べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

スッキリ・デザインの雪国型エアコン室外機用屋根

2023-09-28 12:25:19 | 外装工事

雪国仕様のエアコン室外機用の屋根です



最近はエアコンの性能が良くなり、夏場の冷房だけではなく、冬の暖房器具としても欠かせない家電となりました。省エネルギー住宅となると必須のアイテムともなってます。
雪国の場合は室外機への積雪も考慮しなければならず、室外機の上部に屋根を設ける事も検討する必要も出てきます。





エアコン室外機の屋根の用途としては

 A. 上からの雪庇などの落雪から守る
 B. 室外機への直接の積雪から守る
 C. エアコンの熱効率を上げる
 D. 夏場の日除けとしての屋根
 E. 室外機をサビから守る(高寿命化)

が考えられます。

エアコンの室外機は、上部にカバーが設けられていて、メンテナンス時はここを取り外して点検作業を行う必要があり、上部カバーを取り外すのに支障とならない構造が要求されます。
霧除けを下手に設置してしまうと、メンテナンスが不可能になってしまうので注意が必要です。






既製品のエアコン室外機に取り付ける屋根としては、

 ① エアコン室外機の本体上部に取り付けるタイプ
 ② 箱型のエアコン室外機・架台用の屋根
 ③ パッケージエアコン室外機用の屋根

の三種類が用意されていますが、①、②は上からの落雪等には対応していません。
サイズもエアコン室外機より少し大きい程度なので、③のパッケージエアコン用屋根で、ワンサイズ大きなものを選ばねばなりません。
そうすると、どうしてもゴツい感じになります。

スッキリしたデザインで、効率のよいエアコン室外機用の屋根を

そんなコンセプトで鉄骨屋さんに特注で室外機用の屋根を作ってもらいました。




取り付け金具
パッケージエアコン用の架台を流用しています。
外壁の下地を狙って取り付け用のコーチスクリューを打ち込み、コーキング処理を行います


取り付け金具
このように、室外機の上に取り付けます。
今回は給湯器の屋根も併用しました。


接合部アップ
アジャスターによって水平角度を調整できます


屋根部分を金具に取り付けます


室外機と屋根のスペースを確保

これだけ空間があればメンテナンス時にも支障もなく、
ハチの巣や鳥の巣も撤去するのにも楽だし、
エアコン室外機が雨ざらしになる恐れもなく
熱もこもらずに、効率よくなるかな~

デザイン的にも、もう一回り小さくても良さそう・・・
それは次の機会の楽しみに・・


敷地に制限がある場合は、屋根鼻を短くして傾斜をきつくするなどの工夫が考えられます。
設計時に鉄骨屋さんと形状を綿密に打合せを行う必要があります。

屋根鼻を伸ばすことで室外機への雨掛かりや積雪防止に役立ちますが、上部からの衝撃に備える必要があります。
パッケージエアコン室外機用の取り付け架台なら、耐えられる構造となりそうです。

心配しているのは、鳥や蜂が巣をつくることですが、こまめに点検する事でクリアしていくしかないと思われます。



外装工事 U邸 窯業系サイディングについて - べんりや日記

足場を架けて外壁の損傷具合を観察しますこの記事のポイント雪国での窯業系サイディングを採用する場合の注意点1.凍害について2.塗装は10年を目途に塗り替えする3.コ...

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既存の窓廻りの雨仕舞 MMRシステム

2023-09-02 17:34:42 | 外装工事

外張り工法の場合の窓廻りの雨仕舞いを考慮した見切りの工法です


外張り工法(既存の外壁を撤去せずに、その上に新たな外壁を張る工法)を行った場合、既存のサッシよりも外壁面の方が外側に出てしまう事が想定されます。
つまり、

外壁よりも窓が引っ込んでしまう


のです。

主に取られている方法は、外壁専用の見切り(軒天見切り等)を窓の周りに回して、コーキングで収めるという方法が取られていますが、この場合、コーキングの寿命と共に雨仕舞いの能力が劣ってしまう欠点があります。
当社では、雨仕舞いを考慮した見切りの設置しています。今回は、その解説です。


 1.MMRー3の概要

MMRシステムは当社で提唱している

 M(窓の)M(水仕舞を考慮した)R(リフォーム)システム

であり、1~3の3種類があります(数字が多きい程効果が上がる)。今回は外張り工法で採用できるMMRー3です。
窓廻りの雨仕舞いを考慮して、既存のサッシの周りに見切りを取り付けて雨水の侵入を防止しようという考え方となります。



サッシ廻りの雨の流れを考慮した見切りを設置します

窓のリフォーム・・MMRシステム - べんりや日記

一昔前はサッシの表面と外壁面をなるべく揃えて見た目をスッキリとさせるのが、施工の腕の見せ所だったのですが、激しい雨や長年の外壁の劣化、サッシ廻りのコーキングの劣...

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既存の外壁をそのままにして、窓周りのリフォームを行った例です



 2.設置手順

既存の外壁に窓周りの見切りを取り付けてから、外張りの外壁工事を行います。


既存の窓の上下にアルミ見切りを取り付けます
この状態がMMR-2です。(上の見切りのみの場合はMMR-1となります)


両脇の板金の下地を取り付ける


外張りの外壁を張る(コーキング処理)



 3.設置状況

MMR-3の完成状態です。
既存サッシの周りに、もう一重サッシ枠があるような状態になります。



完成 全体


サッシ上部の収まり


サッシ下部の収まり



既存の窓が外壁よりも引っ込んでいる場合でも、窓廻りの見切りの工夫をすることで、外壁内への雨水の侵入を抑え、外壁の耐久性を高める事ができます。



外装工事 U邸 窯業系サイディングについて - べんりや日記

足場を架けて外壁の損傷具合を観察しますこの記事のポイント雪国での窯業系サイディングを採用する場合の注意点1.凍害について2.塗装は10年を目途に塗り替えする3.コ...

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外装工事 U邸 窯業系サイディングについて

2023-09-01 14:49:20 | 外装工事
足場を架けて外壁の損傷具合を観察します


この記事のポイント
雪国での窯業系サイディングを採用する場合の注意点
 1.凍害について
 2.塗装は10年を目途に塗り替えする
 3.コーキングの寿命は5年
 4.外壁自体が変形する
 5.手遅れの場合は張替え又は外張り
    ①張替え工法
    ②外張り工法
    ③部分的なカバーリング+塗装

 1.凍害について


窯業系サイディングは表面の塗膜が剝がれてくると、そこから雨水が侵入し、内部の基材を侵食してしまいます。
特に、雪国では「凍害」といって、外壁の基材に到達した水分が凍結することで膨張し、氷が内部から破裂を起こして窯業系サイディングの基材を破壊していきます。
北側の外壁面は夏場にコケ等が発生しやすく、破損した外壁に根を張って破損部に更に侵食していくのです。



凍害が進むと、塗膜の裏側の基材が破損していきます


特にコーナー部は損傷が激しくなります


北側の場合、基材の破損部にコケが付着して根を張り、さらに破損していきます



 2.塗装の間隔


雪国で窯業系サイディングを採用する場合は塗装の塗膜の寿命が尽きる前に、塗装工事を行う事が必要です。
チェックの方法としては、外壁を触ってみて、手のひらに白い粉(白華)が付いたら、そろそろ寿命だと思ってください。
塗装のグレードにもよりますが、おおよそ10年~15年を目途に塗装工事を行いたいところです。

 3.コーキングの寿命は5年


塗装の塗膜よりも寿命が短いのはコーキングです。
コーキングは外壁の継ぎ目等に施工する防水材ですが、コーキングのグレードによって劣化の激しい南面、西面では寿命は2~3年です。
コーキングが固まってガビガビに乾燥し、ひび割れを起こしてしまいます。
また、コーキングは金属面との接着は相性が良いのですが、窯業系サイディングとの接着が弱く、経年劣化と共に外壁とコーキングの間が剥がれてヒビが入ってきます。
施工にもよりますが、おおよそ5年でコーキングが剥がれてきてしまい、外壁の内側に雨水が徐々に侵入してきます。

塗装工事と同時にコーキングの打ち直しを行うことをお薦めします。



劣化したコーキングは形だけの存在になるので、撤去してコーキングの打ち直しを行います


 4.外壁が変形する


窯業系サイディングは木質系や繊維系の基材をセメント等で固め、防水塗料を塗布したものです。
厚みも昔は12㎜が主体でしたが、最近は防火性能を高めた14㎜の厚みのものが主流となってきました。
木の板と比べると、コンクリートのように頑丈に見えるのですが、意外に変形を起こします。
外壁の板が反ってくる事があり、釘やビスが下地から抜けて押すと外壁がぶかぶかして遊んでいる事もあります。
外壁の南面、西面等の陽の当たりが激しい場所で、こういった変形を起こしやすい事が経験上で分かっています。

こうなった場合、外壁の下地へビスの打ち増しを行う事をお薦めします。


 5.手遅れの場合は張替え若しくは外張り


塗膜によって外壁の基材の浸食が抑えられていれば、塗装を繰り返すことで外壁の寿命を延ばせますが、痛みが激しくなった場合は、塗装をしても2~3年で塗膜が剥がれてしまうため、手遅れの状態だと判断します。
この場合、別の外壁材への張り替え、外張りをお薦めします。

 ①張替え工事
外壁を張り替えるとなると、既存の外壁を撤去して、新たな外壁を張る事になります。

  アスベスト調査
外壁の撤去を行う場合、気を付けなければならないのはアスベストが含有されているかどうかです。
2006年(平成18年)以降は建築材料へのアスベスト混入は全面禁止となったので心配ないのですが、それ以前の製品の場合、アスベストが微量に含まれている場合もあります。
設計図書等に外壁の仕様が記載されていて、製品が分かるのであれば、データベースを使用してアスベストが含有されているかどうかを調べることが出来ます。
資料が残されていない場合は、外壁のサンプルを採取して試験機関に送ってアスベストが含有されているかどうかを調べる必要があります。
アスベストの混入した廃材を処理する場合は、撤去時、運搬時、処分時に適切な密閉処理を行わなければならず、工事単価にはね返ってきます。

  外壁下地
外壁を撤去した時に、下地も傷んでいるかどうかをチェックする必要があります。外壁を止めるための木材が打たれているので、その損傷がどの程度かという事です。
サイディングの痛みが激しいと、それなりに雨水が内部に侵入しているため、木材が侵食されていると、新たに釘やビスを打っても効かない場合が想定されるので、交換が必要になります。
大昔の建物の場合は、防水シートではなくフェルトが張ってる場合もありますし、フェルト自体も貼っていない場合もあります。
できれば、防水シートを取り換えて、遮熱性のある透湿防水シートを張れば外壁からの熱損失も抑えられます。
また、防水シートを張り替える際は、通気施工やサッシ廻りの防水処理ができるので、建物においても寿命を延ばす施工が可能となります。

  省エネ工事+耐震工事
外壁の張替えと共に、壁断熱工事、サッシ断熱工事を行うと省エネ性能を高める事となり、各補助金の対象となります。
また、耐震面材を外部に打ち増しすることで、耐震工事も可能となり、これも各補助金の対象となります。
外壁張替え工事の際には、こういった省エネ工事、耐震工事も視野に入れた方が良いと思われます。



 ②外張り工法

既存の外壁を撤去しないで、その上に新たな外壁を張る工法です。
工事費用も張替え工事よりは安く抑えられるメリットがあります。

  既存の外壁を打ち増ししておく
既存の外壁が変形したり、その下地が腐食して釘やビスが効かずにブカブカと遊びのある状態になっている場合があるため、ビスの打ち増し作業を行っておく必要があります。
下地木材を新たに打つ場合は、しっかりと固定したのを確認してから、新たな外壁材を打つことを心掛けて下さい。(外壁を打ってしまうと、その下地は修正が効かなくなります)

  雨仕舞を良くしておく必要がある
外張り工法で気を付けなければならないのは、サッシ廻りや配管廻りなどの外壁の継ぎ目の部分から、外壁内部に雨水が侵入しないように施工に気を付けなければなりません。
雨水が外壁内部に侵入し、放っておくと外壁の下地木材が腐食し、シロアリの喰害を受ける場合があります。


サッシ廻りの雨仕舞い


既存の窓廻りの雨仕舞 MMRシステム - べんりや日記

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 ③部分的なカバーリング+塗装工事

外壁の損傷がコーナー部分など限定されているのであれば、その部分のみを鉄板等でカバーして、補強をします。
それ以外の部分は塗装で済むので、全面的な張替えや外張り工法よりも安価になります。



今回のU邸の施工では、上記の②③の併用のハイブリット型の外装補修工事となりました。
部分部分で的確な施工を選択することで、全体の工事金額を抑える工夫もできるわけです。
既存の窓廻りの雨仕舞 MMRシステム




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