べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

石内の喫茶店 邪宗門(じゃしゅうもん)

2023-10-26 21:26:05 | にいがたの食
湯沢や塩沢を訪れたら寄ってみてください


国道17号線を石内スキー場から塩沢へ向かって車を走らせると見えてくる、こじんまりした白い塔の様な喫茶店。
店が開いている時に入らないと、次はいつ開いている時に遭遇するかわからない・・





カウンターが風情があります








木の梁が組まれた天井や、古びた柱、白壁・・アンティーク調の照明やテーブルが絶妙な調和を織りなす店内の空間は、時間の経つのを忘れさせてくれます。






たまに入った喫茶店なので、頑張ってる自分にご褒美もいいよね~




湯沢を訪れたら、一度は寄ってみてください。






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このブログを開いてから、家づくりや環境、食について様々な想いを書き綴ってまいりましたが、その情報量の膨大さに書いている本人も何処に何を話題にしていたか整理がつか...

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断熱等級6 に魔改造

2023-10-18 22:53:24 | 次世代省エネ基準

ZEH水準以上の「断熱等性能等級・等級6」に魔改造してみます


この記事のポイント
 1.断熱等級6の「基準値」
 2.外皮性能
 3.一次エネルギー消費量の計算
というプロセスを経て、断熱等級6の住宅がどのような水準なのかを見ていきます。


 1.断熱等級6の「基準値」

国交省の発表した資料より断熱等級6の水準を割り出します。



断熱等級6は定義がありますが、一次エネルギー消費量等級は等級6が最大で「ZEH水準」です。すなわち、

 断熱等級6
 一次エネルギー消費量等級6

という建物を想定します。(今後、一次エネルギー消費量等級の最大が更新される場合も考えられます)

実際の外皮性能も国交省の資料より拾い出せます

等級6の各地域での外皮性能


区分5の地域では、

 UAが0.46以下
 ηACが3.0以下

という基準となります。
また、一次エネルギー消費量はZEH水準が最大なので

 BEI≦0.8

と設定します

 2.外皮性能

例のごとく、国交省モデルの各部位を魔改造して等級6を実現していきます。仕様は以下の通りになりました。

各部位に入れる断熱材と熱抵抗R、各部位の熱貫流量率U
 部位断熱材断熱材のR部位別のU
 天井高性能グラスウール24kg品 105㎜を二重6.00.16
 外壁高性能グラスウール24kg品 105㎜3.00.38
 床フェノールフォーム断熱材1種2号CⅡ 66㎜3.30.4
 玄関YKKヴェナートD30 D2 窓なし1.79
 サッシYKK APW330(樹脂サッシ)アルゴンガス入り1.36


高性能グラスウール断熱材の厚みが105㎜を標準として使用することになります。
特に壁の場合は、中空層を設けなければならないため、柱の幅が120㎜(4寸柱)を使う事となり、関東圏のように105㎜や90㎜が主流となっている地域では柱を太くしなければならないハンデが出てきます。
雪国の場合は4寸が標準なので問題ないのですが・・

いずれにせよ、等級6以上のグレードを求めた場合、グラスウール断熱材を用いるのは、このあたりが限界となりそうです。
外張り断熱へ工法を変更したり、断熱材の材質を変更していく検討が必要でしょう。


サッシは、YKKの樹脂サッシ、断熱ドアを用います。
以上で、国交省モデルの部位に数値を当てはめ、UA値を計算すると・・



貫流熱損失qの計算
 部位外皮面積A U 温度差係数H貫流熱損失q 損失率%
屋根・天井67.910.16110.877.76%
外壁140.040.38153.2237.99%
ドア3.511.7915.724.08%
28.711.36139.0527.88%
58.80.400.716.4511.75%
基礎(外)8.65m0.9117.865.62%
基礎(内)8.65m1.140.76.904.93%
 合計308.07   140.07 100%
q=A×U×Hで計算します


上記の表から外皮性能を計算すると

UA=0.45 ≦ 0.46 (5地域 等級6)
MC=6.78
MH=12.16
ηAC=2.20 ≦ 3.0 (5地域 等級6)
ηAH=3.95


UA値が0.45でギリギリクリアしていますが、グラスウール断熱材や樹脂サッシを用いた最大のスペックとなります。
これ以上の性能を必要とする場合は、サッシや断熱材の工法や材質を変更していく必要がありそうです。

それにしても、今までサッシから熱の大半が逃げていったのが、今度は外壁が3割以上を占めるようになりました。
つまり、断熱性能を上げる場合、まず外壁から手をつけていけば良い事になります。
省エネ性能を上げていく時のおおよその手順が分かれば、次のステップに移るのに楽になっていくわけです。

 3.一次エネルギー消費量の計算

上記で求めた外皮性能を使って一次エネルギー消費量を計算します。
まずは、使用する設備機器を選びます。

誘導基準の設備機器を選択
 設備設備器具
 冷暖房設備ルームエアコン(い)
 換気設備ダクト式第一種換気・熱交換
 給湯設備高効率ガス給湯器(エコジョーズ)
 給湯配管ヘッダー方式でない
 ユニットバス高断熱浴槽+節湯式シャワー
 照明器具全室にLED


以上の条件で一次エネルギー消費量を計算すると、




BEIが0.75だったので、基準が0.7以下に設定されてくるとクリアできなくなります。
UA=0.45は等級6でも序の口の仕様なのでしょう・・

それでも一応、断熱等級6はクリアできました。次は等級7か????




U値とは? 一次エネルギー消費量の計算(1) - べんりや日記

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U値を補正する 一次エネルギー消費量の計算(2) - べんりや日記

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平成30年(令和元年)省エネルギー基準の地域区分  外皮性能の基準値 - べんりや日記

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平成25年省エネルギー基準の地域区分  外皮平均熱貫流率UAの基準値 - べんりや日記

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一次エネルギー消費量の計算 省エネ住宅エコポイント対応の新築工事の断熱設計 - べんりや日記

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一次エネルギー消費量から見た省エネルギー住宅

2023-10-11 22:57:14 | 次世代省エネ基準

省エネルギー住宅のまとめです


この記事の内容は
 1.世界水準の「誘導基準」
 2.世界各国の一次エネルギー消費量

【結論】断熱性能を上げて、各部屋で冷暖房を選択できるフレキな設計にしておく
です。

 1.世界水準の「誘導基準」

前回、日本の省エネルギー住宅の政策指針の改正により、世界水準を目指していると書きました。

「誘導基準編」を評価する - べんりや日記

「誘導基準編」を「詳細計算ルート」で解析します「ZEH水準」である「誘導基準」を評価してみます。手順は今までと同じです。1.「誘導基準」の外皮性能を求める2.「誘導...

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簡易ツールとして仕様基準ガイドブック「省エネ基準編」「誘導基準編」が用意され、これに沿った住宅を作れば、断熱等級4(省エネ基準),等級5(ZEH水準)の断熱水準が実現できるということになります。
等級5のZEH水準は世界水準と肩を並べる水準であることも分かりました。

世界各国の外皮性能と日本の断熱等級



「仕様基準」を使わず、「詳細計算ルート」で計算すれば基準をリーズナブルにクリアできる事も書いてきました。
世界のトップレベルの水準である等級6、7も詳細計算ルートにて実現が可能になってくると思われます。

 2.世界各国の一次エネルギー消費量

外皮性能で世界水準に達しても、一次エネルギー消費量が世界水準に満たなければ片手落ちです。
ここで、各国の一次エネルギー消費量を計算した資料があります。

各国の外皮性能と設備機器の想定

野村総合研究所 「各国における省エネ基準の動向」より

ドイツではセントラルヒーティングによる暖房・給湯が一般的ですが、効率の良い「ヒートポンプ式セントラル空調システム」を選択してるのはハンデです・・
日本の場合は通常の給湯器に白熱灯の照明・・ハンデがありすぎ・・
これらの条件で、一次エネルギー消費量を計算すると・・・


一次エネルギー消費量(住宅)

野村総合研究所 「各国における省エネ基準の動向」より

何と!日本の通常の外皮性能で「部分間欠運転」をした方が「全館連続運転」するよりも一次エネルギー消費量が少ない!
ええ~?
 どぅゆこと???


次の事が考えられます

 ①3、4地域ではFF暖房、5~7地域ではエアコン暖房のほうが効率が良い
 ②3,4地域では夏場にエアコンを使う時期が短い
 ③5~7地域では夏場にエアコンを使う時期は、連続運転にすれば効率が良くなる
 ④沖縄はエコすぎる!

しかも、日本では、断熱性能を上げてエアコンの全館連続運転をした方が一次エネルギー消費量が高くなるので、これではかえってCO2の排出量を多くしてしまう傾向になってしまいます。

要は、全館連続運転をしなければ、良いわけです。
断熱性能を上げて熱損失を抑えるのは効果があると思われます。


【結論】断熱性能を上げて、各部屋で冷暖房を選択できるフレキな設計にしておく


「誘導基準」で「住戸全体を冷暖房」と「居室のみを冷暖房」が選択できるのは、国交省が密かに「エコを選択」できるように用意しておいたに違いない!グッジョブ国交省!
いずれにせよ、日本と世界の動向を同時に見ながら省エネルギー住宅について考えていく必要があります。











U値とは? 一次エネルギー消費量の計算(1) - べんりや日記

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U値を補正する 一次エネルギー消費量の計算(2) - べんりや日記

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一次エネルギー消費量の計算 省エネ住宅エコポイント対応の新築工事の断熱設計 - べんりや日記

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「誘導基準編」を評価する

2023-10-10 17:56:27 | 次世代省エネ基準

「誘導基準編」を「詳細計算ルート」で解析します


「ZEH水準」である「誘導基準」を評価してみます。
手順は今までと同じです。

 1.「誘導基準」の外皮性能を求める
 2.「誘導基準」の設備機器を選ぶ
 3.一次エネルギー消費量を計算&評価する
 4.誘導基準から読み解ける事
 5.世界水準を目指している日本

です。

 1.「誘導基準」の外皮性能

今まで使ってきた「国交省のモデル」に「誘導基準」の断熱性能を入れていきます。


誘導基準の断熱材


ここで特筆すべきは、壁の厚みです。

壁の断熱材の厚みが105㎜となっています。これに中空層を設けると120㎜の壁厚さが必要となります。
すなわち、関東方面で充填断熱工法を行う場合は4寸角の柱を使わないと難しいということです。

3寸柱や3寸5分柱のままだと、高性能グラスウールやロックウール断熱材ではなく、他のフェノール系(ネオマフォーム)等の仕様変更が必要となります。
また「外張り断熱工法」の採用も視野に入れる必要がでてきます。
 
 

誘導基準の開口



サッシは「YKK エピソードNEO + Low-Eペアガラス」のランクとなります。


以上の仕様から、例のごとくq値を求めていきます。

貫流熱損失qの計算
 部位外皮面積A U 温度差係数H貫流熱損失q 損失率%
屋根・天井67.910.20113.587.59%
外壁140.040.40156.0231.31%
ドア3.512.2717.974.45%
28.712.27165.1736.43%
58.80.520.721.4011.96%
基礎(外)8.65m0.9117.864.40%
基礎(内)8.65m1.140.76.903.86%
 合計308.07   178.91 100%
q=A×U×Hで計算します


上記の表から外皮性能を計算すると

UA=0.58 ≦ 0.6 (5地域ZEH水準)
MC=7.06
MH=12.45
ηAC=2.29 ≦ 3.0 (5地域ZEH水準)
ηAH=4.04

となります。
UA=0.58ですから、ギリギリでクリアしている感じがあります。

 2.「誘導基準」の設備機器

次に、設備機器を選んでいきます。

誘導基準の設備機器



上記の仕様の中から、最低ラインの設備機器を選びます

誘導基準の設備機器を選択
 設備設備器具
 冷暖房設備ルームエアコン(い)
 換気設備ダクト式第一種換気・熱交換でない
 給湯設備高効率ガス給湯器(エコジョーズ)モード熱効率86.6%以上
 給湯配管ヘッダー方式
 ユニットバス高断熱浴槽+節湯式シャワー
 照明器具全室にLED


「最低ライン」といっても、殆ど選択の余地がないくらい高効率の設備が指定してあるのが分かります。

 3.一次エネルギー消費量を計算&評価

以上の外皮性能、設備機器を一次エネルギー消費量計算プログラムに入力し、計算します。

一次エネルギー消費量計算プログラムの結果



BEIが 0.79 ですから、思ったほど高水準ではなさそうです。
「誘導」と言われる所以(ゆえん)でしょう。
逆に当社の標準で十分クリアできる水準です。

当社の標準と比較しますと

 当社   UA=0.59 BEI=0.77
 誘導基準 UA=0.58 BEI=0.79

ですから、UAをもう少し頑張れば達成できるレベルです。

「金属+樹脂サッシ(YKK エピソード)」を「樹脂製サッシ(YKK APW330)」に変更することで達成可能と思われます。

 4.誘導基準から読み解ける事

前述の数値から、「ZEH水準」(誘導基準)はZEHでも序の口のランクと位置付けられるのでしょう。

2030年以降は、この誘導基準が標準となるように準備を進めているようですが、本当のゼロエネルギー住宅となると、この程度のランクでは物足りないくらいだと思われます。
更に高水準だと住宅性能表示・断熱等級6,7のランクが用意されています。
ただし、それだけランクを上げたとしてもエネルギー・ゼロにはなりません。本来のZEHは太陽光発電システムを導入し、創エネルギーを行う必要があります。

将来、ソーラーパネルを導入して
ゼロエネルギーになるように
交換が難しい外皮性能を高めておく


というのが、現在のZEH政策の基本姿勢だと思われます。

2030年からZEH誘導基準が義務付け・・オール・ゼロ・エネルギー住宅までは程遠い道のりです。2050年までに二酸化炭素排出量を産業革命前の1.5%まで抑える事は可能なのでしょうか・・


 5.世界水準を目指している日本

住宅需要の大半を占める「6地域」が「4地域」と同等の省エネルギー水準まで要求され、義務付けされるというのは意味があると思います。

高性能グラスウールや樹脂サッシにしても、寒冷地のみでしか需要が無かったものが、関東方面でも需要が高まるとなると、圧倒的に流通量も多くなって、今まで高価で手が届かなかった製品の価格が下がって来る可能性がある。
実際には、高性能な樹脂サッシ、アルゴンガス入りの複層ガラス、高性能グラスールなどです。





ここからは、世界の省エネ基準の動向についてです。

まず、
 「ドイツって、冷房を使わないから省エネだ」
・・って言われてますが、夏だけ考えれば「正解」です。
でも、冬の暖房に使うエネルギーを考えたら日本よりも多いんです。

家庭用エネルギー消費の国際比較

野村総合研究所 各国における省エネ基準の動向より

ドイツの暖房器具でポピュラーなのは「セントラルヒーティング」です。
地下室にガスのボイラーがあって、高温の熱水を作って全館に回し、パネルヒーターを熱して室内の暖房にしています。
このボイラーを止めることなくガンガン火を焚いて熱水を作り続けることで効率を高めているとされています。
この暖房エネルギーがカウントされていないのです。
おそらく、イギリス、フランスも同様です。

アメリカなんて、石油も安いし、エネルギーが有り余ってるので、ガンガンエネルギーを使いまくってます。



そんな中、日本は真っ正直に、京都議定書の宣言を守るためにZEH政策をかかげて、ひたすら低燃費、高耐震、高耐久の高性能な住宅を目指して邁進しているわけです。

各国の外皮平均熱還流率(住宅)

野村総合研究所 各国における省エネ基準の動向より

日本の外皮性能は2013年なので平成25年省エネルギー基準のデータです。
日本は各国に比べると遅れをとっていますが、断熱等級4,5,6,7の政策指針を打ち出して次のような水準を目指しています。


日本の住宅性能表示・断熱等級の比較


ZEH水準になると、世界水準と肩を並べるくらいになることが分かります。
トップランナー水準である等級6,7に関しては世界に類を見ない水準に達する事が見て取れます。

これで10年、20年経ったら、世界でもトップクラスの住宅水準になってるんだろうけれど、あいかわらず「日本の住宅は性能が低いと言われている」と報道され続けてるんでしょうね~。




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U値とは? 一次エネルギー消費量の計算(1) - べんりや日記

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U値を補正する 一次エネルギー消費量の計算(2) - べんりや日記

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一次エネルギー消費量の計算 省エネ住宅エコポイント対応の新築工事の断熱設計 - べんりや日記

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当社の標準施工はZEH水準だった・・

2023-10-06 20:27:40 | 次世代省エネ基準
当社は標準施工でZEH水準でした・・(今さら・・)


今まで、熱の大半はサッシから逃げていると書いてきましたが、当社ではサッシの断熱性能を高める方法で省エネルギー性能を上げる方法を採用してきました。
まだまだ改良の余地はありますが、当社が普通に施工していると、いつのまにかZEHをクリアしていたのでした・・
当社の標準施工を「詳細計算ルート」にて計算してみます。

手順は今までと同じです

 1.当社の外皮性能
 2.当社の標準設備機器
 3.一次エネルギー消費量を計算&評価


 1.当社の外皮性能

今まで使ってきた「国交省のモデル」に当社の断熱性能を入れていきます。


貫流熱損失qの計算
 部位外皮面積A U 温度差係数H貫流熱損失q 損失率%
屋根・天井67.910.21114.267.87%
外壁140.040.41157.4231.67%
ドア3.514.07※111.366.27%
28.712.05158.8632.46%
58.80.520.721.4011.80%
基礎(外)8.65m0.8817.614.20%
基礎(内)8.65m1.720.710.415.74%
 合計308.07   181.32 100%
q=A×U×Hで計算します
※勝手口ドアは2.27

窓からの損失を全体の1/3に抑えています・・
天井や床の仕様は殆ど国交省モデルと同じです。床や基礎がやや劣っていますが、サッシで稼いでいるのです。
なので、あまり苦労して断熱を行っているわけではありません。フツーです。

上記の表から外皮性能を計算すると

UA=0.59 ≦ 0.6 (5地域ZEH水準)
MC=7.16
MH=12.56
ηAC=2.32 ≦ 3.0 (5地域ZEH水準)
ηAH=4.08

となります。
雪国住宅で、柱が4寸柱だと100㎜の断熱材を入れるスペースが確保できるのが利点でした。(関東は柱が105㎜なので90㎜の断熱材しか入れられません)
意外にZEH水準の外皮性能のハードルは高くはないのです。
しかも、まだ樹脂製サッシを導入していない・・(樹脂製サッシに仕様変更したら、ど~なるんだろう?)

なぜかと言えば、今まで3~4地域に属していて、「雪国住宅」を施工していたら、急に5地域まで省エネルギー水準が下がってしまったからです。

 2.当社の標準設備機器

次に、当社の標準設備ですが、それほど高効率な設備ではありません。

標準の設備機器です
 設備設備器具
 冷暖房設備ルームエアコン(は)
 換気設備壁掛け式第一種換気・熱交換でない
 給湯設備高効率ガス給湯器(エコジョーズ)
 ユニットバス魔法瓶浴槽+節湯式シャワー
 水栓金具節湯式水栓
 照明器具全室にLED


最近の住宅設備は、標準で高断熱浴槽や節湯式水栓金具が付いてきます。
エアコンも高効率すぎると、色々な機能が付きすぎて壊れやすいという難点もあるので、標準モデルのエアコンをお薦めしています。

 3.一次エネルギー消費量を計算&評価

一次エネルギー消費量計算プログラムに入力すると・・



ZEH水準をクリアしている事が確認されました。

外皮性能がZEHクラスだと、導入する設備機器が高水準でなくても、軽くZEH水準をクリアしてしまうのです。
「仕様基準」を使った場合は、こういった自由度が無いのでコスト高になってしまう傾向にあります。

【結論】設備機器は寿命が短いので、10年~15年後くらいに高効率の設備機器に交換すれば、さらに省エネルギーになります。

次回は、その話に行く前に、「ZEH水準」の話です。


次の記事へ・・



U値とは? 一次エネルギー消費量の計算(1) - べんりや日記

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U値とは熱の逃げやすさを表す値です省エネ住宅エコポイントの新築に関して、U値計算が必要となります。U値(旧Q値)は建物の外皮(屋根、外壁、床)から逃げる熱量を表し、...

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U値を補正する 一次エネルギー消費量の計算(2) - べんりや日記

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実際の建物では各部位で熱の逃げ方が違います前回は犬小屋を例にU値を求めました。実際の建物の熱の逃げ方は屋根と壁、床で違ってきます。室内では空気の対流が起こり、天井...

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平成30年(令和元年)省エネルギー基準の地域区分  外皮性能の基準値 - べんりや日記

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仕様基準(省エネ基準編)を評価する

2023-10-05 11:21:44 | 次世代省エネ基準

「省エネ基準」を魔改造します

この記事のポイントです

【結論】省エネルギー基準で新築し、2030年以降はZEHリフォームで対応 

 1.国交省モデルの外皮性能を流用する
 2.省エネ基準編の設備機器を選んで計算してみる
 3.設備器具のランクを落とす
 4.2030年以降はZEHリフォームを・・
です。

 1.国交省モデルの外皮性能を流用する

前回、国交省モデルが4~7地域の仕様基準「省エネ基準編」の元となっている事が確認されました。
求めた外皮性能を使って一次エネルギー消費量を計算し、適合しているかどうかを判断してみます。

前回求めた外皮性能
   UA  =0.76 ≦ 0.87 (5地域UA)OK
   ηAC =2.33 ≦ 3(5地域ηAC) OK
   ηAH =4.08

 ↓ここで求めています

標準モデルの外皮性能 - べんりや日記

標準モデルの断熱性能を整理し、「省エネルギー基準」について考えてみますこの記事のポイントです【結論】詳細計算ルートを使えば、リーズナブルな省エネルギー住宅を計画...

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 2.省エネ基準編の設備機器を選ぶ

「省エネ基準編」のガイドブックでは、掲載された設備器具の中から、実際に導入する器具にチェックを入れるだけで、詳細計算ルートのような計算プログラムを使う必要がありません。

この中の設備から選びます


この掲載の設備器具の中から、次の設備を選びました。

設備機器を選びます
 設備導入する器具備考
 冷暖房設備ルームエアコン(ろ)
 換気設備ダクト式第一種換気熱交換でない
 給湯設備高効率ガス給湯器エコジョーズ
 照明器具全室にLED

選んだ設備器具で、一次エネルギー消費量計算プログラムに入力し、計算すると・・・



「省エネルギー基準」の評価がクリアできました

仕様基準の「省エネ基準編」の仕様だと「詳細計算ルート」で適合判定を得られました。
まぁ、当たり前と言えば当たり前ですが・・・


 3.設備器具のランクを落とす

外皮性能をそのままにして、設備のランクを落としてみます。
まずは、エアコンを(ろ)から(は)に落としてみます。(中級グレードから最低ランクに落としてみる)

設備機器を変更しました
 基準設備基準の器具変更後
 冷暖房設備ルームエアコン(ろ)(は)
 換気設備ダクト式第一種換気(熱交換でない)そのまま
 給湯設備高効率ガス給湯器(エコジョーズ)そのまま
 照明器具全室にLEDそのまま


以上の条件で入力して、一次エネルギー消費量を計算しました


基準をクリアしています。


まだ余裕がありそうなので、換気設備をダクト式から壁掛け式に変更し、ついでに給湯器もエコジョーズから従来式へ戻してみます。

設備機器をさらに変更しました
 基準設備基準の器具変更後
 冷暖房設備ルームエアコン(ろ)(は)
 換気設備ダクト式第一種換気(熱交換でない)壁掛け式第一種換気・熱交換でない
 給湯設備高効率ガス給湯器(エコジョーズ)従来式
 照明器具全室にLEDそのまま


以上の設備を選んで入力します。



これでもクリアできました。


流石に、これ以上は落とせないでしょう・・・
「国交省の標準モデル」の外皮が如何に性能が高かったかを物語っています。

 4.2030年以降はZEHリフォームを・・

「詳細計算ルート」で評価をすると、設備機器を高効率にしなくても、国交省モデルの断熱仕様でクリアできる事が確認できました。
これは2025年以降も有効で、2030年のZEH水準への引き上げ時期まで利用可能な手法となります。

途中で評価基準が見直された場合は設備機器の高効率化を行えば対応が可能となってきます。
設備器具の場合、建物と違って寿命が短いので、10年くらい過ぎると器具の入れ替えが必要となってきます。
高効率になるほど壊れやすくなるという矛盾点もあります。(複雑な装置になるため、単純な装置よりも壊れやすくなる)

また、国交省モデルの弱点は、

サッシから熱が半分くらい逃げている


と何度か説明をしました。

サッシに関しては、

高断熱サッシに入替えるか内付けサッシを取り付ける

というリフォームでZEH水準まで断熱補強が可能となってきます。

次のように整理します。
部位寿命交換の容易さ対応
①断熱材20年~50年難しい外装工事に伴う大規模改装
②サッシ20年~30年※1やや容易リフォームやや可能※2
③設備機器・家電10年交換が容易リフォームで対応
※1サッシの場合はパッキンの劣化が寿命を左右します
※2後付け二重サッシならば容易に対応できます


断熱材も永久に劣化しないわけではなく、徐々に性能が落ちていきます。
新築時は①を重視し、③は10年サイクルで考え、②の変更が容易なものは後で対応する・・

つまり、サイクルを考えた

ZEHリフォーム

をおすすめします。

【結論】省エネルギー基準で新築し、2030年以降はZEHリフォームで対応する

次回はその話です。

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U値とは? 一次エネルギー消費量の計算(1) - べんりや日記

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一次エネルギー消費量の計算 省エネ住宅エコポイント対応の新築工事の断熱設計 - べんりや日記

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標準モデルの外皮性能

2023-10-03 21:29:23 | 次世代省エネ基準
標準モデルの断熱性能を整理し、「省エネルギー基準」について考えてみます


この記事のポイントです

【結論】詳細計算ルートを使えば、リーズナブルな省エネルギー住宅を計画できる 
 1.外皮性能(UAとη)
 2.断熱材は色々あります
 3.断熱材の熱抵抗Rと各部位のU
 4.サッシの性能
 5.国交省モデルのサッシ性能
 6.省エネルギー基準は国交省モデルのサッシが変わっただけ
 7.省エネルギー基準の外皮性能
です。

 1.外皮性能 ~UAとη

「外皮」は建物の内と外を隔てる外壁や天井、床、サッシ等の「面」を指します。
各部位によって、断熱材の入れ方が異なるので、それぞれの断熱性能を計算し、建物全体の「外皮性能」(熱貫流率UAと日射熱取得率η)を求めます。

外皮のイメージ

天井(屋根)、外壁、床、サッシのそれぞれで断熱性能が違います
各部位の断熱性能を計算して、建物全体のUAとηを求めます


 2.断熱材は色々あります

天井や外壁、床に入れる断熱材には色々な種類があり、厚さや重さによって施工性が違います。
よく使う「グラウウール(GW)」にも重量(10kg品や16kg品)や厚さ(5㎝、10㎝)、普通のGWや高性能GW、固形や吹き付け等の形状の違いがあります。


色々な断熱材



床材に使う断熱材は固形の面材でカットして施工できます。


 3.断熱材の熱抵抗Rと各部位のU

外壁、天井、床の各部位に入れる断熱材の種類が異なり、厚さも違っています。
断熱材の種類や厚さによって、それぞれ熱抵抗Rが決まっています。

 外壁の断熱材R≧2.2

というのは、「Rが2.2以上の断熱材を入れなさい」という指示ですが、これは断熱材自体のRを指しています。
実際には各部位によってボードや下地の違いもあるので、「面」全体としての性能(U)を求めます。
(詳しい計算方法は別の機会に・・)

各部位に入れる断熱材と熱抵抗R、各部位の熱貫流量率U
 部位断熱材断熱材のR部位別のU
 天井高性能グラスウール16kg品 155㎜4.7090.23
 外壁高性能グラスウール16kg品 90㎜2.3680.44
 床押出法ポリスチレンフォーム3種bA2.3210.48


 4.サッシの性能

サッシにも色々種類があります。枠の種類によって断熱性能が違います。
また、ガラスにも種類があり、それぞれ性能が異なります。

サッシの種類と性能



計算が面倒なので、メーカーではひとまとめにして、

 熱貫流率(U値)=1.31

とか表示します。つまり、窓も玄関ドアもメーカーのカタログを見れば一目瞭然なのです。

カタログを見れば熱貫流率が分かります



 5.国交省モデルのサッシ性能

国交省の場合は、特定のサッシメーカーの製品を表示するわけにもいかないので、一般的なサッシの性能を採用しています。

サッシの種類と熱貫流量率U
 場所 材料熱貫流率U
 洋室窓アルミサッシ+複層ガラス(A6)(付属部材:なし)4.65
 和室窓アルミサッシ+複層ガラス(A6)(付属部材:障子)4.65
 ドアスチールドア(ハニカムフラッシュ構造・ガラスなし)4.65


更に、各窓に「庇」が設置されていて、庇を含めてηを計算しなければなりません。(庇の必要性については別の機会に・・・)
それにしても、「U=4.6」というのは大分昔の数値です。現在はU=1.3とかの時代ですから、サッシの性能がかなり低い・・

 省エネルギー基準は国交省モデルのサッシが変わっただけ

仕様基準ガイドブックの「省エネルギー基準編」に関しては、複雑な計算をしなくてもいいように、単純にまとめてありますが、実は、サッシ以外は今までの断熱性能がそのままなのです。

省エネルギー基準のサッシ
 場所 材料熱貫流率U日射熱取得率ηAC
 有効な庇等のある窓金属製建具+複層ガラス(A6)4.7
 庇の無い窓金属製建具+LowーE複層ガラス(A6)4.1η=0.32(日射遮蔽型)
 ドア枠:金属製 戸:金属製フラッシュ構造 二層複層ガラス2.9


「庇」については別の機会に詳しくやろうと思いますが・・要は、


Low-Eペアガラスにすれば庇は要らないし計算が単純になる


という結論に達したようです。(くどいようですが、庇の必要性については別の機会にしたいと思います)

いずれにせよ、

「省エネルギー基準」は今までの国交省の標準モデルの「サッシが変わっただけ」

です。
言い換えれば、今までの国交省の標準モデルがいかに優れていたか・・を物語っているわけです。(ヨイショか?)

 7.省エネルギー基準の外皮性能

以上を踏まえて、外皮性能の計算を行ってみます。

貫流熱損失qの計算
 部位外皮面積A U 温度差係数H貫流熱損失q 損失率%
屋根・天井67.910.23115.626.71%
外壁140.040.44161.6226.47%
ドア3.512.90110.184.37%
28.714.101117.7150.58%
58.80.480.719.768.49%
基礎(外)8.65m0.4413.801.63%
基礎(内)8.65m0.670.74.051.74%
 合計308.07   232.74 100%
q=A×U×Hで計算します

それにしても、未だに熱の半分が窓から逃げています・・
↓ q=A×U×Hの式はここで説明しています
U値を補正する 一次エネルギー消費量の計算(2) - べんりや日記

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気になる外皮性能の計算です。

UA=232.74 ÷ 308.07=0.76 ≦ 0.87 (5地域UA)OK
mc=7.19
mH=12.60
ηAC=7.19 ÷ 308.07 =2.33 ≦ 3(5地域ηAC) OK
ηAH=12.60 ÷ 308.07 =4.08

となり、基準をクリアしている事が確かめられました。

この外皮性能が求められれば、「精密計算ルート」での計算が可能となってきます。
例えば、サッシを高性能に上げて、設備機器のランクを落とす・・という自由度が出てくるのです。

「仕様基準」を使うと、どうしても安全側になってしまいコスト高になってしまいますが、「詳細計算ルート」を使えば


性能は確保したままで、リーズナブルな住宅の設計が可能


となるわけです。
次回は、それをやってみましょう。


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U値とは? 一次エネルギー消費量の計算(1) - べんりや日記

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詳細計算ルート

2023-10-01 22:31:46 | 次世代省エネ基準

詳細計算ルートの評価手順です


このブログは一般の消費者の方々が参考にされるのと同時に、専門家も見られているらしいので、省エネ講習会の「おさらい」程度で説明を行いたいと思います。
一般の方は「こういう方法で計算をしている」程度の予備知識でとどめておいてください。実際に計算・評価を行うのは資格のある設計士や評価機関となります。

ここでは、「詳細計算ルート」の手順を説明します。

 1.標準モデル
 2.外皮性能を計算する
 3.UA値の計算と判定
 4.日射熱取得量 mC、mHの計算
 5.平均日射取得率 ηAC、ηAHの計算と判定
 6.一次エネルギー消費量の計算
 7.評価方法

以上の流れで評価を行っています。

 1.標準モデル

国交省の省エネルギー説明会で良く使われるプランです。今回はこのモデルを使います。

標準モデル

1階面積 67.90㎡  2階面積 52.18㎡  床面積合計 120.08㎡


居室の分類ごとに面積を求めておきます。(分類によって冷暖房の使う時間帯を変えているため。)
部屋面積
 居室の分類面積(㎡)
 主たる居室29.81㎡
 その他の居室51.35㎡
 非居室38.92㎡


主たる居室は、人が昼間と夕方にかけて暮らしている可能性が高い部屋。
その他の居室は、寝室等の夜に使う可能性が高い部屋。
非居室は、1日に何時間も居ない可能性が高い通路や水廻り、納戸など・・

 2.外皮性能を計算する

外部に面する壁や屋根、床、サッシの面積と各部位の熱の逃げやすさを計算します。

貫流熱損失qの計算
 部位外皮面積A U 温度差係数H貫流熱損失q 損失率%
屋根・天井67.910.23115.626.25%
外壁140.040.44161.6224.62%
ドア3.514.65116.326.53%
28.714.651128.6851.49%
58.80.480.719.767.91%
基礎(外)8.65m0.4413.801.52%
基礎(内)8.65m0.670.74.051.62%
 合計308.07   249.90 100%
q=A×U×Hで計算します


貫流熱損失qは各部位の熱の逃げやすさです。
窓が51.49%ですから、建物全体のほぼ半分がサッシより逃げていることが分かります。サッシの断熱性能を見直すことが省エネ設計の第一のポイントです。

↓ q=A×U×Hの式はここで説明しています
U値を補正する 一次エネルギー消費量の計算(2) - べんりや日記

U値を補正する 一次エネルギー消費量の計算(2) - べんりや日記

実際の建物では各部位で熱の逃げ方が違います前回は犬小屋を例にU値を求めました。実際の建物の熱の逃げ方は屋根と壁、床で違ってきます。室内では空気の対流が起こり、天井...

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 3.UA値の計算と判定

UA(外皮平均熱貫流率)の計算を行い、適合するかを判定します。


UA= q(貫流熱損失の合計) ÷ ΣA(外皮面積の合計)


で求められるので、


UA=249.90(W/K) ÷ 308.07(㎡)=0.82 (W/㎡・K)


東京都は6地域なので、最高UA値は0.87となっているため、

 UA=0.82 ≦ 0.87 OK

基準値以下なので、UA値はクリアするのが確かめられました。

 4.日射熱取得量 mC、mHの計算

次に各部位から太陽光からどのくらい熱を受けるかを示す、「日射熱取得量」を計算します。日射熱取得量は各部位ごとに季節(冬と夏)、方向、角度によって異なるので複雑な計算となります。

 mc:(夏の)冷房期の日射熱取得量= 6.33  W/(W/㎡)
 mH:(冬の)暖房期の日射熱取得量= 11.82  W/(W/㎡)

が計算で求められます。(別の機会に解説を行いたいと思います。)

 5.平均日射取得率 ηAC、ηAHの計算と判定

平均日射取得率η は日射熱取得量mを外皮面積Aで割った値で、冷房期と暖房期の両方を求めておきます。

 ηAC:(夏の)冷房期の平均日射取得率 = mc(冷房期の日射熱取得量) ÷ ΣA(外皮面積の合計)
 ηAH:(冬の)暖房期の平均日射取得率 = mH(暖房期の日射熱取得量) ÷ ΣA(外皮面積の合計)

 ηAC =  6.33  W/(W/㎡) ÷  308.07(㎡)= 2.1
 ηAH = 11.82  W/(W/㎡) ÷  308.07(㎡)= 3.8

このうち、 ηACに関しては、6地域において最大値(2.8)が定められていたため、

 ηAC = 2.1 ≦ 2.8 OK
基準値以下となるのでクリアできる事が確かめられました。

これで、「外皮性能」は基準を適合することが確認され、次のステップに移る事になります。
ここまでは、電卓を使った手計算よりもEXEL等の表計算プログラムを使えば容易に作業が進みます。

 6.一次エネルギー消費量の計算

外皮性能の各計算が終わったところで、今度は設備器具を使った時に、どれだけのエネルギー損失となるのかをシュミレーションするのが「一次エネルギーの計算」となります。
詳細計算ルートではWEB上に用意されたプログラムを用いますが、その際に先ほど求めた外皮性能値の他に、実際に使うエアコンや給湯設備、換気扇や照明器具、発電システムも入力の対象となります。
省エネ対応の設備機器を使えば、よりエネルギー効率が良くなるのです。

住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム
↑のサイトを開くと、計算プログラムが出てきます

一次エネルギー計算プログラムの表紙


このプログラム上で、今まで計算した外皮性能の値や一般のエネルギー効率の設備器具を選んで「計算」すると・・

計算結果




上記の結果が出てきます。
この結果を用いて、評価を行います。
 7.評価方法

省エネルギー基準やZEH水準をクリアするかどうかの評価の方法を解説します。

評価方法

 ①設計一次エネルギー消費量 ≦ 基準一次エネルギー消費量

 ②BEIを計算し、
   省エネルギー基準 BEI≦1.0(一次エネルギー消費量 等級4)
   ZEH水準     BEI≦0.8(一次エネルギー消費量 等級6)

であることを確かめます。

前述の結果の評価は・・・



で、省エネルギー基準はクリアできていますがZEH水準はクリアできていません。
それもそのはずです。一回目は「標準の設備機器」を選んでいたためです。

今度は、設備機器を高効率のものに選び直して再計算します。





今度は、省エネルギー基準もZEH水準もクリアできました。

このように、設備機器の効率を選びながら基準をクリアできるかどうかを入力し、評価を繰り返すことで、基準をクリアする方法を探っていく作業となります。


詳細計算ルートを使うことで、「省エネルギー基準」や「ZEH水準」をクリアしているかどうかを確かめる事ができます。
次回は、「仕様基準ガイドブック」を用いて、「省エネルギー基準編」や「誘導基準編」の仕様内容を確かめてこうと思います。


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