深沢にて伐採した丸太を、村松のマルユー材木へ運搬しました。
材積は100石に及ぶとのことです。
葉枯らし乾燥したので水分が飛び、丸太も軽くなっています。
葉枯らし乾燥は時間はかかりますが、強度低下の防止、運搬の負担軽減などの利点があります。また、丸太の表面近くから水分が抜けるので、虫の入りも少ないようです。
カミキリムシは春に成虫となり、木の腐った部分に卵を産みます。
木を伐採すると、表皮が死に、腐敗が進んで亜硝酸の匂いをばらまきます。その匂いをかぎつけて、卵を産みます。
立ち木のまま痛んだ木も卵を産み付けやすい場所です。
虫も生きるのにせいっぱいです。
幹に入った卵はやがて孵化し、幼虫は幹の表面近くの白い部分を食べて生長します。その中の数匹がさなぎになり成虫となります。数十匹いるうちのたった一匹です。
さなぎのまま冬を越し、春に成虫となって新たな腐った木や枯れた木、伐採した木を求めて旅立ちます。
はじめは、カミキリムシが穴を開け、そこに黒蟻やクワガタ、カブトなどの甲虫類の幼虫が入り、分解が進んでいき、最後は土に戻ります。
材木を長持ちさせるには、この自然のサイクルに逆らったことをします。
カミキリムシが生活できないように、水分を抜いてやります。
乾燥した材木、丸太には卵を産み付けません、幼虫も水分がなければ成育できません。
昔ながらの「寒切り」は木が休んで水を吸い上げない時期に伐採することで、虫の成長をくいとめます。
ただし、卵を産み付ける春までの間に割ってふもとに出さなければなりません。
冬はちょうど農閑期だったので、木を出すには十分な手間もありました。
夏のお盆すぎの頃にも一時期、木が休む期間があります。
マルユー材木ではこの時期に葉を付けたまま伐採し、秋の間乾燥させて、冬前に山から出す方法をとっているそうです。
今回の木は、樹齢80年級の寒切り+葉枯らし乾燥の材料なので、構造材としても強い材料として使えることでしょう。
来年の春から、この地で新築の材料として用いるまで、じっくりと乾燥をさせます。