べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

長岡市 豊町O邸

2010-01-31 00:32:44 | 作品集
2002年に竣工した豊町O邸です。
長岡の市街地にある小さな家というコンセプトで、
越後杉をふんだんに使った
自社刻みに切り替えた記念すべき第一号の住宅です。



坪数を35坪前後におさえて1階に生活空間、2階に個人の部屋をまとめました。また、風が通りやすいように窓も配置しています。

玄関


ポーチには杉板(加茂産)が貼ってあります。玄関入り口の脇に外部収納があり
冬用のタイヤ、スコップやスノーダンプなど雪国の冬場に必要な道具を収納可能。アプローチの土間は道路から玄関まで融雪配管が設置してあり、大雪に備えます。

玄関タイルはイナックス グロストーンNo.12。グロストーンは雪がついた靴でも「滑りずらい」材質になっています。(触るとザラザラしている)

玄関引戸の上の欄間はお客様の要望で引き違い(開閉可能)となっています。
玄関、ホールの腰板には、檜板が貼ってあります。フロアーは杉フロアー(加茂40ミリ)を使用。
玄関収納は126㎝で、大建Sシリーズ(現在は廃番)


和室


6帖和室には仏間と床の間、板の間(地袋)があります
床柱、落とし掛は花梨、長押は杉集成材、鴨居は杉無垢材を使用。
2重サッシの内障子を和紙風ガラスにして、格子を付け、障子風に見せてあります。(障子の張り替えをしなくていいと好評です)
畳は抗菌畳、壁は珪藻土(表具)を貼ってあります。
(この頃から珪藻土をお薦めすしていたようです)


ダイニング・キッチン


和室と続き間でDKへ入る事が出来ます。(玄関ホールからも入れます)
床には加茂産の杉40ミリフロアーを貼ってあります。
壁、天井は火気使用室の内装制限を受けるので、石膏ボード12ミリの上に表具を貼っています。
流しはクリナップ:キャプラン I型255㎝、シンク下はフリースペースになっています。
流し廻りは不燃パネル(大建壁タイル)を使用。



トイレ


1階のトイレ(左)は柱は檜(国産)、真壁で檜板(国産)が壁一面に貼ってあります。檜は水に強く、腐りずらく、虫を寄せ付けない性質を持っているので水周りに最適です。 また、国産の檜は年月が経つと飴色に焼けてきますが、台湾やカナダ檜は黒くなります。
便器はTOTO SC90B、ウォシュレット付

2階のトイレ(右)は杉羽目板を貼っています。
便器はウォームレットです。

無垢の羽目板を貼ったトイレは心地よさそうで、つい長居してしまいそうです。


洗面脱衣室、浴室


水廻りにも桧の羽目板がふんだんに貼ってあります。
無垢材は暖かくぬくもりがあるので、ヒンヤリ感もなく、安心してお風呂に入ることができることでしょう。
洗面化粧台はTOTO製クリアZ、ユニットバスもTOTOバスピアです。



杉フロアー(加茂産40ミリ)


O邸の特徴として、水廻り以外は全て県産材杉フロアー(40ミリ)が貼ってあり、柔らかで温もりのある床はスリッパを必要としません。
冬は暖かく、夏は熱くならないという特質を持っています。
40ミリという厚さなので、木の持つ断熱効果も期待できます。
天然素材のオスモ・フロアーワックスを使用していて、珪藻土表具と合わせて、当時から健康住宅の仕様を無意識に使っていたようで、現在の当社の家作りの原点にもなっています。


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このブログを開いてから、家づくりや環境、食について様々な想いを書き綴ってまいりましたが、その情報量の膨大さに書いている本人も何処に何を話題にしていたか整理がつか...

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赤いお屋根の幼稚園 ~中島幼稚園・採光を考える

2010-01-29 16:44:26 | 日々雑感
中島幼稚園のHPができました
ここをご覧下さい


長岡市街地にある中島幼稚園が、新しく生まれ変わりました。
内覧会が、1月24日(日)の午前中に開催され、新しい園舎をお披露目。

中越地震により傷んだ木造園舎を鉄筋コンクリート造2階建にリニューアルし、安心・安全な明るい園舎になっています。

園歌にもある木造時代の「赤いお屋根」は屋上に突き出たとんがり屋根のみになってしまいましたが、その分、屋上には太陽光発電を取り入れているそうで、限られた敷地を有効使ったにエコな幼稚園として先進的な要素が詰まっています。

今回は、「採光」を中心に中島幼稚園で工夫された面をご紹介しましょう。


 三角屋敷の間取り

中島幼稚園の敷地は、南面に4m道路。北西面が信濃川の堤防があり、東側は住宅地となっています。
通常は、南面にグランドを取ってなるべく北側に建物を持っていって陽の光を十分に取り入れたいところですが、

    敷地が三角屋敷

という、難しい敷地になっています。北側の敷地が狭くなっている・・
また、グランドも堤防と一体にして、広く使っていた経緯もあり、今までと同様、南側の道路に寄せて、北面をグランドにしています。

 玄関~吹き抜け



玄関は正面道路に面しています。
間口を広く取り、極力明かりを取るために目一杯開口にしています。




玄関の上には、大きな窓が開いていますが、
吹き抜けにして、その明かりを一階に取り入れています。
左側の丸い窓は階段室の窓です(おっしゃれ~♪)




2階の吹き抜け部分。
廊下からはガラス越しで下が見えませんが、
園児の転落防止になっています。
2階の廊下の明かりを取り入れると同時に、
1階の玄関への明り取りも兼ねています。




丸窓の階段室です。
南側で明るい階段になります。
手摺がオシャレな形をしていますが、ユニバーサルデザインで、
背が高くても低くても使える工夫です。


 2階・・明るい教室



2階にある「わくわくルーム(?)」は
南側に大きな窓を設けた読書室。
明るく暖かい部屋で本を読んだり、紙芝居を聞いたり・・
年長から年少までの年齢に分け隔てなく集える部屋になりそうです。




2階の廊下は幅1.8mと広く取っています。
子供たちがかけっこをしてもいいくらいの広さです。
(廊下は走ってはいけません)


左側が南面で、吹き抜けや階段、読書室が並ぶ方向。
右側が北面で教室が並びます。
通常、南面に教室を持っていきたいところですが、敷地の関係上、道路に面して玄関、階段を配置しなければならないので、廊下を隔てての教室となります。
廊下に極力明かりを取り入れて、教室まで光を入れる工夫が必要です。




教室と廊下の間には窓を設けることで、
廊下の光を教室まで取り込みます。
窓越しに見える向こう側の吹き抜けや読書室の窓が見えます。




教室の北側も大きな窓です。
グランドや堤防に面しているので、障害物が無く、
陽の光は入らなくても、明かりは十分入ります。


北側に部屋を配置した場合、南からの陽の光は間接的にしか取り入れることができません。
日中使う部屋は、明るいほうが良いのでしょうが、太陽光を直接入れすぎると暑くなって、かえって勉強や作業がしずらくなります。
エアコンも完備していますが、かえって北面に持ってきて自然の風を十分に取り入れたほうが環境負荷が少ないでしょう。
採光と通風を同時に考えていくのが設計の基本で、幼稚園でも住宅でも考え方は同じです。

お年寄りが家の中で北側の部屋に入りたがるのは、長年の経験上、夏場の暑さから開放できる空間として北側を選ぶ理由なのだと思います。

そういった面では、敷地上の制約もあったのでしょうが、結果的に快適に過ごせる幼稚園になりそうです。

案内図




長岡ってこんな街







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住宅エコポイントのバリアフリー改修

2010-01-28 20:12:01 | リフォーム奮闘記
手摺工事ににもエコポイントが発生するようです
段差解消などバリアフリー工事とエコリフォームの併用で
住宅版エコポイントの適用になります・・・

が・・・


現在、国会で審議中の平成21年度第二次補正予算で注目されている「住宅版エコポイント制度」ですが、エコリフォームの再に併用するバリアフリー改修工事にもエコポイントが発生するようです。

その内容は、

手摺の設置(浴室、トイレ、洗面所、その他)に5,000ポイント
段差解消(屋外の出入り口、浴室、屋内)に5,000ポイント
廊下・出入り口の拡張に25,000ポイント

が発生します。
注意事項としては
○必ずエコ・リフォームをすること(断熱性能を上げる工事)
○最大50,000ポイント
○一室取り付け数を増やしてもポイントは変わりません

です。
リフォーム減税との併用は可能ですが、補助事業・補助金を受ける場合はどちらかを選択しなければなりません。
「介護保険」の取り扱いに関しては問い合わせ中です。

どちらにせよ、今国会の予算委員会が無事通過しなければ決まらない話です。
対象工事は1月1日から施工を始め、国会の予算通過、実行決定日を過ぎた日付で工事が終了する必要があります。
また、何処へ書類を提出するのか、どんな書類内容なのかは、まだ決定したわけではないので、これからの国会の動向を見守る他無いでしょう・・・

小沢さん、鳩山さんの政治資金問題や沖縄米軍基地移設問題が取り立たされていますが、自民、公明がそればかりを焦点にして、肝心の予算が通過しなければ、何時までたっても施行できない制度が目白押しで、指をくわえて待っている人がどれだけいるか・・・・

あんまり、しつこいと地方公共団体や民間からブーイングも出そうですが・・
「しつこいのはやめろ!自民・公明!」みたいな世論が出てくるのでしょうな~・・
単なる政治の駆け引きに使われるのもたまったものではありませんが・・・



この人たちの問題がエコポイント制度のゴーサインを決める?
それにしても、タイミングよく検察局や名護市民が動いたものだ・・・


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ユニットバスに取り付ける手摺の位置

内付樹脂サッシのエコポイント


住宅版エコポイントへ・・
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ユニットバスに取り付ける手摺の位置

2010-01-28 19:41:42 | バリアフリーを考える
新築時のユニットバスの選定や、リフォームの再に取り付ける「手摺」の位置で悩むことが多々あります。
各メーカーで手摺の提案はだいたい次の通りです。



ユニットバスに取り付ける手摺のプランは・・・


鏡の脇に取り付ける縦手摺

洗い場から浴槽に入る時に用います。
これ一本だと、入りずらい気がします。



浴槽の反対側に取り付ける横手摺

浴槽の反対側の壁にとりつける場合は、
風呂フタの開閉に邪魔にならない高さに設置します。
鏡脇の縦手摺と併用して使うか、
単体の場合は浴槽の縁につかまりながらの出入りとなります。



洗い場に取り付けるL型手摺

ほとんど意味がありません。
本来は浴槽の、鏡と反対側に取り付ければ、
洗い場から浴槽に入るためには一番便利だと思います。

ただし、そこには風呂フタを立てかけるスペースとなるため、
ほとんど採用されません。


基本は上記の通りですが、ちゃんと使えるのかどうか実際に使ってみないと分からない場合があります。
窓際に取り付ける横手摺を例にとってみてみましょう・・・



まず、浴槽をまたいで中に入り
窓側の横手摺をつかむ動作からはじまりますが、
ここで浴槽の中の足を滑らせないように気をつける必要があります


この体勢までに足を滑らせないように・・・
両足は浴槽の底についているので、滑りやすい。


窓側の手摺に体重を移動させながら、
腰を落としていきますが、体重をかけると、
足のほうに浮力が生じるため、転倒しやすい・・

同時に左手を浴槽の縁にかけようとします。


浴槽の両端に手をやり、支え、
ようやく座ることができます。


この動作までが転倒しやすい場面で、まだまだ手摺の位置の検討が必要だと思います。
健常者の場合は良いのですが、高齢者や要介護者の場合は、この一連の動作が難しくなってきます。
手摺につかまりながら、「座る・立つ」の動作をシュミレーションしながら手摺の位置や長さ、形状を決定していく必要があります。
時には浴槽の形状、入る位置を変えてみなければならないと思います。
前述のL型手摺が一番便利だとは思いますが、風呂フタを収納するスペースを考えなければなりません。

そういう意味で、実際に体験できるショールームの活用は有意義だと思います。
実際に設置する前に、何回も打ち合わせをしたほうが良いでしょう。


「バリアフリーを考える」へ・・


ゆったりとした対面キッチンの奥行



座って使えるキッチン










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内付樹脂サッシのエコポイント

2010-01-27 20:50:53 | CO2を25%削減
窓の内側に、樹脂製サッシを取り付けて
断熱性能を高めるリフォームを行うと
エコポイントがもらえる制度がはじまろうとしています


家電製品に関しては、既に「家電エコポイント」の制度が導入され、省エネルギー性の高い製品を購入した場合、「エコポイント」が発生し、そのポイントを地域商品券等に交換できるようになりました。
この制度は来年も続くようですが、住宅にも「エコポイント」を導入しようという動きがあります。


経済産業省、国交省、環境省が1/3づつ出し合って、合計で1000億円の予算を確保、平成22年1月1日~12月31日に工事着工(平成21年度補正予算が成立した日より後に工事完成)した断熱リフォームに最大30万ポイントを付与する方向で(新築の場合は省エネ基準のトップランナー型の施工)、平成21年度補正予算案に「住宅エコポイント」が盛り込まれ、今国会内での予算の審議、通過が待ち遠しいところです。
国交省にてエコポイントの発生基準を吟味しているところですが、どうやら2月にならないと正式には決まらないらしく、現在のところは国交省のサイトにて確認する以外はなさそうです。



YKKの後付用樹脂サッシ「プラマードU」


「省エネ建材等級☆☆☆☆」
この認証シールが貼られていることで、
省エネ製品と判断します。


ペアガラスということで、
同じく「省エネ建材」認定シールが貼られています


こういった内付樹脂サッシを取り付けることで、住宅の開口部からの熱損失を抑えることで省エネルギー性を向上させようというのが目的です。
製品に「認証マーク」を付け、「認定書」が同時に送られてくるそうで、この認定書と工務店の請求、領収書とそろえて申請することで、エコポイントと交換する制度になるようです。

一般的な窓である、
幅1.6m×高さ1.2mの窓に樹脂サッシを取り付けた場合、12,000ポイントが発生することになります。(国交省HP2010/1/20現在)

YKKの樹脂サッシ「プラマードU」の1.6×1.2mの製品を取り付けた場合、本体で21,000円、取り付け費が4,000として計25,000円。
エコポイント12,000ポイントを差し引くと(1ポイント=1円とした場合)、サッシ1箇所当たり13,000円で済む計算になります。(ほぼ半額です)

エコポイントの交換対象として「商品券」や「プリペードカード」、「地域商品券」がありますが、住宅版の場合は更に、省エネ施工を行う追加工事費も含まれます。

「サッシ工事をした後で、申請し、ポイントを発行したら更なる工事費にあてる・・・」

ということも可能になりそうです。

ただし、長期優良住宅の補助事業との併用はできない(リフォーム減税との併用は可能、介護保険との併用は?です)ので、新築の場合に補助金を使う場合はエコポイントは発行しないほうが無難です。(長期優良住宅でない場合で省エネルギーのみを高めた住宅の場合は使っても良いと思います)
どちらが得なのか、よく判断してから使いたいところです。


住宅版エコポイントへ・・



二重サッシに関しては、我が社で昔からお薦めしていて、「標準」だったのですが、今年になってメーカーが一方的に「生産中止」となって、現在では樹脂製ペアガラス仕様を余儀なくされています。
その後、メーカー側から「防音」「断熱」「防犯性」に優れたサッシとうたい文句に「樹脂製後付サッシ」が登場し、

   「一杯喰わされた」

感じがある今日この頃・・・・

   「二重サッシの良さが分かっていたなら、何で中止にするか!!」

と言いたいところ・・・・


関連記事

トステム内付樹脂サッシ「インプラス」 ~格子間隔と二重サッシ

深沢町W邸での書院二重サッシ


CO2を25%削減するために・・
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雪国の高床住宅について・・「混構造建築物」

2010-01-27 13:31:09 | 長期優良住宅
月末の25,26日に日本建築防災協会と全建連主催の耐震診断士講習会があり、その中で雪国の高床住宅についても触れていたので、解説しようと思います。
雪国の高床住宅は新潟県特有の住宅形体で「新潟県条例」で定義されています。

多積雪地域で2階まで雪が積もったり、雪下ろし作業で捨てる場所が無く、敷地内に積み下ろしたりした時に住宅としての機能を損なわないように、基礎の高さを上げ、建物の床高さを高くした住宅です。

最近は、新潟市街地の水害による影響を受けやすい場所でも基礎を高くする形体も出てきました。

高床の内部は「冬季間のみ使用する」ということになっています。
冬場の駐車スペースとして使ったり、物置として使用し、課税対象は1/3に軽減されます。



よくある高床住宅のパターン


玄関は高床の外側が基本です。内部に階段を持ってくることもありますが、その通路部分は高床として認められません。
よって、大半は外部に階段を設け、出入りします。



高床の構造図

1階が鉄筋コンクリート造、2,3階が木造の
「混構造」となります。


木造3階建て一部鉄筋コンクリート造(又は鉄骨造)の混構造として扱われ、確認時に構造計算書の提出が必要になります。

基準法の改正前は2階建ての扱いで、構造計算書の提出は必要ありませんでした。
大半は木造2階建て用の壁量計算のみで安全をチェックしていたようです。(チェックすらしていない場合も多々あったようですが・・・計算書類の提出は義務化されていませんでした)

耐震診断の場合、基礎・地盤や混構造部分は切り離して考えるので、2、3階のみを診断することになります。
1階の鉄筋コンクリート(又は鉄骨造)部分の耐震診断の方法も用意されていますが、大半は丈夫の木造部分の判定のみとなります。
(RC造、S造部分の補強は大変な金額になるため、住宅で高床部分の診断をしても補強工事まで至るケースは稀でしょう)




1階部分の車庫の入り口面の壁が少なくなるので、
入り口部分の梁、柱の補強が必要です。


高床部分の強度は、工法にもるところが大きいので、調査も大変です。
留意すべき点は、

 1.地盤調査の有無
 2.構造計算書の判定の有無
 3.地盤補強の有無
 4.ベタ基礎・布基礎の別
 5.立ち上げの幅、鉄筋の選定・本数
 6.柱・梁の有無
 7.床版(スラブ)の有無

で、ちゃんとした鉄筋コンクリート造(又は鉄骨造)として施工されているかが問題です。
道路側に車庫をとる場合、入り口の開口幅が広く必要なので、壁が不足しがちです。柱や梁の設置が必要になります。




2階部分は南面に広い部屋を取り、
北側に水廻りの小さい部屋を固めるので、
壁が北面に集まりやすく、バランスが偏るので
広い部屋の壁の補強が必要になるケースが多い


積雪時の地震で一番被害を受けやすいのが2階(高床1階部分)です。
生活形態を考えるとどうしてもリビングや水廻りをもってきたいので、建物の壁配置に無理が出てきます。
壁の少ない広間の一番弱い部分が損傷を受けやすい所で、そこを補強する必要があります。



3階部分は壁もバランスが良い傾向になるので比較的安全です。

※ 下屋が広く、3階が極端に狭い場合は、
 3階部分が揺すられるために補強が必要です。



3階部分は比較的被害が少ない部分です。
プライベート部分(寝室や子供部屋)をもってくることが多いので、壁も平均に入れやすい階です。
地震時は揺れが大きいので、家具の転倒に気をつけたいところです。
就寝時の地震で家具が転倒し、下敷きにならないように・・・


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住宅街の高床住宅 日赤町K邸

大雪に耐えている深沢町W邸

木造3階建(1階鉄骨造)の特殊建築物「塩乃谷鮮魚店」

木造3階建(1階RC造) 埼玉県八潮市H邸



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Panasonic 「どこでもドアホン」と「ライフィニティー」の比較

2010-01-24 15:00:11 | 1階が車庫の家(越後杉の伝統木組)
家じゅう「どこでもドアホン」は、
外出先でもメールで訪問者の確認が出来る便利なアイテムですが、
同じくPanasonicの「ライフィニティ」でも同様な機能があります・・・


Panasonicから、

ドアホン系を強化した「どこでもドアホン」

セキュリティー系を重視した「ライフィニティー」+「玄関番」

の二種類の機種が出ています。どちらも同様な機能を持っていますが、微妙な点が違います。
どちらも、「インターホン」という基本機能はそろっています。
玄関先からインターホンを押すと、その来客の画像と音声が室内の受話器を通して会話ができるのは、同じなのですが、大きな違いをあげると・・



「どこでもドアホン」

ワイヤレス子機が最大の特徴の「どこでもドアホン」

主な特徴
 ○カラー動画を送れる「ワイヤレスモニター子機」がある
 ○ワイヤレスでFAX付電話機とリンクできる(オタックス)


「ライフィニティー」+「玄関番」

ライフィニティー+玄関番

主な特徴
 ○メール通知機能が充実(ネット契約「センターサーバー」が必要)
 ○ワイヤレス・セキュリティと連動
 ○ネットリモコン(外出先から家電製品の電源をオンオフ)
    エコな節電モニターとしても使用可能

といったところ・・
共通機能もあります

1.インターホン系統
 ○インターホンの画像を携帯電話に転送できる(音声は不可)
 ○インターホンの来客履歴の閲覧が携帯電話からでもできる。

2.防犯カメラ系統
 ○センサー付カメラに反応した場合、メールで通知。
 ○センサー付カメラの画像を携帯電話から確認できる。

3.火災警報器
 ○火災警報器を連動できる
 ○火災時にインターホンと連動して知らせる



インターホンと火災警報器が連動できるのも最大の特徴です


4.セキュリティ系
 ○電子施錠ができる。

5.ネットワークカメラ
 ○外出先から部屋の画像を見ることができる(PC、携帯)

とりわけ、5のネットワークカメラの機能が最近注目を浴びています。

「共働きで自宅のペットの様子を知りたい」
「一人暮らしのお年寄りの様子を知りたい」

といった社会上、ライフスタイル上の問題解決としての需要が高まってきているようです。


外出時に携帯で自宅のペットの様子を観れるネットワーク・カメラ


共通機能の部分でも、微妙な差がでています。
1.インターホン系統、2.防犯カメラ系統 に関しては、ほぼ同じ機能が備わっているようです。

3.火災警報器に関しては、「ライフィニティー」のほうは、
  火災時に「メール通知」してくれるところが大きな差になっています。



火災警報器の情報をメール通知してくれるのが
「ライフィニティー」の最大の特徴です


4.セキュリティに関しても「ライフィニティー」のほうは
  防犯侵入の「メール通知」、遠隔解除機能などで充実しています。

5.ネットワークカメラに関しては室内カメラに関してはほぼ同じですが、
 屋外機の取り付けで、「ライフィニティー」の場合は天井付近にしか付けられない点で(どこでもドアホン系は壁付可能)、どこでもドアホンのほうが設置方法でやや有利・・
ただし、どこでもドアホンの機器を「ライフィニティー」に流用可能ならば解決します。

まとめると、

「どこでもドアホン」は画像中心

「ライフィニティー」はセキュリティ・遠隔操作中心

という違いなのでしょうか・・・どちらにせよ、使う人がどういった機能を望んでいるのかで使い分けていく・・・といったところ。

実は、その差は、Panasonic内でも合併前の「松下電工系」(建材ルート)と「ナショナル電気産業系」(家電ルート)の色合いが強いようで、

「ライフィニティー」=電工系
「どこでもドアホン」=電産系

だそうです。
双方の特徴を活かしきれれば、更なるシステム開発が可能なのでしょうが・・・


関連記事

火災警報器を考える(1)

火災警報器を考える(2)



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雪下ろし最盛期

2010-01-22 19:36:18 | 日々雑感


今週の日曜まで続いた大雪も、この3日間は止んで晴れ間が続いた日でした。
積雪は長岡で1.2mといったところでしょうか・・
ただし、新雪の積もった状態なので、軽く、締まってくればもっと積雪量は低くなります。

山間地の雪下ろしは

「3回くらい下ろした」

と良く聞きますが、新雪の軽いうちに下ろしてしまうのが習慣で、重くなってしまうと下ろすのも大変なためです。

長岡では、積もりに積もらせて、我慢の限界に来たときに下ろします。
ただし、今週末より再び冬型が強まるということで、この中休みの時期に下ろしてしまおうという家が集中したようです。
市内の各地で雪下ろしをする風景が見受けられました。

我が社でも、4件ほど雪下ろしの依頼が来たため、現場も何日も空けるわけにもいかず、応援を頼んで一気に1日で雪下ろし作業をすることにしました。
多人数でやったほうが早いし楽でもあります。



本屋の奥の雪を表の道路まで下ろさなければなりません。


樋(とい)を二連にして奥から雪を滑らせます。


我々に依頼の来る雪下ろしは、家の人が自力で出来ない場所の難易度の高い場所の雪下ろしが多く、時には「樋(とい)」を何連にも継なげねければならない場合がほとんどです。



この家は、本屋と下屋を前の道路まで下ろします。


樋を2連程継いで、前の道路まで落としています。
道路の通行に危険がないように道路にも職人を置かなければなりません。
車や通行人が通る度、作業を中断します。

道路に落ちた雪も、積み上げて道路の邪魔にならないように
する必要があります。


最近は、道路に消雪パイプも走っているし、ダンプも手軽に借りれるので、落とした雪の処理も楽になりました。
昭和38年、39年の大雪の年は(いわゆる3・8豪雪)、下ろしてもどんどんと積もっていったそうで、想像を遥かに超えた降り方だったそうで、下ろした雪を積み上げて、2階から家の出入りをしたそうです。

当時は雁木があったため、雪を道路に積んでも通路は確保できたらしく、雪国で暮らしていく上での昔ながらの知恵なのでしょう。

現在は雁木も珍しく、雁木屋根の連なった風景は大通り沿い以外は見受けられません。



国道351号線沿いの雁木通り
アーケードの役目が強い雁木は
積雪時に通路を確保するための雪国の知恵です。


美しい妻入の軒と雁木の連なった風景
このように雁木が連続していると、
冬季間の通路として役立ちます


大通りでも、雁木の無い歩道が多く、
晴れている時はよくても、雪の降る時は最悪です。



長岡ってこんな街
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木のまち・木のいえ整備促進事業

2010-01-20 19:42:31 | 長期優良住宅
地域材を用いた長期優良住宅に
120万円の補助が受けられる制度がはじまるようです。
(平成22年度予算案)


国交省が平成22年度予算案に、地域資源を使った長期優良住宅への補助を行う木のまち・木のいえ整備促進事業を盛り込んでいるそうです。

木のまち・木のいえ整備促進事業は木材を大量に使用する住宅・建築物の整備を支援する補助事業のほかに、中小工務店が国産材等で建てる長期優良住宅にも補助を行う木のいえ整備促進が注目されていて、

一般型
 今年度実施されている長期優良住宅普及促進事業と同様100万円補助

地域資源活用型
 (1)都道府県の認証を受けた産地証明つきの地域材を使う
 (2)柱・梁・桁・土台の半分以上に地域材を使った長期優良住宅
  については、120万円の補助

のメニューがあります。
当社では一般型、地域資源活用型の両方を得意としているので、来年度の建築予定のお客さんには耳寄りな補助事業となるでしょう。


長期優良住宅へ・・・

もくじへ・・

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五合庵 ~6帖のセカンドハウス

2010-01-20 19:42:09 | 山の木の話(越後杉)
庭の趣味の空間から交流居住まで
幅広い用途が考えられる「小さな家」の提案です


昨年の暮、旧栄町T邸にて、環境問題に関心があり、楽しく広めていこうと全国で活躍している「てんつくマン」にお会いしたときに、

「こんなの、どうですか?」

と提案されたのが、6帖のセカンドハウスでした。
10㎡以下の建築物は、建築基準法上、確認申請が不要(防火・準防火地域では必要です)なので、手軽に庭やコテージに設置が可能なハウスキットは、日曜大工が得意な人に頑丈な躯体を提供できます。

伝統構法使用にしたり、通し貫に土塗り壁を施す等、趣味に徹した家作りが出来ます。
良寛さんが住んだ「五合庵(ごごうあん)」のように狭い空間でも、アイディア次第で楽しい憩いの場となるでしょう。

問題は価格設定ですが、単純な構造にすればコストも抑えられるかも・・・
30万円くらいの価格帯ならばどうでしょうか?



広い庭の小さなおうちという設定
ガーデニングや家庭菜園の休憩所として・・
趣味のプライベート空間としての利用も考えられます



畑の中の風流な一軒屋というイメージ
本格的な畑仕事の休憩所としての機能
交流居住の根拠地として・・・

もう一軒、水廻り専用の棟を設ければ、長期滞在も可能になります。

CG:3DマイホームデザイナーLS2にて作成しました



寸法(芯寸法)幅3640㎜×奥行2730㎜×高さ3900㎜(軒までの高さ2700㎜)
材料 梁、桁、柱:国産杉(新潟県産可能)幅120㎜
      土台:国産桧 120×120㎜

キット内容 :構造材(梁、桁、柱、土台)、屋根垂木、野地板、破風板、淀
       通し貫(木組み仕様)、筋違(金物仕様)
    基礎、屋根仕上材、床、壁、天井、開口部建具は別途(見積可能です)
     (仕上げの情報はマニュアルに記載します)

構造仕様  :金物仕様、木組み仕様
耐雪性能  :雪国仕様(積雪1.5m~3m可能)
     少雪地方の場合は構造材は細くてもいいので、価格は抑えられます
耐風性能、耐震性能 :基礎によります



お問い合わせはこちらのフォームで・・



山の木の話へ・・
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木造3階建(高床住宅)

2010-01-19 14:22:41 | 作品集
日赤町K邸は市街地の高床住宅です
一部(1階部分)鉄筋コンクリート造の木造3階建てとして
構造計算を行った物件です


日赤町K邸は2003年に竣工した高床住宅です。
コンセプトとしては、市街地の二世帯住宅で、高床部分に車庫を設けて、木造2階部分で生活をするスタイルを考えています。

高床住宅は雪国特有の住宅形態で、一般には「混構造木造3階建て」になります。
1階に車庫や店舗等の大空間を実現する場合、道路側の入り口部分に大きな開口を設けなければならないので、その部分の補強が必要になります。木造の場合は、その両脇に袖壁(耐力壁)が必要となります。
奥行きも車庫としては2.5間(4.5m)~3間(5.4m)のが必要なので、2~3スパンは梁を飛ばさなければならず、全体としては梁間2間、奥行き3間くらいの丈夫な構造でなければなりません。
木構造よりも鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨(S造)が選択されます。
美沢町N邸の場合は伝統構法にて対応しています)

長岡市街地は昔の年貢制度の名残で、3間~3間半の間口で奥行きが10間以上ある「うなぎの寝床」の敷地が多いのが特徴で、住宅を計画すると、梁間が短く、高さが高い「スポン」とした家の形状になってしまいます。
そういった建物で車庫等をとると、1階部分は安定したRC造となる場合が多いようで、冬季使用に限定した高床住宅の基礎部分をそれにあてる方法が一般的です。

このK邸は構造計算を行い、RC部分の梁は35㎝×60㎝とし、それを受ける柱は35㎝×35㎝、更に梁の間は15㎝のスラブを設置し本格的なRC造として設計しています。(鉄筋もD16を多用・・・もうビルです。)
そのため、新潟県中越地震、中越沖地震では一番弱い梁間方向の揺れでもひび一つ入らなかった実績があります。

「これ、解体するときはどうするの?」

とお客さんに言われていますが、その時は生きていないでしょう・・・




ドーム屋根付きの外階段を登った先に、玄関が見えます。


玄関ポーチの壁は杉羽目板を貼りました。
窯業系サイディングの冷たいイメージの外壁材に対し、
暖かみのある明るい木肌が出迎えます。


上から見た感じ。
ドーム型のポリカ屋根は雪国では有効に機能します。
玄関のアプローチで階段を考えた場合、
雪が積もって入りづらくなるので、
屋根付きの通路「雁木」は理想です。


高床住宅の最大の利点は、高床部分の固定資産評価が1/3になるということです。
30坪あれば10坪分が課税対象となるので、木造3階建てよりも有利になります。

1階部分が車庫や物入れとして利用できるので、敷地の狭い場所に駐車スペースや収納スペースがとれて雪国の住宅としては良い面があるのですが、高齢化と共に2階に住宅があると、どうしても毎日の上り下りがきつくなってきます。
バリアフリーが叫ばれる中、2階の住空間への移動に昇降機やエレベーターを取り入れたり、リフォームするケースが増えてきました。

昇降椅子を設置する場合は、階段の幅が有効で1m以上は取りたいところ・・・。(このK邸では芯々1.2mを取り、有効105㎝としているので、昇降椅子を取り付け可能です。)
また、エレベーターの設置には押入れ分のスペースが必要です。(車椅子対応だと1坪分必要)



設計の段階で、将来の高齢化、身障者対応を計画しておくことも大切なのだと思います。


日赤町K邸へ・・

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このブログを開いてから、家づくりや環境、食について様々な想いを書き綴ってまいりましたが、その情報量の膨大さに書いている本人も何処に何を話題にしていたか整理がつか...

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大雪に耐えている 深沢町W邸 ・・と大雪時の高床住宅について考える

2010-01-18 20:34:23 | 長岡市深沢町 山の木
車庫を直している最中に、深沢町W邸を見に行ったら、この大雪で1.5m以上の積雪で屋根が埋まっていました。
山沿いでは、市街地よりも一回り多く雪が積もっています。

雪の積もったW邸も美しく映えていて乙なものです。
(などと、見とれている場合ではないのですが・・)

1㎝で3kgの重量だと、1㎡当たり450kgの重量が掛かっている計算になります。1坪当たり1.5トンもの荷重が掛かります。
屋根垂木は、60×90㎜の一回り大き目の物を使っているので、よほどのことが無ければ折れないのですが、一番やられやすいのは屋根鼻で、雪庇(せっぴ)により雨樋が傷みやすく

「屋根鼻の部分だけでも、雪を下ろしておいて下さい」

とアドバイスしています。
最近は「雪庇落とし」なる棒状で下から雪を落とす便利なアイテムもあります。

この家のおやじさんが、屋根鼻の部分の雪を下ろしていましたが、屋根鼻部分には背丈以上の雪が積もっているようでした。
次の寒波が来る前に、雪庇を落としておけば一安心です。



おやじさんが屋根鼻の雪下ろし中です。
画面中央右上辺りに、見えます。
背丈くらいは積もっているでしょうか・・・



この建物の外観の見所は何といっても円形出窓
やっぱり形が美しい!


今週末から、再び冬型が強まるとのことです。
更に積雪が予想され、同じ位積もるようならば、今度こそ雪下ろしをしなければならないでしょう・・・
「温暖化・暖冬・小雪」
と言われていますが、やはり雪国なのであります。

さすがに2mまで積もらないとは思いますが、そうなった場合は大変です。

中越沖地震の最中は、瓦が載っていて外側の耐力壁のみで、2階床や内部の壁も無い状態で、大きく揺れたものの、耐え抜きました。
伝統木組みと外周部の耐力壁のみで震度6の地震に耐えたわけですが、これに積雪荷重が加わった場合、当時無かった2階の荒床、内部耐力壁が加わり、その分で雪の横揺れに耐えることになります。

う~ん・・直感では大丈夫のようだが・・
これ以上積もったら、やっぱり雪下ろしはしておいたほうがいいかも・・・


この伝統構法の2階建てより、もっと条件の悪い建物もあるのです。

総2階の建物・・特に、高床住宅や木造3階建てで、梁間に比べて高さが長いスポンとした形状の建物は、積雪時に頭でっかちになります。木造3階建ての場合は構造計算をしますが、「雪下ろしの習慣のある地域」では「積雪1mまで減らす」という計算方法によることが多いのです。

耐雪計算は、中期間の積雪で(1ヶ月も積雪が続くことはありえない)強度を計算します。(これは、それほど苦にならずにクリアできます)

問題は、積雪時+地震時で・・大部分は1mの積雪で計算します。それは雪下ろしをした状態で地震が来るという想定です。
「大雪の状態で大地震が来る確率は少ない」
というのが、その根拠です。

雪国の高床住宅は、最近まで2階建の基準で「単に基礎が伸びただけ」という扱いでした。本来は3階建て(木造2階+鉄筋コンクリート若しくは鉄骨造の混構造)として構造計算を行う必要があります。
制度が出始めた初期の高床は梁下が1.5mだったので、やや2階建てとして許せたのでしょうが、いつの間にか梁下1.8mになり、魚沼地域等では2m以上の高床も作られていたり、その上に落雪式の屋根なので、ほぼ3階建て(小屋裏に部屋とか作ったりして本当の3階建てになっていたり)が載り、合計で4階建てのような高床まで作られるほどエスカレートしていました。

構造計算をして、高床基礎部分がちゃんと施工してあれば問題ないのですが、「普通の木造の基礎が伸びただけ」というような住宅があふれていたようです。

10年以上前に、雪害研究所が、雪国の高床住宅を問題として、地震時の被害を懸念する報告会が開かれていました。
積雪時に大地震が起こった場合、「危ない」という警告を出していたのです。

その4~5年後、新潟県中越地震が発生。多積雪地域を震度6、7の大地震が襲いましたが、幸か不幸か10月だったため、まだ雪が降り積もる前だったので、想定したほど高床住宅に被害はありませんでした。
「雪国の高床は強かった」
などと、楽観していたようでしたが、これが3ヶ月ほど後だったら、20年来の大雪に見舞われた中での大地震により大惨事になったでしょう・・・・
(当社では、高床住宅の場合、スラブ(床版)やRC梁を設けて、箱構造としていたので高床の被害は殆どありませんでした。)

現在は、混構造3階建ての構造計算の指針ができていて、高床住宅も木造3階建てとして扱われているので、一応、心配は無いでしょう。
(コストが高くつくので木造3階建てが多いようです)

・・・と言いたいところですが、前述の「雪下ろしの習慣のある地域」では「積雪1mまで減らせる」ことになっているので、構造計算書があれば、それをチェックしたほうが良いでしょう。

「剋雪住宅」の場合は2.0mや2.5mの積雪時に地震が来た場合も構造計算していますが、屋根鼻に雪庇対策をしなければなりません。上空から一気に雪庇が落下すると下の通行人や構造物に被害が及ぶためです。(広場の一軒家の場合は別です)
落雪防止の柵等を取り付けておくのが一般のようで、これで「剋雪住宅」かそうでないかの見分けが付きます。
そういった対策がない場合は、まず「雪下ろし」を前提とします。
積雪をどこまで耐えられるか・・・雪国の建物は我慢強い・・・
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車庫直し工事

2010-01-18 20:33:31 | リフォーム奮闘記


久しぶりの晴れ間を見せた1日でした。

昨日まで、新潟県は大雪に見舞われ、中越地方の上越線や信越線、只見線は積雪のため、運転が見送りになる事態でした。
長岡の山沿いで積雪2mを超し、湯沢では3mまで達する勢いです。この2~3日は冬型の気圧配置が緩み、一休みというところですが、今週末より再び寒波が繰るとのことで、予断を許しません。

長岡市街でも、積雪は1.5mを越している地域もあるので、方々で雪下ろしが始まっています。
先週末に雪下ろしの依頼が来ましたが、今週に入って更に何件か入り始めています。
次の大雪が来る前に降ろしたいという人が多いのもうなずけます。

次から次へと押し寄せる寒波に襲われる今年は、明らかに、

      「暖冬ではない」

と言い切れるでしょう。


新年早々、大雪の影響で深沢町W様の旧国道沿いの車庫に車が突っ込み、シャッターが外れて、柱までも破損するという大事故が発生したという知らせを受け、保険屋さんと調整しながら工期を待っていましたが、今週から補修工事を行うことになりました。

車庫全体がゆがんでいるため、積雪による変形も気がかりでしたが、ようやく大雪も収まり、シャッター撤去から躯体の直し、補強まで進み、一安心といったところです。



シャッターがゆがみ、柱や土台がずれています。
左右に8センチずつ動いていました。


ジャッキ揚げをしながら、チェーンで引っ張り、
建物の歪みを直します。


梁をジャッキで揚げ、チェーンやワイヤーで立て揺れを直す様は、地震の復旧工事以来です。(いや・・古民家の再生で一回やったか・・)10トン・ジャッキを何台か駆使して間直しレンチで締めながらの作業は、手馴れていても小規模の大破した躯体を直すのは一苦労で、根性が要る作業です。

      「意地でも直してやる」

という気迫で工事をしないと、なかなか正位置に戻ってくれない。
よほどのスピードで車がぶつかったのでしょう・・・・




柱を直したら、次は基礎、土台の足固めです。
一回ブロック基礎を解体して、左官屋さんに基礎を作り直してもらいます。
浮き土台の形式で作っておきます。
この辺りは、伝統構法の応用で、役に立ちます。


破損した柱の脇に「添え柱」を設けました。


この後、左官屋さんやシャッター屋さんが入って、終了となります。
大工は、明日は雪下ろしが待っています・・・・
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雪下ろし

2010-01-16 17:38:35 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)


今年は2~3日の短時間に1m単位で降り積もる傾向があり、今シーズンはこれで3回目の大雪になります。
市街地では1mくらいの積雪量でも、山沿いはさらに1.5mや2mまで達する場合があり、新雪のうちに下ろす風習のある場所では、3回以上下ろしているとのこと・・・
圧縮され締まった雪は、新雪に比べて2倍以上の重さになります。

高齢化が進み、お年寄りが屋根に登って雪下ろしをするのは危険な作業で、毎年事故が起こっています。
去年までは自分で登っていても、年齢と共に体も効かなくなり、已む無く業者に依頼される方も珍しくなくなってきました。

温暖化や「小雪」と言われても、急に大雪になる時もあります。



今シーズン最初の雪下ろしは「宮本町M邸」でした。
宮本町は山沿いで積雪量が1.5m以上・・新築部分は心配ないのですが、既存部分は昔のままなのでお客さんから

「下ろしてほしい」

との依頼があり、既存の下屋部分の雪下ろしをしました。



降り続いた雪で建物の半分は見えなくなっています。
他の外部の写真と見比べていただきたい。


雪を下ろしている最中です。
道路なのか屋根なのか見分けがつきません。
雪は締まっていて(圧縮されている)重い雪となっていました。


下屋の殆どを下ろしました。
「樋」を設置して、なるべく建物より離れた場所へ雪を滑らせています。
こうした作業は雪国では慣れたものです。


下屋の雪下ろしが終了。
既存の瓦屋根の部分のみでしたが、2時間半くらいかかりました。


お客さんに、

「和室の建具が動くようになった」

と喜ばれました。
雪の重さで、屋根が下がり、下の建具が動かなくなるのが雪下ろしのタイミングのサインです。

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大雪

2010-01-14 20:08:48 | 日々雑感
関原の旧国道沿いにある「角金旅館」
風情のある建物に雪が積もった光景は実に美しい・・・
などど見とれているとスリップしてしまう恐怖の雪道です。




昨日は、発達中の低気圧が日本海を通過したため、風速40m級の強風が吹き荒れる日となっていました・・
各地で停電もあり、電信柱が倒れた場所もあったとのこと・・

一夜経って見ると、別世界で、60センチ以上は雪が積もったでしょうか・・・
今シーズン3回目の大雪です。

市内の除雪車も間に合わず、交通が麻痺した1日となりました。
高寺の工場から出ると、ほとんど移動で終わると思い、本日は工場の除雪のみの作業でした。16日にかけて冬型が強まり、今年一番の寒気が南下するとのことで、注意が必要です。



国道は圧雪によって滑りやすくなっています。


今年は、暖冬じゃなかったのか??


こんな時ほど、4WD車に乗っていて良かったと思います。
燃費は悪くなってしまいますが、雪道は4WDモードにしないとタイヤを取られてスリップしてしまいます。
特に、圧雪道路の場合は効果覿面です。救われた場面が多々あります。
4DW車はエコ対象にならないとのことですが、命とお金とどっちが大事かといえば、「命」じゃ~ないでしょうか?
雪国のことも考慮してほしいところでもあります。


長岡ってこんな街

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