べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

安田瓦 上げ

2009-05-29 19:33:17 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)


本日の最高気温は予報では22℃と昨日よりも低い予想だったのですが、10時頃から上昇しだし、27℃を超える真夏日となりました。
空の様子も群青に夏雲が広がり、夕方近くには、夕立っぽくなる感じで、ほとんど「夏」です。
屋根の上の瓦屋さんも、この炎天下に苦闘していました。

まだ5月なのですが、陽は夏至に近いわけですから、「初夏」というのもうなずけます。
海でも「キス」がシーズンを迎えているという便りもあり、やはり少し早い傾向にあるようです。



下葺き材には「チャンピオン・シート」を使用


高分子材のシートに無数の突起があり、瓦桟を打っても、その間に隙間が出来、水が入っても溜まらない構造になっています。
瓦屋さんが、「今回は、これを使いたい」ということで、採用しています。




棟の部分には、アスファルト・ルーフィングを2重に敷いてます


棟瓦は、強風雨や積雪によって意外と雨が漏ってくる場所です。
スーパーシートだけでは不安なので、瓦屋さんにルーフィングを敷いてもらいました。ここに棟瓦を止めるための鉄筋を固定する金具を取り付けるため、少しでも釘を打っても大丈夫なようにしておかなければなしません。
この現場より、他の現場でもこうした方法を採用していくと思います。

どんどん、進化するのが私の現場。



これから瓦を上げていこうというところ・・


1階の耐力壁がほぼ出来上がり、瓦を載せても大丈夫になってきたところで、瓦屋さんを召還。うずうずしていたようで、連絡の次の日に飛んできました。
安田瓦を使うと、震災対応で最大85万円の補助金があるので、重宝しています。
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ユニットバス入れました

2009-05-28 11:39:24 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)


日中は気温が27度まで上がるそうで、昨日は急に夕立が降ったりで、大気が安定しない状態が続いています。
それでも、上棟以来、比較的良い天候に恵まれている宮本町M邸です。
外部も、ボード貼りは殆ど終わり、瓦屋さんがようやく本屋を葺きはじめることができました。(早く入りたくて、うずうずしていたらしい。耐力壁が不完全なうちは重くしたくないので待ってもらったのでした・・・)

ユニットバス搬入が昨日終了。
最近は職人さんが一人で入ってこなすようになってきました。(今までは殆ど2人とかだったのですが)
ユニット屋さんもコスト削減を余儀なくされているのだろうか?
(しっかり設置費用は前と同じですから・・)

そして、今回のユニットバスは、TOTOで最後の「バスピアKA」を強引に入れてもらいました。
この6月から生産終了となるモデルなのですが、価格、品質共に安定したユニットバスで、特にカウンターの形状が浴槽と段差が無いので、バリアフリー浴室として薦めていたのですが、これで終わりというのも残念な話です。

今後は「SAZANA」シリーズに受け継がれますが、このモデルの引き戸に少し抵抗があります。
引き戸レールの水仕舞で溝からユニット側へ水を抜く穴が一箇所しか空いていないのです。
今までの形状は3ヶ所穴が開いていたのですが、「スプリノ」や「SAZANA」ではデザインを重視するあまり、1ヶ所で対応しています。スッキリしてはいますが、扉にシャワーで水をかけるとなかなか水が掃けない。最悪、洗面脱衣室側に水があふれてしまいます。

これは、昨年のユニットバスのリフォームにて発覚したのですが、最新式の「ぬめりま栓」で洗浄液を噴射したのが、扉にかかり(扉にかかることで意味があるらしい)その水が溜まって、部屋側へあふれ出てしまったことがありました。

通常、建具の引く場所は洗濯機が置いてあるのでわかりずらいし、新築物件では試運転もしないので、このような現象は滅多にお目にかかれないのかも知れません。
工事中で、木屑がレールに入っていたのもありますが、長時間の使用ではゴミが溜まることも考えられます。

そして、レールに1ヶ所しか穴が空いていないことが判明し、メーカーに何度も問い合わせたのですが改善はしてくれず、建材屋さんと話し合って、レールにもう2ヶ所穴を開けてもらい、対応しました。
それからは、スムーズに水が抜けているようですが、お客さんには

「ぬめりま栓」を使うときは、くれぐれも注意して使ってください。

・・と、説明しています。新製品って、どこか見落としはあります。
今後、そういった事例が多発すれば、メーカーも対応せざるを得ないのでしょうが、KAシリーズが廃盤になった以上、SAZANAシリーズでは引き戸(1、2枚引き)にすす場合は、施工時に2ヶ所穴を開けてもらうか(メーカーには黙って・・ばれると保証してくれなくなります)、3本引きの引き戸にするかの対応をしていかなければなりません。

ユニットバスの引き戸だけでも、これだけこだわる要素があります。
常に、観察をし、どうすればいいのか考えながら行動、施工をすることを怠らない。それが大工や設計の醍醐味です。






ユニットバスを設置する前に、サッシ廻り、壁廻りを断熱、防水シート施工をしておく必要があります。



断熱材と防水シートで覆われたユニットバスの設置場所


右側の壁にも断熱材を入れていますが、これは「音」を吸収するためです。
今回は、省エネルギー等級「4」を目指しているため、壁にはグラスウール16kg品100㎜を入れ、天井は、普通のグラスウール(10kg品100㎜)を二重に入れています。

ユニットバスだけでも「魔法瓶浴槽」みたいになっていますが、保温パック無しでもこれだけ断熱材を入れれば暖かい浴室となるでしょう。

我が社では通常のリフォームの場合でも、このように断熱材で覆った工事を標準で行っています。
みなさん「暖かい」と好評です・・・が、今までのタイル浴室に比べれば暖かいはずですが・・(バリアフリーだしね)




窓廻りは防水シート施工を行いました


この、シートで密閉するのにも抵抗はあります。
なんだか蒸れる気がするのよね・・
どこからか逃げ場を設ける必要があると思います。
(外側ダイライトなので、自然に抜けると思いますが・・)

1階床の場合は、下地合板を張る前に防水シートを張ると、合板との間に湿気が溜まるような気がします。自然と蒸発してもらえればいいのですが、そこからカビが発生しないか心配なところもあります。
それは、リフォームとか、長期間使用しないと分らないところでもあります。

日本海側は、(太平洋側に比べ)湿気が多く、カラッとした日が少ない特徴があります。
最近では、温暖化の影響か、梅雨時期に暖かく湿った空気が入りこむようになってきています。
そういった気候風土に合った施工をしていかないと、思わぬ落とし穴が出てきます。
完全乾燥させた材料を持ってきても、大気中に水分があるので、含水率が18%まで戻ってしまう。(梅雨時期ならもっと上がると思います)
そういった状態で、密閉してしまうと、水分が壁や床に閉じ込められてしまう。

完全に密閉しないで、ある程度は通気によって乾燥を促す工夫も必要かも・・
構造用合板だけで、防水シートを張らなくてもいいという仕様もあるようなので、そちらを採用しようかな・・・
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長期優良住宅による補助金100万円

2009-05-26 13:46:28 | 長期優良住宅


からっとした快晴となりました。5月晴れとは、こういう日を指すのでしょう。
宮本町M邸では、建て方の終わった状態で込み栓等を打ち込む作業を行っています。


丸栓の穴を開けています


土台に差した丸栓。(柱の取り付け部分)


今回、唯一使用した引き寄せ金具

ホールダウンではないのですが、隅柱の下端部の強度を補うために、土台下から貫通したZボルトによって、柱を引き寄せる金物を使用しています。

「伝統構法」と言えど、確認申請を通すには、耐力壁の計算+N値計算による金物補強をします。なるべく耐力壁を分散し、柱にかかる引き抜き力を「長ホゾ差し込み栓打ち(ろ)納まり」以下に抑えることで、金物の使用を最小限にすることができますが、時々はこういった力のかかる柱も出てきます。

柱脚部分の金物補強で(ほ)の納まりは、こういった金物を使用する必要があります。
側面にプレートを打つ方法もありますが、全建連による超長期優良住宅に切り替えられるように、引き寄せ金物にしています。
今回は羽子板部分は、ビス止めになっていますが、超長期仕様では「Z金物」にする必要があります。
土台下からのZボルトはそのままにして、柱にボルトで固定できるZ金物に切り替えればオールZで対応が可能です。


「耐力壁+金物補強」の方法でない場合は、「限界耐力計算」による高度な構造計算を行わなければなりませんが、簡易的な方法ならば、現在の在来木造の考えと同じ方法で十分だと思います。
N値計算をすると、金物が必要ない場所も出てきますが、全ての箇所で丸栓を打つことにしています。また、仕口も伝統仕口ならば、耐久性も出てくると思います。
在来工法以上の施工をしなければ、「伝統構法」でつくっても意味がありません。




さて、全建連や工務店サポートセンターから耳寄りな話が出てきました。
今まで「超長期優良住宅」を建てた場合、200万円の補助金を使える制度がありましたが、今国会の予算成立により、6月から施行される「長期優良住宅」を建てた場合、「100万円」の補助金制度がはじまります。

「景気浮上を狙う予算(のばらまき)」によるものだと思われますが、超長期住宅よりも仕様は緩くなっているようです。(よって、今年度のみ・・超長期は5年間継続が決まっています)
「Z金物」「基礎コンクリート30N」「国産材仕様率の緩和」が主な変更点だそうで、全建連の「ちきゆう住宅」の仕様に基づいた上位モデルになると思われます。

これから家を建てる人にとっては、「住宅ローン減税」と合わせてお得な年になるのかもしれません。


詳しくはこちら


全建連型 超長期優良住宅はこちら




長期優良住宅へ・・・

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屋根葺き工事

2009-05-25 13:44:51 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)

5月に入って、晴れ間が続くと思いきや、最近は曇がちで涼しい日が続き、少し肌寒いくらいです。
雲の様子から見ると、入梅したような雲の時もあります。

それでも、梅雨前線ではなく、移動性の低気圧に伴う寒冷前線なので、本格的な入梅とまではいかないようです。

最近は6月初旬が入梅となっていましたが、今年はどうなるか・・

宮本町M邸では外部工事が進み、外部ダイライトが概ね入った状態です。
(それだけ観ると、「ダイライト工法の家」と勘違いされそうですが・・)
屋根も下屋は葺き終わり、雨が降っても大丈夫となっています。


外部から見ると、ダイライト工法の家?



下葺材(アスファルト・ルーフィング#940)を葺き終わった状態

「ちきゆう住宅」の場合、

左右の重ねは20㎝以上。
上下の重ねは10㎝以上。
壁との取り合いは25㎝以上立ち上げ。
軒先の鉄板見切りに防水テープを張ります。


西側の下屋はカラー鉄板AT式葺き。
横葺きの場合は3/10以上としています。(下屋)
横葺10m以上の鉄板を多人数で上げました。
中間で継ぐと雨漏りの原因になります。



複雑な屋根は雨漏りのもと・・
極力単純な形状にしていますが、隅木で折り返してくるので、板金屋さんも大変。

十分に施工をして、完全なところで保証機構の検査員を召還します。
外壁貼りはそれからとなります。




屋根工事も、全国で雨漏りの事故が多発しているようで、保険機構からも、「これでもか」というくらいの仕様が要求されています。

また、基礎についても同様で、ベタ基礎については必要以上の鉄筋量を要求しています。
瑕疵保証による「事故」のベスト2が「雨漏り」「不等沈下」で、掛かる費用もダントツ1・2位だからです。

ただし、これで「雨漏り」に100%事故時に出してくれるかと言うと、「強風・大雨」の場合は免責となっています。
基礎・躯体に関しても「震災時」は免責です。
一番、瑕疵が出てくる時が免責というのもおかしな話で、これに入らないといけない制度になってしまっているのも「おかしな話」です。
でも、法律で決まったものは仕方なく、10月1日以降の引渡し物件には、必ず保険か供託をしないと「違法」になってしまい、工務店は今後家を建てられなくなってしまう・・

「10年の瑕疵担保保険」に入っているから、保証機構から保険が出るから大丈夫。といって簡単に家を売っている業者が横行し、保証機構の仕様に沿って施工すれば保険が利く。と思っていたら大間違いの制度。
審査員だって、それほどきびしく指導をしないと聞いています。

他で変な施工をされて、事故が多発したら、負担金も増えてしまう。

これも、姉歯事件、フューザー事件による影響で、消費者保護が大原則になっているからです。
正直に家を造ってきた我々にとっては、ただの負担が増えただけで、結局は、下手な施工屋の尻拭いをしているだけで、倒産して巨額の退職金を手にしていった詐欺師の負担をしているのと同じこと・・

はじめっから、プロとして物が作れないなら、仕事を取るなと言いたいのですが、この業界、「売ったもの勝ち」で如何に会社の印象を良く宣伝し、仕事を取り巻くって下職に一銭でも安く作らせるかが勝負になっているのも、否めない。
瑕疵には保険で対応できる。

住宅って、いったい誰のものなんだろう?
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屋根 フェルト貼り終了

2009-05-21 20:29:26 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)


本日は気温が上昇すると共に湿度も上昇。蒸し暑い日となりました。
まるで梅雨入りしたような感じです。

宮本町M邸の外部塞ぎも進み、屋根にフェルトを貼る段階と成りました。
明日辺りから雨になると予想していたので、屋根さえかけてしまえば、こちらのものです。
現在は1階の耐力壁の施工を主体として行い、耐震性の整った状態で本屋の瓦を上げる段取りをしています。
この間、震度4の地震が上越、十日町を襲いましたが、まだまだ中越地震の余波が続いているのか忘れた頃に地震が起きるので、用心に越したことはありません。
頭でっかちの耐力不足で重い屋根になり、地震が来れば被害も出てきます。

一昨年前の深沢町W邸では、瓦を上げ、外周部のみ耐力壁を施工したところで「中越沖地震」が襲いました。深沢は震度4以上。まだ2階の床や内部の壁が出来ない状態なので、まだ不安定な要素がありましたが、木組みの構造が良かったのか、被害は無く、栓やクサビに日々一つ入っていなかったのを思い出します。

昔の人は、
「組みあがってから地震が来れば、より木が締まって良い。」
と言っていましたが、壁の不安定な時期に地震が来るのはあまりいい気はしません。
(そういえば、最近の木組み住宅で殆どが引き渡し前に1回は地震に遭ってるな・・これは、いいことなのだろうか?)



正面の雄姿。「木組み」です。


この間、休憩していたら、近所のおじいさん(?)がやってきて来て、建築中の木組みを長い時間眺めていきました。
「梁が大きい。こんな家がいい」
ということでしたが、見る人は見てますね。
「雪国だから、梁が大きいのは当たり前です」
と答えておきましたが、何かと注目されるのは嬉しい限りです。




今回採用した火打梁


今回は、住宅瑕疵保障制度の保険を適用するために、現在の建築基準法に最低限は従わなければ成らず、「火打梁」を設けています。
「渡りあご」で折置構造の場合は小屋に「中引(なかびき)」を入れるので、これで水平剛性は取れるのですが、どうしても「火打梁」を入れないと基準法違反になってしまい、保険が利かないので、これだけは守らなければならない・・

火打梁は斜めに入れる部材ですが、このウィークポイントは横架材との接合部分で、強い揺れを受ければ、この部分で折れてしまう危険がある。
それゆえ、なるべく欠損を少なくして「形だけ」の火打ちにしています。



それでも、金物で固定するのは嫌なので、丸栓により固定しています。

何故金物を入れないことにこだわるのか・・

それは中越地震で被災した住宅の外装を剥いだとき、小屋の火打ちボルトや羽子板ボルトが緩んでいたことも理由の一つです。
新築時に金物を締めて引き渡しても、木がやせることで、金物が緩んでしまう・・
ちゃんと固定しておかなければ構造として不安定となる在来木造にとって、これはウィークポイントで、後に締め直す行為をしなければ維持できない。

あと、木と金物は馴染まず、金物が結露を起してしまい、錆びたりカビが発生したりしてしまう。
木と木ならば、馴染んでくれるし、結露も起さない。

そして、何よりも、山の木を活かす醍醐味としての木組みの味が出ることです。
栓や込み栓ならば、露出していても「飾り」にすることができます。
金物はどうしても、埋めて隠すか、色を塗るとかしなければならず、不自然になってしまう。


屋根のフェルト(ルーフィング)施工が終了し、いよいよ、この建物も構造が見せられる段階となりました。
今回は、大々的な見学会は予定していませんが、ご連絡くださればご案内する形をとりたいと思います。

「毎日が見学会」

そんな現場を目指しています。
(とはいえ、大工は作業していて対応できませんが・・)
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シロアリ出始めました・・・

2009-05-20 10:54:42 | リフォーム奮闘記


本日も快晴。5月の天気は心地良い。
外部工事が進みます。

そして、5月はシロアリが出る季節でもあります。
正式には、シロアリの「羽蟻」が外部に巣立つことで、その家にシロアリが「居た」ことがはじめてわかります。

市街地のお宅から羽蟻が出たと連絡があり、畳を剥してみたら、畳の下はカビだらけになっていて、蟻が入った状態でした。
畳の下地の板にも「蟻道」が走り、穴が開いて床下から進入している形跡があります。



畳の下は蟻の道が走っています


こうなると、床を剥して、床下を見なければなりません。
街中の建物は床が低く、土の上に直に土台が置いてあるのも珍しくありません。
庭の土が盛ってあり、床下の地盤より高くなっていると、降った雨が床下に流れ込んで水が溜まる状態になります。
さらに、通気が悪いと、空気もよどみ、カビが発生します。
木が腐ってくると、その匂いに引かれてシロアリが進入してくる。

羽蟻が飛んで来ると土中深くに巣をつくり、その巣を拠点に15メートルくらいの行動半径で腐った木を食べていきます。
自然界では、腐った木を土に戻すのに当たり前の現象なのですが、これが住宅ともなると、せっかく建てた家が食い荒らされるのですからたまったものではない。

一度、巣が出来てしまうと、そこから隣の家へと行動を広げていきます。
被害にあった家が薬品を撒いて防除しても、お隣さんへ移動していくだけで、巣はそこにある。
最近の防蟻材は環境にも人間にもやさしくなっているので、昔のように長期間は効果が無く、5年くらいで再度撒かないと効き目が持続できません。

餌を撒いて、巣に持ち帰らせ、巣ごと撃退する方法もありますが、これも1年更新で何年かかって巣を撃退できるか分らないところもあります。

どちらにせよ、このお宅では畳を剥いで、床下を露出させ、どのような状態か見極めてから対策をする必要があります。
外壁、屋根、廻りの土の高さを考慮し、雨水が床下にしない方策を考え、通気をよくする対策をしてから、床を貼らなければならない。
根本的な原因を調べてからでないと、また、同じことになってしまいます。
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丸栓 ~三条の町工場にて・・

2009-05-19 10:00:17 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)

世の中では新型インフルエンザが流行の兆しを見せ始め、海外渡航が懸念されたり、旅行のキャンセルが相次いだりと、ただでさえ不況というところで観光業界に大きな痛手がまわってきている。
流行り出したのがGW明けの1週間後というのも、潜伏期間が丁度合っていて、やっぱり、GWの海外旅行は控えたほうが良かったのではないでしょうかね~。
でも、たまの連休は羽を伸ばしたいか~。

まさか、連休中、家に閉じこもっているわけにもいかず、良い天気が続いて行楽日和だったのも日本でインフルエンザが流行る要因のような気がします。

牛、鳥、豚ときて、家畜による病気の蔓延が出てきているのも、何かの警鐘なのかも知れません。
「にんじんから宇宙へ」の赤峰さん曰く、

細菌の繁殖は結果であって、もともと「病原菌」というのは存在しない。
細菌やウィルスは病気にかかっている細胞を退治するために発生するのであって、
もともと病気にかかっているのは人間や作物のほう・・

新型ウィルスが高校生に流行っているのもうなずける話で、化学物質に汚染された食品漬けで生活リズムも狂い、塾や部活でのストレスが溜まった状態の子供達に発症するのも社会の犠牲者のような気もします。

弱いものにしわ寄せが来る。

子供達が悪いわけでもなく、社会全体の問題と受け止め、改善していく方向に舵を取って欲しいものです。
ウィルスは遠く離れた細胞に新たな遺伝子を運ぶ生命存続のための手段と思えば、新型ウィルスの発生も何らかの意味があるように思えます。



高気圧が西側から張り出し、昨日の大風も嘘のような快晴です。
外部工事にはうってつけ。今週末には天気も下り坂となるようなので、それまでに屋根を塞いでおきたいところ・・

とはいいながら、建て方時にたまった細かい仕事もこなさねばならず、
市内で軒裏換気口を取り替えたり、ガラスのビート交換用の足場を組み上げたりと・・
なかなか思うようにいかないところです。


写真は、宮本町M邸での「丸栓」を打ち込んだ様子です。
今回は、この「丸栓」を作っている三条の「矢沢木工所」の紹介です。



鉄板貼りのこじんまりした外観です


中の工場の様子。いかにも「町工場」という感じ。
右側 社長さん


丸栓の製造機


実際に動かしてもらいました
角材を丸く削っていきます


出来上がった丸栓


ノミの柄も作っているとのこと


特注の場合は、手仕事になります


普段使っている丸栓やノミの柄がこういう町工場にて作られている・・
「わざわざ長岡から、これを買うために来たのかね」
と尋ねられ、コーヒーを一杯ご馳走になりながら、
現代の家作りや道具について語ったのでした。

今年の「全国・削ろう会」は三条にて開催とのこと。
(去年は与板にて開催されました)
金物の町・三条をアピールする場としてもらいたいところです。
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上棟式 無事終了

2009-05-18 16:25:46 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)


今朝まで吹いていた強風も昼には止み、午後から快晴となりました。
先週は、連休の晴れ間の続いた反動なのか曇や雨の日が多かったのですが、宮本町M邸の建て方も無事終了し、この日曜日に上棟式を行うことができました。


「上棟」とはすなわち、屋根の「棟」が上がった日であると同時に「家の誕生日」でもあります。
この世に生を受ける日を祝う。
「工事の安全」を願うと同時に、この家が後世に渡って、ここに住む人を守ってほしい・・
そんな願いをこめる日でもあります。

色々な場所で育った木が組み合わさり、一つの場所に建つという事は、天文学的な確立でもあります。
木だって、まだ山や野原に立っていたい所を切り倒され、それまでの命を終わらせています。
そういった材料をムダにしたくないところでもある。
木材1本の「命」をつなぎ、一つの「家」を形造る。

「家」というパーソナリティ(個)みたいなものを考えると、住む人も家も土地も、お互いに求め合って一緒になる・・そんな感じさえ浮かんできます。

そして、人間も同じですが、「産みの苦しみ」があります。(楽しみでもありますが・・)
墨付け、加工に始まり、この上棟が終わるまで気が抜けない時期となります。
職人を使っての作業中は気が張っているのですが、家に帰ると、たちまち倒れこむように寝てしまう・・そんな日が続きます。

全力で家を建てる・・・命を懸けて家を建てる。

前に、ある設計士の人から、
「命を削っている」
と言われたことがあります。

当の本人は、丈夫な家を造る目的に向かって仕事をしているだけなのですが、
端から見ると、そう思われているのかも知れません。

とういえば、山形の剣持さんも、東郷小学校を建てるときに
「人間ではない形相をしていた」
と言われたそうです。

命をかけて、建物を造る・・
それは、その人にとって一大事業なのでしょう。
(お客さんにとってもそうなのですが・・)
私一人の寿命なんてあと何十年ももてばいいのでしょうが、家は100年でも200年でももつ・・そういった家になれば幸いだと思っております。
(そう書くと、またお客さんに命を粗末にするなと言われそうですが・・フツーの工法ならばラクなんだろうね~、でも険しい道を歩みたいところでもある。)


丈夫な家を建てる儀式でもあるのですが、この間、他の現場やお客さんへの対応が行き届かなくなってしまう時期でもあります。
お客さんには、大変ご迷惑をおかけしております。




菖蒲咲きほこる中の建て方の様子。
左は既存の建物で、右が新しい建物です。
まず、増築部分が完成してから、ここに引越しをして、
その後に既存部分を解体して玄関を作ります。



新しい部分の全景
本屋はほぼ出来ました。下屋が出来上がると、全体の形がわかると思います。
「美しい」建物になってます。




通し柱に差さる横架材の打ち出しホゾ
両側から突き出していますが、これを入れるのが至難の業でした。
(入ってしまうと、わかりませんが・・)
ホゾに鼻栓を打って固定しています



正面下から見た様子
出来上がると、大きな建物になっていた・・・
屋根の出を3尺にしているため、大屋根が大きくなってしまう。
ここに安田瓦を葺いていきますが、下の階の耐力壁を固めてからです。



夕日を背にした雄姿。
実に美しいものよ・・・
正面の和室部分は残して、最終的に玄関でつなげる感じになります。

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建て方 2階部分

2009-05-13 21:01:31 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)


朝方まで前線通過に伴うまとまった雨が降りましたが、日中は晴れました。
昨晩は十日町、安塚で震度4の地震があり、多数の被害が出た模様です。
長岡市では震度2だったので、現場の影響もありませんでした。

本日は、昨日残った1階部分の材料を入れ、浮かせておいた通し柱を下げて基礎に固定。屋起し(垂直を直す作業)をしてから2階屋根部分を組み上げはじめました。



屋根の荷重を分散するために受け梁を入れますが、これも両方柱に差す形状です。
なかなか入らないように見えますが・・・


何とか入れて、その上の梁を渡します。


小屋の梁の高さは36cmです。(大きく見える?雪国ではこれが当たり前。)


2階部分は1階に比べて楽な作業です。
1階部分は通し柱に受けや梁を差しながらの作業なので、なかなか思うように進まないのですが、2階部分はそういう箇所が無く、スムーズに進みます。
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宮本町M邸 建て方開始

2009-05-12 19:36:56 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)


昨日から土台を敷き始め、本日はいよいよ建て方の開始です。
伝統構法ゆえに、木を組みながら作業をしていくので、思うようには進まないのですが、組みあがると筋違い無しでも自立する構造になります。



お清めしてから建て始めます


今回の見所は居間に立つ2本の丸柱です


通し柱は5寸で今回は8本


通し柱に4方から差さる桁や柱は「小根柄シャチ栓止め」とします。


本日は1階部分を建てて終了。


本日の夜から明日の朝にかけて前線が通過し、雨が降っています。
明日はどうなるか・・・(久しぶりに雨具か?)

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豊栄 いぬかい医院

2009-05-11 20:20:08 | 山の木の話(越後杉)
3月に「越後にいきる家をつうる会」主催による新潟市豊栄「いぬかい医院」の見学を行いました。
設計は当会の会長である村尾教授。
実施設計は「さくら設計」。施工は「皆建」によるタッグを組んでの大作です。

構造は木造トラスによる診療室や待合室の大空間を実現。
施工主でもある医院長さんの
「木をふんだんに使って、患者さんに癒しの空間にて少しでも気をやわらげて欲しい」
という要望を見事に表現しました。




待合室の天井は、トラス組から差す光で明るく照らし出されます


医院長の奥さんの手製のステンドグラスがはめ込まれています


ベンチの模様も面白い


オール杉の受付カウンター


床は「うづくり」の杉板を使用。ぬくもりのある床板です。


医療関係というと、鉄骨造やコンクリート造で、無機質な四角の空間というのがあたりまえの時代ですが、木のぬくもりのある建物で、木の表情を見せたような建物で治療をしてみたいものです。


山の木の話へ・・
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湯沢 根曲がり材

2009-05-09 13:09:41 | 山の木の話(越後杉)

連休中に湯沢へ遊びに行きました。
トレッキングコースを歩いている時の写真です。
雪の影響で、「根曲がり」の杉が多く見受けられました。



根曲がり杉の林


これだけの斜面だと、手入れの作業や伐採作業も難しいでしょう。
冬は雪も深そう・・




斜面に沿って生えた木は途中で真上に伸びるため、根曲がりになります。


このあたりは、豪雪地帯で、冬場は積雪が3m以上になります。
その雪が上からのしかかるために、根元から折れないように自ら幹の外側を補強していくので、こういった形になります。
通常、根曲がり部分は、伐採のときに切り捨てられます。
上の真っ直ぐな部分しか売り物にならず、曲がった部分を積むとトラックにいくらも積載できないために、山に切り捨てられてしまうのです。

実は、この部分が木で一番強い部分でもあります。
昔の大工は、こういった根曲がり材を使って、屋根を支える梁にしていました。
「あて」と言われて、狂いやすい部分でもありますが、それを逆に利用して、屋根の荷重を支える方向に使ってやれば、強いものできあがります。

「適材適所」で、どんなものも無駄にしない・・
経済的でもあり、環境負荷も少ない方法です。
そういった、知恵と工夫を学んでいくのも楽しいものです。




このコースは苗場スキー場から二居(ふたえ)までのトレッキングコースです。
まだ、新緑には早い時期でしたが、森林の清々しい空気は味わえました。
写真右側は根曲がり杉の林が広がり、左側は天然林が広がります。


山道を挟んで、天然林と人工林の境界がみごとに出ていますが、こんな標高の高く雪深い所でも植林が行われていたのにも驚かされます。

戦後、
「何が何でも杉」
ということで、役所や森林組合が率先して杉を植えたわけですが、30年以上経っても間伐が行き届かない林が目立ち、育っても細い木となっていて、更に曲がっている、節もあり、色も悪い。急斜面なので出すのに手間がかかり、値段も高くなるとあっては、輸入材や他県の質のよく安い材料に押されるのも無理はありません。

県産杉の流通も滞り、材木屋さんも見向きもしない、地元の大工も狂うのでは嫌がる・・・

それでは、どんどん地元の林業は衰退するわけで、山が荒れ、果ては乱開発が進み、水源としての山林も維持できなくなってしまいます。
蛇口をひねれば水が出るのが当たり前に思っていますが、我々が口にする水は、元をたどれば上流の森林の恩恵なのです。

中国では砂漠化が進み、黄河さえも枯れる状態が続いています。
農地には水が行き届かず、塩害が出てくる始末。ただでさえ食糧難な地域に追い討ちをかけるように農作物の採れない田畑が広がってしまう。
(中国はアメリカから農産物を輸入するまでになっています)

大陸に比べて、島国という特性はあるものの、酸性雨や地下水の汚染が深刻になっている日本にとって、地元の山を守ることは、水資源や食料の源を確保することにつながります。

その、林業を活性化するためにも、地元の木を使うことは、我々大工の使命だと思っています。

昔から、日本の家は地元の木で、ゆっくりと自然のサイクルに沿って建てられてきた・・伝統構法は金物も無い時代に、木を組み合わせることで地震や災害に強い家に経験を積んで、発展してきた日本の伝統文化でもあります。
そういった、地元に根付いた職人達の造る衣食住文化が廃れて、グローバルスタンダードが進んで合理化や儲けに走ってしまっている・・
そのツケは、国土の荒廃と、社会の荒廃・病気として、我々に降りかかってきています。

遠くの国はきらびやかに見えて良さそうに思えますが、足元である近所の何でもない、でも地元に根付いているものの価値を発掘し、日本を再発見するのも楽しいと思うのですが・・どうでしょうか?

そんなことを思いながら、湯沢の山、晴れ晴れした山道を歩いていたのでした。


山の木の話へ・・
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木炭とマイナスイオンによる健康住宅造り

2009-05-07 19:56:37 | CO2を25%削減
もう10年以上も前のメモなので、常識と思ってはいるのですが、「木炭」という言葉は初めてという方やこれから「炭」に関して知識を深めたいという方への情報として提供します。



~菅原明子講演会を受講して~


木炭がマイナスイオンを発生させるメカニズム


木炭は遠赤外線(6.27波長)を発生する特性を持っていて、 これが水分子に当たると細かいマイナスイオンの粒と大きいプラスイオンの 分子に分けられ、この細かいマイナスイオン分子が飛散して様々な効能を 生じます。「多孔質な木炭に吸収」されるのではなく、「木炭の発する赤外線」 により、マイナスイオンが作られるので半永久的に効果が得られるのです。
室内側の壁に「炭シート」等を貼って適度な湿度があれば常にマイナスイオンを 作ることができます。
 
マイナスイオンの効果
 
抗酸化物質である
マイナスイオンはそのものが抗酸化物質で、皮膚や呼吸により、体内に吸収されると 活性酸素を中和する働きがあり、病気を予防することができます。
睡眠中にマイナスイオンを浴びれば脳や体の酸化を還元し良く眠れて、疲れもとれて スッキリと目覚めることが出来、快適な生活がおくれます。
 
汚れを固定化する
マイナスイオンは小さい粒でマイナスに帯電しているのでプラスに帯電した汚れの 粒子を取り囲むことで流れやすくなり、廻りの環境に悪影響が出なくなります。
浄水に利用すれば、水道の中の悪性の物質を固定化して、体内に入っても スムーズに排泄できます。
また、室内に「炭シート」などの形で貼っておけば、室内環境の汚染物質である ホルムアルデヒド等も除去できます。



 
消臭効果
マイナスイオンには臭いの物質の振動を中和する働きがあるので、空気中に 臭いの粒子が存在していても人間が感知しにくくなり、臭いが消えた様になります。
木炭の多孔質の穴に臭い成分が吸着されるだけではなく木炭が発する赤外線によって マイナスイオンが発生し、それが作用することで消臭効果が得られるわけです。
 
有用な微生物を繁殖させ、有害な虫や細菌を抑える
全ての生物はマイナスイオンを好む人間に有用な生物群(甦生型)とプラスイオンを 好む有害な生物群(崩壊型)、日和見的な生物群(優勢な方に加わる)に分けられ、 マイナスイオンの多い環境では人間に有用な生物が良く育ち、有害な生物は繁殖 が抑えられます。
病院でMRSA(抗生物質の効かない細菌)に感染した患者にマイナスイオンを浴びせ たところ、症状が回復に向かったそうです。
縁の下に木炭を敷き詰めれば、マイナスイオンが充満して有害なシロアリやカビも 繁殖が抑えられ、家が長持ちします。
 
縄文人の炭による土地の浄化



縄文時代に書かれたという「カタカムナ文献」の解析によると地面に1mほどの穴を 掘り、そこに木炭を5~6俵ほど埋めると半径15mの範囲がイヤシロ地(浄化 された土地)になるとされ、この作業をすれば農作物は程良く育ち、その上で 暮らす人は健康になるそうです。
縄文人は木炭がマイナスイオンを発生させるということを直感的に知っていて、 これを土地の浄化に積極的に使っていたようです。
これを利用して、住宅を建てるときに家の中心に穴を掘り、埋炭をすることで健康な 土地に改善することが出来そうです。

 
菅原明子(すがわらあきこ)氏プロフィール


1976年、東京大学医学部疫学教室にて博士課程修了。保健学博士。
マハシリ国際大学社会心理学科客員教授。アジア・ヨーロッパ・アフリカ・アメリカなど、世界各国を訪問し、食生態学の調査研究を続けてきた。
1983年、エッソ女性科学者奨励賞受賞。1984年、「菅原食生態学研究所」を設立。
人間のための食環境づくりを西洋医学、東洋医学の両面から調査研究している。日本健康医学会評議委員、日本アーユルヴェーダー医学会顧問、(財)日本ファミリー協会理事、農林水産省「消費者の部屋運営懇談会」委員、環境保全型農業推進委員会委員、女性科学者健康会議代表。食育・健康教育の分野の第一人者として、執筆、TV、講演活動などに精力的な活動を繰り広げている。主な著書に「三大成人病を食べて治す」日東書院・「世界の食卓」法研・「油のとり方であなたの人生・寿命が決まる」「波動の食品学」高論出版社・「ダイエットカロリーチェックダイアリー」池田書店・「マイナスイオンの秘密」PHP研究所・「もう赤ちゃんは生まれない」第二海援隊、など多数。NHK番組審査委員。3児の母。

資料提供 (株)共進興業 (025)271-0088


炭焼き特集はこちらへ・・・
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加工中・・・

2009-05-05 23:38:53 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)

5月の連休前に刻みを終え、連休明けに土台敷きを・・というところでしたが、やはりあと3日は必要かというところ・・
7日より残りの加工を終えれば11日から土台敷きか・・お客さんへの説明どおりの日程となりそうです。(もう少し早くできれば、気分も楽なのですが・・)今回も少し難産。

写真は、受け材の加工風景です。
このような窓上の受け材や差鴨居(さしがもい)が何箇所もあります。屋根が瓦なので余計、強度を持たせたいという配慮です。(普通はここまでやらないのだろうけれど)
金物を使う方法ならば、「短ホゾ差し」で「羽子板ボルト」または「平短冊金物」で固定すれば済むところですが、「長ホゾ差し」にして「鼻栓打ち」にしてあります。
よって、建て方にも時間がかかります。
でも耐久性や耐震性を思うとこちらのほうが、ずっと丈夫になる。
ただそれだけのこと・・・・





丸太の中引(なかびき)の加工も最終段階です。


小屋の梁間方向と直角に入れて、妻から反対側の妻まで突き抜ける1本の丸太を「中引」といい、最近の建物では導入しない部材です。小屋組は「梁」のみで構成されるのが殆どで、「頭つなぎ」(4寸角とか?)で繋げばいいほうです。
小屋梁と直行させて、これらを「渡りあご」等で固定し、小屋組みの「こし」を付けます。
梁は言わば「あばら骨」にあたり、中引は「背骨」にあたります。
昔の建物では、3間間口の梁間で2~3本は入れました。(だから地震に強かった)
現在では「火打梁(ひうちばり)」を多用して小屋組の水平剛性を高めていますが、その火打梁の取り付け面が弱いと、応力が集中し、桁が折れてしまう懸念があるので、極力使いたくないのであります。
でも、検査がしやすいので、瑕疵保証制度の「保険」適用では、取り付けなければならず、やむなく今回は数箇所取り付けるのであります。

それも、金物固定ではなく、大栓、丸栓にて固定・・
よって、部屋側にはいっさい金物は見えません(ていうか、使わないんだけど・・)
下手に金物をダボとかで細工して隠さなくても、はじめから金物を使わなければ、そんな小細工をしなくてもいいじゃないかという・・合理性。(?)




新潟市・潟東にあるテクノランバー新潟




その傍らで刻みを待つ「昇り梁」
プレカットでは出来ないので、手加工になります。
・・にしてもデカイかな・・




通常の梁を落とす「蟻落とし(ありおとし)」


他の会社の現場へ行く材料もあったので、色々と見て回ったのですが、在来軸組み工法だと、こういった仕口で合理化をはかっているのがよくわかります。
「蟻落とし」は昔の巻物では一番強度が出ない継ぎ方で、プレハブ等の簡易的な建物に用いられるのですが、加工も取り付けも簡単なので高度経済成長時に普及した方法です。
桁に梁を落として「羽子板ボルト」で固定するのですが、ウィークポイントが梁の下の部分で、地震時に離れてしまう。特に、梁が大きいと、下は柱で受けることなり、梁下が開くのを止めるためには、柱に穴を開けてボルトを貫通する必要がありますが、そこまで考えている所はほとんどありません。
し、柱に穴を開ければ弱くなってしまう・・・
根本的に考え直す必要があるかと思いますが、「渡りあご」や「折置工法」「きょうろ工法」を採用するには、木構造を勉強し直さなければならないので、普通の工務店さんはプレカット屋さんの言いなりになるしかないのでしょう・・・
その場合でも、梁の取り付け部より少し内側に添え柱を取り付けて、体力的に持たせるとか・・そういった工夫の余地はあると思います。間取りや柱の入れ方でカバーされたし(そこまで考えんか・・フツーは・・)



柱や束等の竪物を加工する機械。
どんどん出てきます。




通し柱の土台の差さる部分(メス加工)


プレカットだと、こういった「丸」加工しか出来ません。
「丸ノコ」や「ノミ」が出て加工するのではなく、「ドリル」や「回転歯」が加工するため、こういった形状になります。
これでは、横架材を差せないので、「角」にする作業をします。




プレカット在中の大工が、わざわざ「ノミ」で加工する


こうやって、最後は「手加工」によって「丸」を「角」に仕上げていきます。



仕上げ終わった横架材の仕口
このように、前後、左右の取り付け位置に段差をつけることで、
欠損の分散をして、強度をなるべく損なわないようにしています。
「渡りあご」だから出来る方法です。


「プレカット工場」と言えど、大工も入って細かい作業をしなければならないのも、私の物件であるゆえの試練。他の物件では殆どないようです。(すまないね~)
強度が弱い地元杉材では、構造的に貧弱になってしまうという欠点を補うための「長ホゾ」の採用なのですが、そのためには1工程も2工程も多くなってしまいます。また、材料もワンランクアップの断面にしないと強度が上がらないし、継ぎ手も長めで接続しないと弱い継ぎ手になってしまう。

普通の在来木軸の作り方だと、「弱い」建物になってしまうのに、そのまま地元杉材に切り替えている工務店が多いのも、困ったものです。金物だって、食込んで、空いて効かなくなってしまう。
大工がもっと、木を勉強してほしいところでもあります。

地元杉材を活用し、流通するには、こういった工夫をしていかないと、単に「粗悪で高い品」のレッテルを貼り続けることになります。
いつまでたっても、材木屋さんに敬遠される材料になってしまうし、他県の材料に圧されてしまう運命にある。

地元産材を活かすも殺すも、地元の大工次第ということを肝に命じて、覚悟して使ってほしい。
そのためにも、こういった技術を公開し続けるのであります。「こういった方法ならば、使いこなせるよ」という方向付けでもあります。



通し柱の先は「重ホゾ(じゅうほぞ)」
プレカットだって、やれば出来る!






他社へ行く通常の柱ホゾ(上)と我が社に納入する「長ホゾ」の柱(下)


通常のプレカットのホゾは黙っていれば最長6センチです。
土台の半分までしか入らないので、土台に重みがかかり、土台が圧縮されてめり込んでしまいます。
土台を貫通して、柱のホゾが基礎にトンと乗れば、そういった心配もなくなります。
「通しホゾ」を採用することで、土台のめり込みも耐震性も向上します。
「耐震性?」と思われるかも知れませんが、地震時、短ホゾだと応力が集中し、ホゾが土台を裂いてしまう現象が確認されました。V金物で補強したところが、釘によって逆に土台や柱、筋違いが裂けてしまう・・・

「長ホゾ」にすることで、応力が平均にかかり、抜ける確立も裂ける割合も低くなります。

こういった工夫も、「新潟県中越地震」の経験の賜物です。
でも、市内のプレカット屋さんでは「長ホゾ」ではなく「硬木」をホゾの足りない6センチ部分に入れればいいという工法を自信満々で採用していて薦めている様で・・
それでは、全く短ホゾと変わりが無い分けで・・いったい地震で何を学んだのか・・泣けてきます。

こういった、小さなことを一つ一つ解説していくと、きりがないのでありますが、繰り返し説明していかないと、他の会社と同じようなことをしているのだと勘違いされて、仕上げとか見た目とか営業の上手い下手だけで判断されているので、改めて解説しております。

「地元の山の木」を使うのは、とっても大変。
でも、その苦悩をクリアすれば、耐久性もあり、地震にも大雪にも強い建物になり、「癒しの空間」を実現することができます。
温暖化防止、地元の環境保全、循環経済の形成にも役立つことにもなる。

安心、安全、将来性・・目に見えないもの・・直ぐに分からないもの・・儲からないもの・・そういうものに命を掛ける。
そういう人が居たっていいじゃないか?

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