本日も、晴れ。午前中は少々雨が降りましたが、このところ予報は当たるようで、来週はじめからの晴れの予報を期待して、蓮潟T邸の建て方スケジュールを組みました。
今日の土台敷き後、明日から3日間で建て方の予定だったのですが、どうも明日からの予報はあまり良くないようです。
ここは予報を信じて。来週に変更。あまり材料も濡らしたくない。
仕事は山のようにありますから、中で出来る仕事に振り分けて、晴れ間を待つ。
関東、関西方面がうらやましく思える季節です。
日本海側以外は殆ど晴れているのですから・・・・
関東方面では、乾燥するこれからが建て方にいい時期なのでしょうか?
さて、知人の紹介で小国町の古民家を購入したお客さんの建物を再生しようというプロジェクトが進んでいます。
明治・大正時代に建てられたこの建物は、まさしく伝統構法で建てられ、材料も地元の物を使っているようです。茅葺屋根の平屋建てで中越地震で被災したままの状態で柱が傾いているため、かなり安い値段で(土地付き)購入されたようです。
とりあえず住める状態にしようということで、ライフラインの整備を行います。
また、建物の各所でのジャッキ揚げ作業を行い、内装はお客さんが自分でやりたいとのこと・・
解体費も業者を入れるともったいないので、自力で解体しています。
「できるだけ、小屋裏を見せたい」
ということで、天井を落とす作業を仲間といっしょに行っている最中です。
白い簡易作業衣と防塵マスクをつけてバールやカケヤを振り回す様は、「ダースベイダー」を思わせる異様ぶりだったとか・・
構造的に重要な部分は「壊すな」というアドバイスをしたので、その場所は手をつけないようです。
茅葺屋根は、昔からある民家の造りで、平屋の部屋部分の構造は田の字型がベースとなります。中心に大黒柱を建て、それを囲むように5寸角の柱を配置。柱の中間を「差し鴨居(さしがもい)で固定し(殆どが大断面の再利用材)、その頭を梁で止めます。この梁は根曲がり丸太が多いです。
おそらく、山で切ってきた材料をそのまま使っているのでしょう。
複雑に曲がった丸太を巧みに組み合わせた当時の大工の技術も相当だったようです。
その上に、直に伸びた丸太を拝み型(合掌)組み合わせて荒縄で縛った屋根を形成し、これに茅を葺いていきます。
防虫、防腐のために内部で囲炉裏を焚いて燻していました。
煤(すす)や埃がこびりついて真っ黒くなります。
昔は天井を貼る習慣がなかったため、上を見上げれば小屋組みが見えたのですが、「蚕(かいこ)」を飼うために天井を張ったようです。(この家は蚕は飼っていなかったようです)
雪国では冬季の農閑期の内職として養蚕や荒縄づくりによって収入を得ていました。
昔の生活や大工の息遣いが聞こえてきそうな感じもします。
解体作業が終わったら、今度は大工の出番。
何処まで地震の傷跡を直せるか・・腕の見せ所です。
つづく・・
古民家再生へ・・
もくじへ・・