放置間伐が行われています


放置された間伐材は、単に腐って土に返るのを待つだけです。
微生物や昆虫、小動物によって分解されていき、空気中に二酸化炭素を放出していきます。数年間はそのままの原形で、日陰を作って下層林の生えるのを阻害したり、次の育林作業のときの障害物にもなります。



間伐材を利用しましょう


間伐材を山から出し、利用して分解、焼却するまでの時間を稼ぐことで、より長く炭素を固定することが出来ます。
また、間伐材を売ることで、間伐作業、枝打ち作業の経費をまかなうことができます。間伐材が売れなければ、経費は全て山主が負担しなければなりません。

間伐材は、樹齢30年くらいの若い木が主流です。
住宅の構造材としては、柱などの比較的荷重のかからない部材に用いるか、下地材等に使うことができます。
他にも、土木用の作業杭等にも用いています。
家具や木工製品に用途を広げることで、資源を有効に活用できます。

チップにして紙の原料や端材利用の工作にも使えます。
最終的には薪やペレットにすることで燃焼し、そのエネルギーで化石燃料の使用を減らすことも出来ます。バイオマス・エネルギー発電や乾燥施設の燃料にしている製材工場もあります。

計画的な植林、育林、伐採を繰り返し、利用すれば、炭素を固定しながら資源を半永久的に利用することが可能です。


雑木による土壌の活性化へ・・








もくじへ・・


コメント (4)
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小さい20坪の家

2009-09-30 12:09:42 | 悠久町M邸 木組みの震災復興住宅
このブログもyahooやgoogleでの検索で、だいぶ上位にエントリーされる機会が多くなりました。
検索キーワードも色々なものが多く、皆さん勉強熱心で感心しております。
毎日、検索されるので多いのは、「長期優良住宅」です、(詳しくはこちらにて・・)
超長期優良住宅については情報を掲載していましたが、長期優良住宅については、まだ情報が少ないので、特集することにしましょう。

また、変わったところで、

「国産材を使用すると固定資産税評価額が高くなる」

というのがありましたが、これははじめて聞くところです。
例えば、長期優良住宅の場合は、税制面で優遇措置があります。
(長期優良住宅として登録する必要があります。)

固定資産税評価額は、固定資産税(市町村税)や不動産取得税(県税)を出すための評価基準ですが、部屋の内装や照明といった目に見える仕上げが調査対象になりますが、例えば、和室に桧の柱を使ったり、節の無い綺麗な柱を使ったりしていれば、評価額は上がると思います。
単に、県産材を使っていた場合は節だらけならば、逆に下がる要素かもしれません。
県によっては、地場の木材を使用することの優遇措置もあるかもしれません。



今回は、「小さい20坪の家」という検索キーワードがあったので、その解説をしたいと思います。

悠久町M邸は、既存住宅が新潟県中越地震により大規模半壊となり、その後の生活の場のとしての震災復興住宅として設計、施工しました。
当初は4間×4間の平屋の16坪で計画していたのですが、台所と水廻りがもう少し広くほしいというお客さんの要望で、20坪の大きさとなっています。
(和室6帖+居間8帖+DK10帖の間取りです)

二人暮らしとしては、十分の大きさで、中越地震の山古志での震災復興住宅も、この規模の高齢者用モデル住宅が建てられています。

それでも、写真のように、木組みでしっかりとした建物にしました。県産材率90%以上(土台は桧)で、県産スギ復興支援と安田瓦による補助金を使用しています。
小屋裏利用をしていて、ロフトが8帖くらい取れています。




外観


外装材:はスギ羽目板
屋根:安田瓦

詳しくは、こちらをご覧ください。




もくじへ・・
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ベースコンクリート打ち

2009-09-28 19:00:48 | 1階が車庫の家(越後杉の伝統木組)


美沢町N邸では、先週のシルバーウィーク返上で鉄筋を組み上げ、本日、ベースコンクリート打ちが終了しました。




捨てコンクリートの上に墨を出します


その墨に沿って、配筋していきます


まずは、1段下がっている土中梁の部分から


土中梁は、外周部と通し柱を結ぶ主要な部分に配置しています


土中梁が終わって、今度はその上のベース配筋です


最後に、立ち上げ鉄筋です。
鉄筋だらけになってます。


配筋終了
今回の立ち上げは90センチ・・
見附市K邸と同様で、水害を考慮しています。
まるで、檻に入っているようです


土中梁の部分


コンクリート打ち込み


バイブレーターをかけながら打ち込んで行きます


1区間ごとに打ち込んでいる様子


均しています


ひたすら均しています


ようやく均し終わりました。
全体で100㎡くらいあります。(広い!)
25m3のコンクリートが入ったので、平均25㎝・・
ベースは15センチなので、土中梁でかなりの量が入った計算になります。


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クリナップ THEキッチン・バスフェア 越後の赤卵プレゼント

2009-09-26 10:38:27 | システムキッチンを考える
 日時 10月2日(金)・3日(土)
 時間 AM10:00~PM5:00
 場所 クリナップ㈱長岡ショールーム

 クリナップ製品のシステムキッチン、ユニットバスを展示、説明しています。

 イベント内容
 IHクッキングヒーター実演(定員8名程)
      第1回 13:30~
      第2回 15:30~ 
   実演メニュー  マドレーヌ、チーズケーキ、オニオンスープ

 来場特典 越後の赤卵 (両日とも先着150名)
      当日ご成約された方 くじ引き(定価50万円ごと)



特典内容です。

ショールームの場所

長岡市古正寺1-2822
TEL 0258-28-8060


長岡ショールームの外観


ショールームの様子
SSステンキャビ・システムキッチン
(いつか入れたい・・)


クリンレディの対面型プラン
カウンターごしのテーブル、イスはこんな感じ



クリンレディ
オーソドックスなI型プランは・・


電動昇降機付き
スイッチ一つで降りてきます。
でも上の扉の中は全て使えないので、ちょっと、もったいないか?


新旧クリンレディを並べています
左側は新しいクリンレディ
右側は古いタイプ(復刻版)
何十年経っても、同じモデルがあるのは老舗の強みか・・


新しいタイプのクリンレディのシンク
カウンターの奥行きは65センチなので、シンクも奥行きがあります。


アイレベルは昇降式の棚があります。
ここにキッチンペーパーや砂糖、塩を収納・・


シンク下の引き出しは奥行きが45センチ
(少し狭いか?)
引き出しを引くと、包丁立がスイングアップしてきます。


シンク脇の引き出しの奥行きは55センチ
これならサイバシ等の長い調理器具が入り、便利です。


旧型のクリンレディ
カウンターの奥行きは60センチです。
対面式の場合はこの奥行きのほうが有利です。


旧型の特徴である、ジャンボ・スライドシンク
我が家も使っていますが、使い勝手は抜群です!
でも、今は生産しておりません。


流し廻りの収納量・・これだけあります
みなさん、収納でお困りではありませんか?


吊り戸棚の高さをチェックできます
手が届く部分を確認できます。


ラクエラ
価格を抑えたタイプです


上段の引き出しを使うために、
2回引き出しを開けなければならないのが難点です。


最下段の引き出しには1.5リットルのペットボトルを収納できます。
油や醤油の大きいペットを収納。
クリンレディに比べると、引き出しが2段しかないので、
何を収納するか考えてから導入しないと、使い勝手が悪くなります。
アイレベル等の活用を考える必要があります。

価格が安いのが一番の導入目的なのでしょうけれど・・


長年お世話になった「キャプラン」は生産中止となりました。
代わりの「ラクエラ」の登場です。
「楽に選べるからラクエラ」とショールームのお姉さんは説明していましたが・・・



「システムキッチンを考える」目次へ・・
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協同組合まつり 準備

2009-09-25 19:50:04 | CO2を25%削減


晴れの日が続きます。
連休も晴れが続き、宮本町M邸での引越しも無事終了したと言うことで、来週から、いよいよ既存住宅の解体が始まります。
また、美沢町N邸の基礎工事も、この連休に鉄筋工事を進め、来週の月曜にベースコンクリート打ちとなります。
周りから「鉄骨でも建つのかの~?」とか言われてますが、木造2階建てです(伝統構法です)。

同時に工場で刻み作業。
関原町M邸の外装改修工事、他細かい工事を挟んでいます。
草生津W邸も西日が強く、羽目板の塗装がもたなくなってきたので、塗り替えもしました。

晴れ間が続くので、外工事には助かります。
もっと続けばいいのですが・・・


そんな中、「越後にいきる家をつくる会」のイベントが押し迫り、準備をしています。10月25日(日)新潟産業振興センターにて開催する「協同組合まつり」の新潟県森林組合連合のブースで何をするのかの打ち合わせです。

会の構成員がそれぞれのアイディアを出し合いました。



かんなクズで作った造花


薄く削ったカンナ屑に色を付け、造花にしています。
とても、カンナ屑とは思えないできばえです。
これは、売れる!



端材を使った工作


よつば森林組合等で生産している円柱加工の杭の端材は丸や円筒形の物が出るので、面白い形にアレンジできます。
毎年、長岡のわんぱくお祭り広場にて行っている森のコーナーでは子供達が想い描いた作品を自分達で作るという楽しさがあり、今年は、組合まつりでも、同様のコーナーを設けることとなりました。

よって、私もこのイベントに参加しなければならないことに・・・
(本当は自分の所の見学会とかやりたいんだけど・・・)

この他、木で作った魚を釣るゲームや木屑積み、ワラジつくりなど、例年よりも楽しいコーナーを設けて盛り上げようということとなりました。

10月25日(日)新潟産業振興センターにて開催します。


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木の生育 ~光合成による炭素の固定

2009-09-24 01:32:32 | CO2を25%削減
中学生の理科の時間のおさらいです。

木は光合成(こうごうせい)によって、自分の体をつくっていきます。
「光合成」は、その名の通り、光によって水と二酸化炭素を糖と酸素に合成することです。



光合成の概要

水+二酸化炭素 → 糖+酸素


光合成は植物の細胞内の「葉緑素(ようりょくそ)」の中で起こります。
葉緑素は緑色で、植物の葉っぱ等の緑色の部分に多く含まれ、葉に日が当たることで水と二酸化炭素を、酸素に変えて空気中に放出します。
また、この時に生成した「糖」は自分の体をつくる材料となります。
糖は、炭素や酸素、水素の複雑な化合物で、生物が活動するのに必要なエネルギー源になったり原料になったりします。



光合成の舞台は葉っぱの中

空気中の二酸化炭素と茎の水を吸い込み、
光によって、酸素と糖を合成します。


今度は、木の全体の動きを見てみます。
根から吸い上げられた水は幹を通って葉っぱに送られ、葉に日が当たると光合成によって、空気中の二酸化炭素を、酸素に変えて空気中に放出します。
この時に生成した「糖」が木の様々な部分に送られ、木が生長していきます。



木の生長の仕方

土の水を根から吸い上げ、空気中の二酸化炭素を吸い込み、
光合成によって、酸素を作り空気中に放出します。
このときに作った糖によって、木が生長していきます。



木は、光合成によって空気中の二酸化炭素を吸って、酸素を吐き出し、「糖」を作って自分の体を作りながら成長していきます。


ここで、炭素の動きだけに注目します。
二酸化炭素には炭素が含まれ、「糖」にも炭素が含まれます。
また、水と酸素には炭素が含まれないので、これを除いてみると・・・・



炭素の固定の仕組み

空気中の二酸化炭素を取り込み、
光合成によって自分の体を作ります



木そのものが炭素の固まりであると言えます。
木は空気中の二酸化炭素を自分の体に固定していく働きをしているのです。

これを「炭素を固定する」といいます。

そして、その原動力は太陽の光と水です。
自然のエネルギーや水資源がある限り、植物は二酸化炭素を吸って、酸素を出し続け、空気中の炭素を固定することが出来ます。



木の成長と共に炭素を固定する


育林と間伐の利用へ・・
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技能五輪の背景にて・・

2009-09-20 00:27:50 | CO2を25%削減
全国技能五輪にて優勝した小島 真穂さん(十日町 (有)尾身建築)が先日カナダのカルガリーにて開催された世界技能五輪に出場しました。
新潟から初の女性大工が世界に飛び立ったことは、県内で同じ大工として働いている女性大工にとって希望の光でもありましょう。(男はど~なんじゃ?)

競技は原寸図作成から墨付け、加工、組み立てを4日間で行う非常に高レベルなものでした。



魚沼テクノスクールにて強化中の小島選手


原寸を起こしている様子


真剣そのものです。


他の選手の様子・・こういう形に仕上がります


組みあがった完成品


実際の結果がどうなったか・・それは全建連や新潟県建築組合連合にゆだねましょう。(手抜きじゃ!)

今回は、それよりも伝えたいことがありまして・・・

この競技にて作られた作品は、今まで廃棄されていたらしいのですが、エコ対策ということで実際に使用に耐えるものにして、大会後は公共施設にて使用するとのことです。
地球温暖化防止の動きが浸透してきたようです。

表紙の写真にもあるとおり、カルガリーはロッキー山脈に隣接し、氷河による侵食で美しいU字谷を形成した雄大な景色を楽しむことができます。



山頂付近に氷河があります。
こうのように氷河によって山が削られることで、
美しいU字谷を形成していきます。


氷河の末端
つい最近まで道路の近くまで氷河があったのですが、
これだけ後退してしまいました。
2~3キロメートルは後退したのでしょうか?


氷河が後退した原因としては「地球温暖化」が主要因として浮かびます。
気温が高くなってきたために、氷河が溶け出している・・
こうした状況はカナダだけでなく、アルプスや南極でも同じです。北極に至っては氷海が溶けてベーリング海から北極海への船の運航が可能になるほど氷が溶けている。詳しくはこちら・・

シベリアの永久凍土が溶けて、湖が方々で姿を現している。埋まっていた冷凍マンモスが各地で発見されています。永久凍土に含まれていた二酸化炭素やメタンガスが大気中に放出され、さらなる温暖化を促す原因にもなっています。(メタンガスは二酸化炭素に比べて温室効果が高い気体です)

氷が溶け出して海面上昇により領土を失う国も出てきています。
バングラディッシュの海岸線は、数キロメートル後退して、住んでいた土地から追い出された人々が増加。モルジブに関しては、島が水没して、国土自体が消失してしまうという事態になっています。詳しくはこちら・・

温暖化の主要因は、人類の経済活動による二酸化炭素の排出。特に化石燃料の大量消費と森林伐採が原因です。
私たちの暮らしを維持するには、二酸化炭素の排出は不可欠です。

昔は、エネルギー消費が少なかったために、地球規模の環境破壊まで至らなかったのでしょうが、経済が成長していくにつれ、エネルギー消費が膨大になっています。
1990年に比べて6%の二酸化炭素排出量を減らす「京都議定書」の内容を達成するために、世界各国で努力がされています。
日本は、ようやく動き出したというところでしょうか・・・

エネルギー消費を抑えるのは、政府や企業が率先して行わなければなりませんが、我々個人の生活を変えていくことも大きな要素となります。
テレビや新聞の中で起きていることではなく、自分の足元で起こっていることだと認識することです。

住宅建設の際に出るエネルギー消費を抑えるには、輸入材を止めることが一番効果があります。
大量の石油を消費して海を渡ってくる外材は、国産材に比べて価格が安いために普及しています。
ロシア材はシベリアの永久凍土上の木を切り倒したままで、植林もされずに森林破壊が進んだ結果、永久凍土が溶け出しています。
南洋材も同様で、熱帯雨林が切り倒された後は、畑にしたり、そのまま地肌が露出したままになっていて、大量の土砂が河川、海洋に流れ出し、土砂災害が発生しています。
一度破壊された熱帯雨林を回復するには相当の努力が必要です。

「高くても国産材を使う」というようにシフトしていけば、計画的な植林、育林が繰り返されることで、二酸化炭素を固定しながら半永久的に資源を得ることができます。
県産材を使えば、更に、自分の住んでいる上流への経済効果が促され、水源の確保、土砂災害の防止といった目に見えない形での恩恵があります。
山の木による土壌の活性化へ・・

蛇口をひねれば水が出る・・それは川の上流の山の手入れをしている川上の人たちの見えない努力によるものです。

砂漠化により中国の黄河が枯れる事態が起きていますが、狭い日本で、水不足にならないという保証はどこにもありません。
地下水は地面に浸透した水が20年以上かかって湧き出てくるのですが、飲み水として用いることができないほど汚染されています。
山での浸透がされないうちに、河川に流出してしまっていて、地下水が補充できない状態になっています。
浸透を促すには、保水力を十分に高める必要があります。天然林は保水力があるので、できる限り傷めない。又、人工林の足元を明るくして二次林を下層に形成させて、土壌を活性化するやりかたを取るとしても、間伐作業や枝打ち等の整備が必要です。

山の整備をするためにも、山の木が売れなければ、先に進めないのです。

地元の山の木を使うことで、上流の山の整備が進む・・
水資源の確保とともに二酸化炭素排出の抑制にもつながり、一石2~3鳥くらいなのですが、なかなか県産材の普及促進が進まないのが現状です。


そういった、背景をこのカルガリーの体験によって肌に感じ取ってもらえたのでしょうか?
技能五輪に出場した小島さんには技術の継承とともに、温暖化防止に向けた志を受け継いでもらえれば幸いです。
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木材加工中

2009-09-19 14:03:58 | 1階が車庫の家(越後杉の伝統木組)


基礎が着々と進む中、構造材の加工も同時に進めています。
伝統木組によって1階の車庫である大空間を実現します。
そのための工夫をしなければなりません。




よつば森林組合からの丸太


志田材木より差鴨居の材料
135㎜×390㎜と450㎜ でかい!


墨付け中


駐車場スペースを設けるには、1階に大空間を実現しなければなりません。
そのために柱を抜いて、梁で長いスパンを飛ばさねばなりません。
今回は、間口が4間で、そのうちアプローチで1間。車庫部分で3間を飛ばします。

3間を飛ばすために、2階部分の梁だけでは心もとないので、中間に「差鴨居」を入れて、その垂れ壁で横荷重を受け、その下の耐力壁に伝えます。
耐力壁と言っても、45センチの壁が3ヶ所です。3mまでの高さを45センチで押さえると縦長すぎて倒れてしまうので、中間2m位のところで「差鴨居」を通すことによって、狭い壁が有効に働く工夫をしています。

さらに、この壁には5寸の柱に土台、差鴨居、桁を差し込むことで、構造によっても横荷重に耐える木組みにしています。
そのための差鴨居で、45センチもあるのはそのためです。

昔の建物から学べば、その応用で如何様にも出来るのが伝統構法の特徴です。





巻町にある「テクノランバー新潟」です


プレカットの材料は上下と方向を見てからの加工です。
一本一本見なければなりませんが、上下を逆にすると弱くなってしまいます。
一応、みな、越後杉です。


プレカット機械にて加工中


通し柱が加工されています
5寸の通し柱が計12本!今までで最高です


重ホゾ加工をしています(ここが上)


2階の梁、桁の差さる部分


土台部分は、ホゾではなく、土台を柱に差し込んで15センチ落とし込みます。


普通の場合のホゾ
短い!これでは金物で補強しなければなりません。


昇り梁も加工中でした。
これも、通し柱同様手加工となっています。


通し柱、2階横架材、土台を積んで工場へ向かいます
トラックに、もう2台は材料が残してありますが、
とりあえず、加工する分があれば十分。


帰り道に弥彦山に沈む夕日が美しい・・


黄色い大地・・
この連休に収穫する農家が多いのでしょう・・
この間の大雨で稲が倒れています。
機械で刈り取るには、立たせなければなりません。
(最新の機械は、倒れた稲もちゃんと刈り取ってくれます)
危険な作業で、ケガ人が出なければいいのですが・・


田んぼの看板も、特集すると面白いかも・・
その地区の青年団が描いていますが、意気込みが伝わってきます。


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捨てコンクリート打ち

2009-09-18 13:21:02 | 1階が車庫の家(越後杉の伝統木組)

晴れました。ようやく秋日和といったところ・・
来週のシルバーウィークは晴れそうで、行楽にはうってつけ・・

でも、工事は捗らせなければなりません。
鉄筋組みが連休中も行われる予定です。



防湿シートを敷きます


今回はシロアリ防止の効果も兼ねています


捨てコンクリートを打っています


全体に捨てコンクリートを打ってならします


捨てコンクリートの効果は

1.防湿シートの養生
    鉄筋を組むときに傷める

2.水平を出す
    地業だけでは大まかな水平しか出ていない

3.墨を出す
    正確な基礎の墨が出せます
    鉄筋位置も正確に出る

4.鉄筋のかぶりを確保する
    鉄筋がコンクリートにかぶる(埋まっている深さ)は
    土の中では6センチになっていますが、砕石に直に置くと
    下がってしまうので、コンクリートが打ってあると良い。

・・です。
よくポリシートの上に直に鉄筋を組んでいる現場がありますが、経費節減といったところでしょうか?
捨てコンクリートを打つのに、余計なコンクリートと左官手間、ポンプ手間がかかります。

それでも、捨てコンクリートを打つのは、永年の習慣でもあります。
正確に作りたいのと、シートを傷めたくないというところでしょうか・・
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火炎土器ミュージアム

2009-09-17 19:08:42 | 日々雑感
関原町の馬高遺跡に「火炎土器ミュージアム」が開館します。

竣工セレモニーが9/19(土)午前11:00より開催されます。

関原祭りと重なり、歴史博物館と合わせて出かけるには丁度良いコースではないでしょうか?







火炎土器ミュージアム



長岡ってこんな街
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関原まつり

2009-09-17 15:43:26 | 日々雑感
この土曜日から「関原まつり」が開催されます。

日程は
9/19(土)前夜祭 大民謡流し
9/20(日)みこし 大花火大会
9/21(月)祭り広場 フィナーレ

となっています。
花火大会は、この辺りで一ケ町で行うには片貝花火に次いで2番目くらいの規模です。(とは言え、スターマインがどんどん上がるわけではなく・・)


長岡ってこんな街
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栗石地業

2009-09-16 11:06:05 | 1階が車庫の家(越後杉の伝統木組)


日曜からあまり良い天気が続きません。
「晴れ」の予報でも、夜にかけて雨が降ったりしています。
それでも、大雨にならないので、基礎工事には差し支えない程度の雨で、逆にご近所に埃(ほこり)が回らないので、好都合です。

美沢町N邸では、地盤改良工事(柱状改良)が終了し、固まるのを待って、基礎工事に入りました。

「地業」とは基礎コンクリート部分の下の地盤を固める作業です。
上から伝わってきた荷重を、地面に伝える部分で、この工事が一番大変で、大切です。
昔は石を一個一個並べる「栗石地業」を行っていました。石を敷き詰めてその上に基礎を作ります。
最近は、砕石を機械で敷き詰める「砕石地業」が殆どです。重機で砕石を敷きならすだけなので時間もかからないので、安上がりの方法です。

基礎底面の土にセメントを混ぜ合わせ、土を固める表層改良も出てきました。

我が社の基礎は、昔ながらの栗石地業を守ってきました。
ベタ基礎にしても、全面栗石を敷き詰めています。
その差は、地震の時に効果を発揮します。
砕石の場合は、地震時にゆすられて崩れてしまいますが、石の場合は揺れることは揺れても流れずに止まります。
表層改良場合は、地震で割れてしまったケースもあります。

見えない所にこだわりを持つ・・・
建物の下支えのところを、重視しています。
その結果は、地震の時に表れます。

栗石地業をどのように行っているか解説します。


掘削開始!


柱状改良を発掘
丸い円筒状の土の塊が柱状改良した所です。
何だか、発掘現場に来たような感じです。

この柱状改良した部分の上端と栗石の上端が揃うように、掘り進めます。(外側)
内側部分は、それよりも15センチほど高く掘削して平らにします。


外側の川堀りをした部分に栗石を敷いていきます。
機械では出来ない作業なので、1個1個手で並べていきます。

栗石は12cm程の玉石です。河川の中流域の河原から採取され、これより下流だと小さいか取れなくなり、上流だと大きすぎます。
ここ長岡市近辺の信濃川河川が一番良い石が採れます。

この石を、地面に刺さるように立てて置いていきます。(コバ立て)
立てて置くので時間もかかるし、ベタ基礎全ての底面に敷き並べていくので、石の量も半端ではありません。

石と石の間は隙間が空くので、そこに砕石を敷いて隙間に入れていきます。(目つぶし砂利)


横から見ると、こんな感じです。
奥のほうは作業が終了しているので、石を並べてから終わるまでの過程がよく分ります。



だいぶ進んできました


最後はランマー、コンパクターで砕石を締め固めます。
上に乗るとガチガチです。地業+ベタ基礎でも良さそうなのですが、更に柱状改良との併用なので、もうこれ以上の地業は無いでしょう。



地盤をしっかりと固めることで、その上のコンクリート基礎の性能を高めます。
「布基礎」でも良さそうですが、今までの手法を活かして、「べた基礎」にします。
この上に、防湿シートを敷き、捨てコンクリートを打って、いよいよ基礎コンクリート工事が始まります。
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自作流し

2009-09-14 21:37:29 | システムキッチンを考える
システムキッチンを考えるということで、どうしても理想の流しが見つからない場合は、自作するしかありません。
ここでは、昨年の見附市K邸にて施工した事例をあげて解説します。

「手入れをして何時もきれいに使いたい」

というコンセプトでした。
色々な流しの要望があります。大きく分けると2つなのですが・・・

「収納派」
  とことん見せないことにこだわります。
  人が来たときに見られるのが嫌という方、お薦めです。

「機能派」
  収納よりも使い勝手が優先です。
  とにかく料理することにこだわる方にお薦め。

そして、その両者が混じることは絶対にありません。不可能です。
完全収納が出来て機能が良く・・ということは無理です。

なぜならば、まな板1つとれば明白です。
まな板を何処に置くか・・・
収納重視ならば流しの中に収納してしまうでしょう・・でも、機能派重視の人は、台所に立って、料理したいのに直ぐ出てこないのは、ものすごく嫌です。
通常、まな板はシンクの奥に立てておいて乾かしておき、すぐに取り出せる位置にないと使い勝手は良くありません。
でも、それは収納重視の人にとってものすごく抵抗があります。シンクの前にまな板が立っていることが気になる・・・

包丁に関しても同様です。

調理器具一個一個とって見ると、どこに置くか、こだわりはじめるときりがありません。
最後は、何処かで妥協するしかありません。
そうするとコンセプト自体がゆがんでしまうので、考え抜いてから設置したほうが良いと思います。そのための提案は、どんどんしていきます。


で、今回のコンセプトはその両者でもない、
「きれいにしたい、手入れ重視型」
これは、旧栄町T邸以来です。(2階の流しはノーマルの流しの天板のみ使って、下はスギ・カウンターで作りました)

最近は、こういう要望もあるのでしょう・・・(たまたま重なっただけ?)






まず、杉の床板を貼ります。


台所に杉板を貼るのは、あまりお薦めしません。
流しで油を使うので、飛び散って杉板に浸透してしまうし、水もこぼれたら、すぐにふき取らないとシミになります。
それでも、奥さんが

「手入れをしっかりやります」

ということで、OKしました。
杉板は、柔らかく、暖かいので、立ち仕事を長時間するのに疲れないという長所もあります。カラーフロアー等の合板基材は、冬場どうしても冷たさがあります。
このあたりは、お客さんの感覚と手入れにかける根性が左右します。
現在は、素足で立っているようですが、どうしても無垢材だと、歩く場所に汚れが目立ってきました。
白木を十分堪能したら、色付きのワックスをかけることをお薦めしています。



カウンターを付ける


「真壁」にこだわっているので、カウンターも柱にからめて施工しています。
柱の前後から柱の部分を欠いて合わせています。
こういう細かい作業は、刻みに慣れた大工ならすんなり出来るのですが、はじめは面倒なので、嫌がるのですが、

「やれ」

の一言で、やらせています。
やれば出来る。



対面カウンターができ、ボードを貼る


対面カウンターのおおまかな形ができています。カウンターを前後であわせた部分は後ほど長さを適当にカットしてアールをつけて仕上げます。
石膏ボードは火気使用室なので12.5ミリを貼ります。その上に流し側はステンレスを貼って水の浸入を防ぎます。

カウンターは通常、25センチ程度に奥行きを抑えます。
深くすると、対面で皿を置いたときに流し側から手が届かないからです。
25センチだと皿くらいしか置けない奥行きですが、使い勝手を考えると、どうしてもこのサイズに落ち着いてしまいます。
奥行きを深くしたい場合は65センチの流しの奥行きを詰めて昔の60センチくらいにするといいと思います。
システムキッチンではなく、「並べるタイプ」にすれば良い。でも蛇口を壁から出さなければならないのでカウンターの高さが1m以上になって、それだと穴倉に入ったような圧迫感が出てしまう・・・

カウンターの高さは流しのバックガード(水はね防止の立ち上げ部分)より少し高めの95センチにしています。
この高さと奥行きがベストでしょう。



流し側の状態

石膏ボードの上にステンレスを貼る前の状態です。(左側に糊をつけてます。これから貼るところ・・)
集製材を立ててカウンターを載せる準備をしています。
排水管、給水、給湯の穴が開いていますが、これをちゃんと収めてやらないと、孔があいてしまう・・意外と大変なのでありあmす。



石膏ボードの上にステンレスを貼る


Kさんのこだわりは、ステンレスを貼ることです。
「常に手入れをしたい」
というコンセプトなので、ステンレスを貼って、毎日磨いて頂く・・
ピカピカのステンレスは食堂の厨房でよく使われる手法です。
毎日使う流しの前の壁は油よごれが目立つのでさっと拭いて落とします。

最近流行のキッチンパネルはどうしても嫌だと言う奥さん。
確かに継ぎ目はどうしてもコーキングなので、そこに汚れがこびりついてしまう・・

タカラのホーローパネルとかも良いのでしょうが、あれは流しとセットでないと売らない主義のため、自作する場合は、仕方が無いといったところでしょうか?

板金屋さんも、最近滅多に貼らないステンレスに四苦八苦であります。



流しの下台

ステンレスを貼る前です。
手前に「設計図」みたいなのがありますが、私の手書きの説明図です。
こんな図面でよく作ってるものだ・・あとは大工の感性に任せる・・
壁からガス管が出てます。
床は杉フロアーが見えています。



ステンレス貼り


昔は、丸頭の釘で止めたものですが、今はキッチンパネルと同じで、糊が乾くまで両面テープで一時固定する方法をとっています。
(便利な世の中になったものよ・・)



レンジフード取り付け


壁にステンレスを貼ったら、天板を載せる前に、上の部品を設置します。
このあたりは、メーカーのシステムキッチンを自社で設置する経験が活かされます。
そしてこのフードは「シロッコファン」ではなく「プロペラ用フードカバー」です。
シロッコの場合は、風圧で煙を押し出す方式なので音は静かなのですが、吸い込み量に限界があります。また、外部までのジャバラフードに油が溜まってしまうのも難点です。

プロペラ式の場合は、昔ながらなのですが、一番風量があるので、瞬時に空気の入れ替えができるのが長所です。
ただし、羽の手入れが面倒なのと、寒さが入り込むのが難点です。

今回は、あえてプロペラにしています。
コンセプトの「手入れ重視」にこだわっているからです。
(う~ん、ここまでこだわる奥さんも珍しい!)



カウンターを設置

下台の上にステンレスカウンターを載せています。
人工大理石だと、シンクとカウンターの間の合わせ目に汚れがたまるので、一体でできたステンレスシンクを採用しています。
そして、これは今は亡き「ダイヤ」の製品です。あそこは、こういう所まで対応できたので重宝しました・・・
現在は、クリナップとかで対応可能だそうで・・やっぱり流し専門の老舗メーカーは強い!



ガス廻り


ビルトインコンロはこのようにカウンターに宙吊りにできます。こういった形にするのも面白いかも・・・
そして、大工がなにやら奥に入って作業していますが、L型キッチンのデッドスペースであるコーナー部分の奥に棚を設置しています。
ここまで奥まってしまうと、さすがに使いづらい・・・
カウンターの向こう側から使うという提案もしたのですが、やっぱりこっちから入れたいということで、あえて奥まで棚を吊っています。



ほぼ完成

流し台の下台は板をわたしているだけです。後で、掃除がしやすいため・・・
例えば、ここをオープンにすれば、ワゴンやキャスター付きの台を収納できます。
ごみ箱とかキャスター付きのワゴンとか・・いろいろと楽しめそうです。
イスを置いて座って料理なんてことも可能・・・
でも、杉板だと傷が付き易いので、やっぱり流しまわり用のフロアーを貼ったほうが良いでしょう。
大建工業の「WPCフロアー」がお薦めです。




ガス台まわり

正面に板を廻しています。
さりげない工夫ですが、コーナー部分の引き戸は、奥に引き込むようになっており、全開できます。



板を渡して、ほぼ完成

あとは、建具を付ければ完成です。
建具は引き戸を採用しています。通常の流しでは、滅多に見れない引き戸ですが、地震の時は、引き出しや扉よりも安全です。



扉を付けて完成!

杉フロアーにマッチした木製キッチン・・
奥さんこだわりの逸品です。
天井の梁もアクセントになってます。



完成後、扉を開いた状態


更に、台の下の板も外しています。
ここに掃除機を入れて、流し下の床板も掃除をしたいという、奥さんのこだわりです。
実際には、掃除機は奥まで入らないので、流し台の底板も取り外せるようになっています。
こういったところは、お客さんの意見が、どこまで実現可能なのか、どう対処すればいいのか、考え抜かなければなりませんが、出来上がれば面白いものになります。



対面側から見たキッチンの全景


上手くまとまりました。壁に貼ったステンレスが美しい。
流しを作るのに、ここまで苦労するのも私だけ?
L字型のプランです。
実際には窓の下に台を設置して、窓際に電子レンジと炊飯器、ポットを置いています。
どちらかというとコの字プランに近いものになっています。
カウンターのこちら側に机を置いていますが、これは完成見学会用のものです。
ここに長テーブルを置いて対面カウンターにしたほうが使い勝手が良さそうです。


今回は、「手入れ重視」ということでしたが、他の「機能重視」「収納重視」の場合は、どこに何を置くのか・・それを全て考え抜かなければ、
「やっぱりメーカーのほうが良かった」
ってことになります。

安易に手を出すと、使い勝手が非常に悪いものになるので注意が必要です。
でも、上手くいけば、世界に一つしかない自分だけのオリジナル・キッチンが実現します。
とことん考え抜きましょう!



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村上 町屋の基本構造

2009-09-12 00:14:26 | 伝統構法について
ここでは町屋の内部の様子と、構造を解説します。
村上の町屋は間取り上、構造上に共通した部分があります。
玄関から入ると、座敷の脇に土間があり、この土間が建物を貫通し、ずっと続いています。
土間から靴を履いて各部屋へと移動できます。同じく部屋から部屋へと移動もできます。
来客者は、この土間を通って、何処からでも部屋へ入ることができます。
コミュニティ性の高い間取りで、商店と言わず、公民館や集会場のような役割も果たせるので、町おこしにはうってつけの形状となっています。




土間がずっと続いています。


上から見た座敷と土間。
座敷は続き間になっていて、仕切りに「差鴨居(さしがもい)」が入ります。
差し鴨居に建具をはめて、部屋を仕切って使えます。


柱はケヤキを使っている場合が多く、そこに差鴨居がからみます。差鴨居もケヤキが多いようです。
小屋の重量を支えるため、強度のあるケヤキが多用されます。


小屋梁と中引(なかびき)が交差し、その上に束。それを結ぶ「通し貫」が四方に広がります。湾曲した小屋梁が美しい。
金物は使っていません。栓、クサビのみで固定しています。


断面図
右側が道路です。
道路から土間の部屋(店の場合が多い)に入り、そこから座敷、和室へと続きます。
土間の部屋の上には2階が載ります。
座敷や和室から2階に上がる階段があり、左右の2階部屋は独立していて、専用の階段から上がります。

真ん中の和室や座敷には囲炉裏があり、ここで出た煙が屋根裏へ登り、棟から換気されます。




外観
「平入り」という道路に沿って屋根の軒が平行に向いていて、軒先の下から家に入る造りです。
入り口と縦格子の入った窓が印象的。屋根は道路側に軒が向いています。瓦屋根が殆どです。


玄関先の下屋。
2階の載る部分に力桁(丸梁)がかかり、3間のスパンを支えます。
化粧タルキが美しく映えます。


隣の家とは壁1枚でつながっています。屋根まで隣の家とつながっているのにも驚きです。
建築基準法では考えられない建て方です。
(民法では最低50センチ境界から離すことになってます)




城下町情報館の場所



大工~伝統技術について・・
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村上市 町屋の屏風まつり

2009-09-11 19:44:04 | 伝統構法について
昨日から開催されている「屏風まつり」へ行ってきました。
村上の町屋は殆どが古民家で、町興しとして雛人形を飾ったり、屏風を飾ったりしています。この日は、平日にもかかわらず、新潟市や関東方面の観光客が多数訪れ、屏風を飾った町屋を堪能していました。

私はといえば、午前中、「越後の匠の家普及協議会」にて村上市の「塩谷」の古民家調査に来たのですが、午後は村上市街地の町屋探求に赴き、丁度「屏風まつり」のイベント中で、堂々と店の中に入れるので、古民家の仕様がまじまじと見れました。



美しい町屋が建ち並ぶ村上市街地


こんな風に座敷に屏風を展示している店が点在します



店の中から外を望む・・
暗がりに明るい光が入ってきて、「いい感じ」です。


見上げれば、梁や中引きが交差する小屋組みが表しになっています。
障子の存在が引き立ちます。


小屋の明り取りから陽が差し込んできて、梁を照らしています。



どこか、懐かしいな~と思っていたら、私の作ってきた家に似てました。
昔ながらの家作りが私のDNAに刻まれている・・古民家はその家作りそのもので、携わる家は、やっぱり昔ながらの家になってしまう。
でも、全くの伝統様式ではなく、現代風にアレンジしているのでしょう。

私の作る家が「落ち着く」と誰もが感じるのは、この古民家がルーツだったからなのかも知れません。
日本人のDNAに昔からの家が刻まれていて、何故か引き寄せられ、懐かしさや落ち着きといった感じが沸いてくるのかもしれません。


大工~伝統技術について・・
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