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移動性の低気圧が本州の東側へ抜け、高気圧に覆われた暖かい日となりました。「初夏」の清清しい気候です。例年だと、6月の初旬には入梅するので2週間くらいの晴天続きといったくらいでしょうか・・雪国でからっとした天気は少なく、貴重です。
外部工事は天候に左右されるので、こういった続いた晴れ間を利用して進めています。
来週から再来週にかけて外壁改修工事が何件かあり、足場掛けのラッシュになります。
ゴールデンウィーク明けから行われていた今井町H邸の瓦塗装工事も無事終了しました。
今回は瓦の塗装について解説します。
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屋根の日の当たらない部分は、コケが生え、
この状態が長期間続くと瓦が風化してボロボロになってしまいます。
一般に瓦は二種類に分けられます
1.焼き瓦
2.セメント瓦
1.の焼き瓦には「三州瓦」や「能登瓦」「安田瓦」といった産地で有名な「土」を練り固めて型に入れ、高温の窯で焼いた「素焼き」のような材質です。耐久性があり、その寿命は20年以上とも言われます。
2.のセメント瓦は土の代わりに「セメント」を(というよりもコンクリートに近い)型に入れて固めたものです。昭和40年頃に盛んに使われましたが、耐久性が短く、屋根葺き材もカラー鉄板の長尺技術が発達し、価格面からも瓦から鉄板に移行。また高価だった焼き瓦の大量生産に伴うコストダウンとセメント瓦自体の生産も少なくなり、現在では姿を消しつつあります。
在庫の無い生産中止の型もあるので、最悪は葺き替えになります。
蒸気で熱した高圧瓦などの耐久性の高いものもありますが、その寿命は上に塗られた塗装に左右されます。
セメントが劣化してくると、雪国の場合はそこに水が浸透し、凍り付いて膨張し、さらにセメントを劣化させます。これを防ぐために防水塗装を施す必要があります。
セメント瓦の塗替え時期は塗装にもよりますが、10年くらいを目処にしたほうが良いでしょう。
瓦の利点
雪国では、雪下ろしを行うため、屋根に登る習慣があり、その都度瓦や鉄板を傷つけてしまう時があります。鉄板屋根の場合は、1面の張替えが必要ですが、瓦の場合は痛んだ箇所を直せば良いので補修費用が安く済みます。
また、寿命も鉄板より長いのも瓦の利点です。
地震の時に施工の良し悪しが出ます。
ちゃんとした施工の元では、痛みが少なく、この家も中越地震で殆ど割れていませんでした。(2~3ヶ所の割れがありましたが、簡単な補修で済んでいます)
棟瓦にスカシを入れたり何段も重ねたものは損傷し易いでしょう。一番お金のかかる部分が一番傷みやすい部分でもあるので、シンプルな瓦葺き方をお薦めします。
新潟県中越地震へ
現在では、耐震瓦施工の指針が出ていて、棟瓦には施工前に鉄筋を入れ、針金で固定する方法が取られています。今回の東日本大震災では、耐震施工の瓦は損傷が少なかったそうです。
宮本町M邸での瓦下地
悠久町M邸の瓦葺き
深沢町W邸の瓦葺き
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瓦に付いたコケや砂を丁寧に取り除いていきます
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高圧洗浄により、瓦を洗います
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高圧洗浄が終了
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瓦の汚れが取れたところで、防水材を塗っていきます
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アクリル系の防水材をまず塗ります
東北地方で生産されていたらしく、ようやく手に入りました
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役物部分と合わせ目から塗り始めます
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屋根鼻の部分も塗ります。
ここが一番痛み易い場所です
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1回目防水塗り部分(灰色)
2回目瓦の色塗り部分(黒)
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瓦の色が塗り終わった状態です
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最後に、痛んでいる部分をコーキングで補修
本来は痛んだ瓦は交換すれば良いのですが、
もう品が無いので、コーキングでの補修しかありません。
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終了しました。
屋根も綺麗になり、建物も長持ちします
足場掛けから全工程1週間で終了しますが、天候にも左右されるので工期は余裕があったほうが良いでしょう。洗浄時は雨でもかまいませんが(かえって雨のほうが良い)シーラー塗り(防水)工程では瓦が乾かなければならないので、晴れている時が望ましいでしょう。
この工事で、10年くらいは寿命が延びます。
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