べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

カキシブ塗り 

2008-06-28 15:02:20 | 見附市 K邸(越後杉)


気温は25度。室内気温は28度までせまろうというところ・・
風が殆ど無く、蒸し暑い・・
明日から雨が降ってくるということですが、いよいよ梅雨本番というところでしょうか?
九州地方で集中豪雨とのニュースも入っていますが、がけ崩れ等の災害が気にかかります。


見附市K邸では、日中の換気を十分取りながら、梁や母屋、束にカキシブを塗る作業をしています。
朝、各種現場を見て、10時くらいに見附、カキシブを塗って、お昼に事務所、近辺の現場、それから夕方に行ってカキシブを塗り、7時くらいに帰ってくるという毎日・・

それでも、その他、色々な用事が出る。会議とか講習とか・・

カキシブは、天然の防腐剤、消毒、塗料、防水・・色々な用途に使える便利なものです。
作り方は、柿の実の青いうちにもぎ取り、つぶして汁と実を桶に入れて2~3年醗酵させます。
醗酵しているので凄い臭いがするのが難点。
カキシブを塗って、家に帰ると、家中から非難されます。

ある程度、乾いた材料に、防カビの用途でカキシブを塗ることにしましたが、
焼けると、適度に茶色に変色してきます。その渋さが良い。

ベンガラ+墨汁で濃い褐色に古民家風に仕上げるのも一つの手ですが、カキシブだけで、色を付けるのも乙です。
何しろ、天然素材ですから・・



カキシブを塗る刷毛は、次の日には硬くなってしまう。素手で塗っていると、手にツルツルの薄皮ができる。
石鹸で洗っても、なかなか落ちない・・

これが、カキシブのコーティング作用で、保護幕を形成します。
昨年、深沢町W邸で梁にカキシブを塗ったのですが、さわると少しカチカチになっている・・
杉の肌は柔らかいのですが、どちらかというと囲炉裏に燻された材木のような感じになります。
昔のカラカサ等に、防水の目的でカキシブを塗っていましたが、防水+固める用途に使ったのでしょう。

浪人がバイトでカキシブを塗っている映像が出ますが、さぞかし臭かったと思います。
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栗石三段仕込み ~45分耐火の喫茶店 

2008-06-27 20:03:48 | リフォーム奮闘記


梅雨に入って、まとまった雨が降らず、もう7月になろうとしています。
気温も低く、すごしやすい。

今年は太平洋高気圧の勢力が弱いのか??

それとも、後半に大雨か?
九州、四国地方では、豪雨による影響が出ているようですが・・
東北を直撃したら、震災でやられている所にダブルパンチです。
震災ダムの対策がひと段落してからの雨になってほしいところです。


大手通りの丸専跡地に、小さな喫茶店をつくっています。
例のごとく、栗石を敷き詰めているのですが、今回は、地下を埋め立てた後ということで、栗石を3段。高さにしておよそ80センチくらいの栗石地業を行っています。

バックフォウで地盤を1m以上掘削後、栗石を敷き詰め、機械で締め固める・・
これを3回繰り返して、ようやく地業が終わり。

砕石を敷き詰めただけでは、地震時に流れてしまうので、石を地面に突き刺すように並べます。

中越地震前の栃尾方面で、こうした免震構造の地業をした学者の基礎を見たことがあります。
石と石の層によって、横揺れに逆らうことなく、動く工法。
なるべく、地震の揺れを、上屋に伝えない工夫です。
この上に、ダブル配筋のベタ基礎となります。


こうした、自由な工法ができるのも、あと1年。
地盤保証機構で引き受けるくれるところもないでしょう。
一律に地盤改良や杭基礎になってしまうでしょう。それでも10年しか保証してくれませんが・・
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床下換気口 シャッター閉め作業 ~深沢W邸

2008-06-26 20:39:13 | 長岡市深沢町 山の木


入梅しているのですが、曇ベースで日中の気温も上がらず、過ごしやすい日が続いています。このまま、梅雨明けしてくれればいいのですが、本番は7月半ばといったところでしょう。

去年、竣工した深沢町W邸へ挨拶に行った際、基礎換気口のシャッターを閉めてもらいました。
まだ、暖かく湿った空気が大量に入り込む天気ではないのですが、外気の湿度は上がっているので、今のうちにシャッターを閉める・・

春のうちに基礎内部はカラカラに乾いていると思いますが、これから梅雨本番ともなれば、次々と湿気が入ってきてしまう。

ベタ基礎のウィークポイントです。

床下の温度は外気よりも低いため、梅雨時期の暖かい湿った空気が入り込むと、飽和状態となり、基礎内にどんどん湿気が溜まる。
基礎断熱をしていても、床下の温度が外気よりも低い限り、同じ現象が起こると思われます。

床下に溜まった湿気は、基礎コンクリートに水滴をもたらし、更に床断熱や床下地にまで水滴がつく・・
木部にカビが発生し、やがてシロアリがやってくる。
シロアリはカビの匂いに敏感です。

床下に防蟻処理を施しても、最近の防蟻剤は昔よりも弱くなっているので(人間にやさしくなっている)5年も経つとその効果が薄まります。
また、土台等に注入してあっても、芯までは届かず、内部を食い荒らされる場合もある。


我が社の家の対策としては、梅雨時期に換気口のシャッターを閉めて、外気が入り込まないようにすることにしています。
冬も同様に閉める。春と夏、秋に乾いた風を入れてやる・・

快適な家の住まい方と同じです。
春や秋は窓を開け、新鮮な自然の風を取り入れる・・

シャッター付の床下換気口は、こんな利点があったのです。

「土台パッキン」を使いたくない理由がここにあります。
土台パッキンは、基礎の開口部を設けなくても換気ができ、基礎の強度も上がります。左官屋さんも、換気口を取り付けなくてもいいし、建てる施工も楽で一石二鳥の工法なのですが、通気の遮断ができない。
梅雨と冬の時期に外部のパッキン部分を全て塞ぐのも大変です。


最近は、暖かく湿った空気が大量に日本に入り込み、集中豪雨を降らせる傾向が強いようです。
「ゲリラ豪雨」なんて現象も出てきました。

「温暖化」が進む中、今までの常識が通用しない事態が、家づくり、住まい方にも影響をおよぼしつつあります。
如何に工夫をして乗り切るか、対策ができるか・・
自然との知恵比べが永遠に続きます。
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見附市K邸 換気

2008-06-24 20:46:20 | 見附市 K邸(越後杉)


気温25度、湿度80%。
いよいよ梅雨到来。
いやな季節である。

せっかく乾燥した材料に水分が戻る。
日中の気温が高く、夜間が低くなると、室内の湿度は100%に達し、水分が戻ってしまうのだ。
含水率の上がった表面部分によって、内部に溜まった水分が引き寄せられて、渋が出てきたり、カビが発生したりする。

春建てて、秋に引き渡す、いわゆる春ブシンの場合は、要注意なのである。
天然乾燥材で、大きな部材を使用すると、内部まで乾燥していないので、どうしても水分が戻ってしまう。


昨年は、5月から雨っぽく、8月まで梅雨が長く、気温も高い日が続いたため、その傾向が強かった。
深沢町W邸では、一度カビてしまい、8月の真夏に乾燥させ、カキシブを塗ったりしてカビを取った。


大工が工事をしている限り、窓を開けたりするので、通気の心配は無いが、問題は、現場に入っていない場合である。
今年は、6月がカラっと晴れた日が多くかったので、昨年ほどまではいかないにしても、扇風機を3台用意して、カビの発生を食い止めている。

見附市K邸の場合は、朝、現場へ行って、窓を全開にし、扇風機で風を送り、空気が淀まないように心がける。
そして、夕方に行って、窓を閉める・・
天然乾燥の場合は、管理が難しい。

人が住まない家が傷むのは、こうした換気がこまめにできないからである。
人が動いているだけでも、風が起きる。

こんなことをしているのは、ウチの会社だけなのだろうか?
春、上棟して夏に引き渡す物件の場合は、水分の戻っている今が壁を塞いでいる時期だと思いますが、大丈夫なのだろうか?
ひょっとして、気づいてもいなかったりして・・


人工乾燥の場合は、芯まで乾燥している場合は、水分が戻る心配は少ないようだ。
でも、乾燥にばらつきがあるので、内部に水分が残っている場合もある。
また、梁等の大断面の材料は、乾燥しづらい。
細かく割って、乾燥させ、集成にすれば大断面でも乾燥材が可能だろう。
でも、のりは何時までもつかわかりません。

こうした現象は、ここ最近、顕著になっているように思われます。
暖かい湿った空気が大量に流れ込んでくる傾向が強く、それが長時間、しかも集中的に続きます。
「温暖化」
と言ってしまえば、それまでですが・・
天然乾燥も時期的に考え直さなければならないし、自然のサイクルで家を建てる場合も、乾燥、塞ぎの時期を考え直さなければならかいかも・・
例えば、10月くらいに建てて、冬の間、じわりと乾燥させ、夏に向けて造作するとか・・
天然乾燥だと、夏場に伐採して、秋に乾燥させるとか・・
梅雨の時期を極力、避ける方法を取らなければならないかも知れません。

自然を相手にしていれば、わかることです。
農家や漁業関係者も、「気候が変だ」って大声で訴えてほしい。
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200年住宅の講習 ~東京へ・・

2008-06-19 21:08:40 | 日々雑感


昨日まで乾いた日が続きましたが、今日は曇ベースの時々雨・・
入梅も近いのでしょうか?(明日はまた、晴れるらしい)

丸専デパート跡地に建築する予定の店舗(平屋)の確認が難航しております。
防火地域内なので準耐火建築物(45分耐火)にしなければなりません。
またダイライトや強化石膏ボードのオンパレードとなります。
こちらは、予算の都合で地元杉の率は非常に少なくなります。(柱くらいか?)
しかも、金物だらけとなります。
普通の工務店ならば、そこは気にしないのでしょうが、地元杉にこだわっている私にとっては無念の限り・・
(まあ、どのみち木の現しになるところは全く無いのですが・・)


全国建築組合連合(全建連)の長期優良住宅(200年住宅)の仕様がまとまってきたようで、その説明会に参加しました。
説明会は東京・箱崎にて行われました。


写真は新幹線の道中にて撮ったものです。
場所は本庄あたりで、トウモロコシ畑が延々と続いていた様子(観ずらいですが・・)
熊谷あたりでは水田。稲が育成中・・

首都圏といっても、少し離れれば、田園地帯が広がります。
アメリカやブラジル等で、それまで飼料用に栽培されたトウモロコシ畑からバイオ燃料の原料用の作物に農地転換したため家畜用の餌が不足。
トウモロコシの値段が上がるばかりでなく、輸入量も減少。
そのために、国内の鶏卵や牛乳の蓄農場が経営難に陥っています。

輸入品は、国産材よりも「高い」という印象でしたが、輸入品が高くなれば、逆転してくるはず・・

国内の農家にとっては、またとないチャンス?
トウモロコシに目を付けたのでしょうか?首都圏ならば輸送コストもかからないし、高く買ってくれれば農家も育成する甲斐があります。
食料自給率39%という実情を打開するいい機会だと思います。


原油高騰による輸送費の値上げや中国向けの輸送が増え、日本に送られてくる品が不足する事態となっています。
(コンテナが中国やドバイに押さえられ、日本に向けたコンテナが手配できないとのこと・・)

木材も同様で、輸入材が徐々に値を上げてきています。
アメリカのサブプライムローン問題により、住宅着工戸数が激減したため、アメリカ国内の木材需要が減り、木材は値を下げているとのこと、ただし原油高騰や輸送手配の困難化から、輸送コストは上がり、米松関連は値が変わらないか、徐々に上がったくらい・・
アメリカ景気が持ち直して住宅着工戸数が上がれば、木材も値が上がり、今度は日本の国産材よりも高くなる現象が起こるでしょう。
中国、ロシアの需要が上がればなおさらのことです。

食料、木材、等の輸入品が上がる一方で、国産はどうかというと、卸値は下げ止まり。
組合を通すと、どうしても値を上げられない状態が続いているようです。
引き取り価格が上がらない限り、生産しても赤字が続くようでは経営が破綻してしまう。

いか釣り漁でも、燃料の高騰により、船を出して漁をする度に赤字で、休業に追いやられている状態が続いているとのこと・・

消費者が高く買ってくれれば、いいのですが、給料も上がらず、税金は上がる一方で、余裕はない。やはり輸入に頼るのか?
でも、安全性とかどうなのだろう?
食の安全と安定を考えれば、少し高くても国産を・・という思考になるのだろうか?流通面の改善を願います。


日本の国土と生活を支えている一次産業が衰退するかどうかの瀬戸際で、何とか流通しそうな農産物にシフトしていく強かさが見受けられます。
どの業界も今がふんばりどころ・・

そんな思いを胸に、新幹線の車窓から広大な農村地帯を眺めていたのでした。



で、200年住宅。

私の伝統構法は「伝統構法」の中でも、最低レベルのランクに当たる。
技術もそんなにあるわけでもない。
最低限の木組みによって、耐震性、耐雪性を確保する。
在来木造の刻みをやっていた大工さんならば、そのコツがわかれば直ぐに移行できるはずだ。

そして、3年前の新潟県中越地震の際に、その真価が発揮された。
間違いなく、これでいけると確信した。

金物を使わない構造の目標は100年。
「地元に100年生きた木を100年活かす」
のそために、努力と改善を積み重ねている。


200年住宅構想は、その年月を更に伸ばす工夫が要ると思う。
伝統構法でも200年もたせるには努力が必要だろうし、ましてや在来軸組工法では金物を使うわけだから、更に努力と工夫が要るはずである。

全建連の提案している構造材は、土台が4.5寸(13.5センチ、通常は4寸)の桧、1階、通し柱は4.5寸(13.5cm)の杉。いずれも国産で、100%使用。
下地材や仕上げ材にも国産材100%という目標をかかげた。

「国産材」というのは賛成だ。

全国の大工さんのレベルに合わせるために金物を使用。まあ、これは仕方ないことだ。

でも、200年もたせるには、金物の使い方に工夫が要るはず・・
何年か後、若しくは地震後に緩んだ金物を締める必要がある。
それが容易に出来る工夫が必要だと思う。
外壁を解体せずに、ボルトを締める方法を考えればいい。
ボルトを外側から内側へ通して、内側で締める方法。
羽子板ボルトではなく、「引き寄せ金物」に変える方法。

横架材の外側に、霧除けを設けて、軒裏を解体する(防水面は壊さない)方法等・・色々と工夫が必要だ。




基礎に関しても、コンクリートの寿命は50年。
地盤改良、杭地業に関しても、地盤保証会社の保障期間は10年。
10年以降の不等沈下に関しては誰も保障しない。
しかも、地震等の天災に関しては免責(支払われない)である。

200年の間に、大地震は2回くらい、中規模地震は5回くらいはあるであろう・・
不等沈下は避けては通れないと思う。
それゆえ、土台を上げて、床を平らに直せる工夫も必要だと思う。

新潟県中越地震の復興の際に、下がった土台をジャッキ揚げするのに、基礎と土台の間に隙間があると、とても便利だった。換気口にジャッキの爪を入れ、土台を容易に持ち上げることが出来る。
現在よく施工される、土台パッキン工法や○穴通気だと、基礎は丈夫になるが、将来的なジャッキ揚げに関しては、一部削って爪を入れるしかない。


国産材を使う。

とてもいい響きだが、それを使いこなす技術も必要。
全く使ったことが無い人が、輸入材の変わりに導入すればクレームだらけの住宅となる。
工務店側も注意が必要だが、住まい手も「国産材の特性」を十分知っておく必要がある。
(割れ、狂いがある、弱い、色が悪い等・・)


将来的な、メンテナンスや改修、模様替えのしやすさも考慮すべき・・
隠蔽部分(※隠蔽工作ではない)を後世に伝えておくために、無数の写真を残しておく。そのデータも分散。お客と工務店、保証会社に分散しておけば、どこかで滅失、紛失してもカバーできる。

200年先の生活リズムに対応できる「間取り」「デザイン」は設計士の腕の見せ所か・・・

そういった、重要なところが、意外と抜けていたりする。
現行の優良住宅が少しレベルアップした程度に考えているようだが、
「200年後に住んでいる人」
のことを考えると、もっときちんとしておく必要がある。

100年の更に上を行く工夫・・

どんどん提案していく必要がありそうだ。

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宮城・岩手内陸地震

2008-06-16 00:46:34 | 日々雑感
この土曜日の朝8時半頃、岩手県南部を震源とする、M7.2、深さ8キロという、新潟県中越地震以上の地震が発生しました。

中山間地ということもあり、林道や山での崖崩れや橋の崩壊という被害が出ています。
宮城県栗原市では温泉宿に土石流が押し寄せ、7人以上の人が生き埋めになるという大惨事です。
まるで、小千谷の妙見での崖崩落に巻き込まれた母子の車の救出劇を見ているようです。
一刻も早い救出作業を望みます。

写真は、中越地震時の長岡市中沢町の1階が崩壊した建物ですが、こんな感じに温泉宿の1階部分が潰れていた映像が流れています。


被災地では、停電によりTV等は見れない状態だと思います。
ラジオが情報の主力となり、地元ラジオ局のふんばり所となります。
知りたい情報が正確に伝わってほしい。

例えば、全体に、地震がどんな状況だったのか、通行できる道路は?避難場所は何処か、生存者の情報は?配給は何処へ行けばいいか、怪我をした場合は・・

新潟の2大地震の時は、食料、水の配給は2日目くらいから余る位に集中した。中越沖地震では、夏場ということもあり、洗濯、お風呂が一番の問題だった。
ライフラインのガスの復旧が3週間くらいかかり、その間シャワーや入浴がままならない状況が続いた。(近隣の銭湯や温泉を開放してもらったそうです)

住宅の応急修理はその後、冬がまだ遠いので、そんなに急ぐ必要は無いでしょうが、瓦屋根の破損被害が大きいでしょうから、ブルーシートでとりあえず屋根を覆う作業が必要となります。
過疎化が進んでいる場合は、人手不足が懸念されます。ボランティアとか・・ではダメか、危険すぎるので近隣の大工や屋根屋さんの出番でしょう。

そうやって、地元の大工が必死に命を張って応急修理しても、改築工事はハウスメーカーになるとういう非人道的な現実も目の当たりとするでしょう。人間不信になる大工さんも出ると思います。
若い人たちよ、よ~く考えて行動してね。次に地震があったら、助けてもらえないよ!!


震源の浅い、直下型地震では、第一波に強い突き上げの衝撃が来ます。
中越地震のときもそうでしたが、天井まで飛び上がるほどの衝撃です。
今回は、バスの中でも同じことが起きていたようですが、
TVの解説で、何故かそれは否定される。

「横揺れがきてから強い縦揺れがあり、中の人は無重力状態のようになることも考えられる・・」

とか・・
大体の、地震研究をしている人は実際に地震に遭っていない。
実大実験での体験はあるのだろうけれど・・・

そもそも、地震は、プレートテクトニクス。地球を覆うプレートのぶつかり合い(時には地下からの新しいプレート形成時)によって起こる。
プレートが他のプレートに潜り込んで、その摩擦に耐えられなくなって跳ね返る。
そのとき、大きな衝撃が地表に走る。

想像してもらいたい。

鉄板が1枚あり、その上に砂や粉を置き、その下からハンマーで想いっきり叩く。
そのとき、粉や砂は宙にたたき上げられる。
これが地震の第一波の突き上げによる衝撃。
横揺れや縦揺れはその後にくる鉄板が鳴り響く振動と思えばいい。

下からの突き上げによって、まず、弱いところに亀裂が入る。
例えば、盛り土をした所と地山の間の縁が切れる。
マンホールの蓋部分と地下の部分。
建物では、瓦と下地、屋根と建物。基礎と杭。
弱いところが切り離され、その上が宙に押し上げられる。
重いものほど、エネルギーは大きくなる。

そして、その後の横揺れによって、縁切りされた部分が崩壊していく。
直下型の地震で起きた現象は全て、これで説明がつく。
「液状化」だけでマンホールが浮くなんてことは、まず無い。
地面から突き上げられた大根や墓石の説明がつかない。


この、「突き上げ」という現象は、一瞬なので震度計には出てこない。
おそらく、実物大の実験台でのプログラムでも再現は不可能だと思う。
下に巨大なハンマーを付けて、衝撃を与えるしかないだろう。


何故か、この「突き上げ」を研究者や学者に否定されるのだ。
それは実際に遭ってないから・・
そして、それが明るみに出れば、それに対する手段は皆無だから・・

現況の建築基準法では大地震の横揺れのみの強度設計にて対応している。
それでも、大規模地震の第一回目のみで、その後の余震に対しては保証しない。2回目が来るまで避難する必要がある。
何回もくる地震に対応する設計したら、コストがばかにならないし、計算の手段も確立していない。

だから、建物は軽いほうがいい、そして一体とし、連結する強度を増す。
応力が集中する金物や釘では、その一瞬の衝撃には絶えられない。「木組み」という、木の中に木を通して、建物全体で対応する方法が一番だと思う。
軽くて強度がある木だからこそ出来る業である。
(単位重量に対する強度はコンクリート、鉄を抜いて木が断トツ)
木造ならば、その後、補修も比較的楽だし・・

縄文時代から何度も地震を経験してきた日本の伝統建築にその答えはある。
だって、高層建築物で唯一200年以上もっているのは、「お城」だけなのだから・・

伝統構法の建物がどれだけの被害にあったのか、知りたいところです。
おそらく、壊れた建物のみを報告するでしょう。でも、残った建物もたくさんあるはずです。
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マルユー 

2008-06-14 01:55:01 | CO2を25%削減


乾燥した日が続きます。
6月半ばなのに、入梅した実感がない・・
昨年は、今頃、雨が続き、一度乾燥した材料に湿気が戻ってしまったくらいなのに・・
今年は、天然乾燥の当たり年なのかも・・

中島H邸は内部工事も中盤に入っています。

見附市K邸は乾燥中・・

山田町S邸の大規模改装工事も始まりだした・・
そして、その他もろもろの細かい仕事・・

写真は、五泉市(旧村松町)にあるマルユー。
製材機に丸太を送り込んで、これから挽くところであります。
前にいる専務さんと比べると丸太の大きさがよく分かります。

この製材所は、県産杉の天然乾燥を主流としている材木屋さんで、
広大な土場を持ち、天然乾燥の丸太が所狭しと並べられています。
中越地区の天然乾燥材の大半は、ここから流れていると言っても過言ではない。

殆どの材木屋さんは、在庫を持ちたがらないので、直ぐに出来あがる「人工乾燥」に走るか、天然乾燥材を横流しするかです。
昔は、何処の材木屋さんにも製材機があって、丸太を割っていたのに、最近は製材機すらない材木屋さんも多々あります。

問屋や商社から「外材が上がった」と言われればそのまま鵜呑みにして、直ぐに値上げをしてしまう・・
原油が上がり、輸送コストが上がったり、円安、品薄(中国に圧されて)等の諸条件がからみ、米松も上がっているとのこと・・
国産材の産地と言われる四国、九州産の材料が安いので、そちらの勢力も強い中、新潟県産杉の需要拡大がなかなか進まない。
大工が気嫌いしているのが一番の要因ですが・・・


8年前と何が変わったのだろうか。

そう・・あれから8年が経った。
「地球村」の環境講演会を聞いたのが2000年夏。
知り合いの人から誘われて、Sさん(乙吉S邸の施主さんです)と長岡リリックホールにて高木さんの講演に参加した。
内容は、温暖化、オゾン層破壊、森林破壊、環境ホルモン、食料問題・・
により人類の将来が危ないとのことでした。
地球が危機的状況にあり、人類の存続が危ぶまれる。
「美しい地球を子供たちに」
その願いを叶えるには、並大抵の努力では実現できない。

講演が終了し、会場を出たとき、そこは猛暑の真っ只中で、まさに地球温暖化深刻という感じだった。Sさんとの帰路、絶望に似た感じを強烈に味わったのを思い出す。

それから、県内のボランティア団体めぐりがはじまった。
「地球村」も顔を出したが、環境問題への積極的な取り組みはしていないようだった。
長岡市内では他に、「循環ネットワーク」「山野草の会」「エコファーム」。
三条の「良環」。そして、新潟の「山林ボラン広場」の尾形さんとの出会い。

家内から、「こんなのがある」と新聞の切抜きを渡されたのがきっかけだ。

「蛇口をひねって水が出るのは、川上の人たちの山の手入れのおかげ。
そしてその上流の山の木が外材に圧され流通せず、困っている。」

その恩恵に報いるための、下刈りボランティアや山を借りて広葉樹の植林をしている。町側から山へ行動を起こしている姿に感銘を覚えた。

丁度その頃、新潟大学にて中村昇助教授(当時)の「木ってどんな材料?」
という講座が開かれていた。
その中で、

木は育つ間に光合成により空気中の二酸化炭素を取り入れて酸素と自分の体を形成していく。
植林と伐採、利用を繰り返すことで、二酸化炭素を固定して半永久的にエネルギーを得ることが可能。

という言葉が、耳に残った。
地元の山の木を利用し、そこに植林をすることで、二酸化炭素の吸収ができる。
温暖化防止、循環経済、水環境の保全、循環社会の形成ができるのだ。



山林ボラン広場のイベントに参加をしているうちに色々な人たちとの出会いがあった。
三川村の中ノ沢渓谷森林公園の側道の草刈のボランティアで、公園管理の明石さんとも出会っている。
加茂ウッドシステムの乾燥施設の見学の折に番場さんの説明を聞いた。
そして天然乾燥の「マルユー」
国上山の行田さんの裏山での炭焼きも教わったのもこの時期。
山の木を使うことで、自然と共存してきた日本の伝統を守っている人たちがいた。


そして、私も、一歩を踏み出す決意をした。


地元の山の木を使う。

それは外材慣れをしている工務店にとっては高いハードルだった。
市内のN材木店の社長さんにその話をしたら・・

「それは無理だ」

と言われた覚えがある(その材木店も最近は長岡地域森林組合とのつながりが出来たようで・・結局地域材使ってるんじゃん)

色々な悪条件が考えられる中、地元の山の木を使うことを決心した。
温暖化防止への貢献。循環社会の形成のために・・

自社の物件に外材の使用を極力控え、県産材へのシフトが始まる。
手刻みの復活。

その頃、同じ考えを持った工務店や材木屋、団体の話が持ち上がる。

長岡市の公共建築物の木造、木質化を検討する「長岡木造振興研究会」。
長岡の森の木を使おうと志す「NPO法人グリニッシュ」。
そして、新潟に生きたの木を100年活かそうという「越後に生きる家をつくる会
県も「にいがた杉ブランド材」を企画し、県産材をアピールしようという動きを出す。(新潟大学の中村昇教授の監修)

人とのつながりの中から、立ち上がった各団体は、多大な成果を上げている。
気がつけば、その中心に居たのだった。(ナルシストか?)


あれから8年。


色々なことがあった。
伝統構法の取り入れ、7・13水害、新潟県中越地震。
乙吉町S邸が地震に会ったとき、伝統構法の耐震性を確信した。
周りは崖崩れ、道路が崩れ、家が傾く中で、ぽつんと整然と建っていたS邸は、今の林業を象徴するかのごとく、「がけっぷち。でもがんばっている」という姿だった。
いや、今の日本の伝統、文化そのものを代表しているのかも知れない。

大量生産、大量消費、儲け、偽装が横行する中、基本に忠実に自然のサイクルに沿った日本古来からの伝統は排除の一途である。
そして、世界情勢はめまぐるしく変わり、地球環境は最悪の事態となっている。
大型台風や竜巻の多発。温暖化、食料危機。

まさに「がけっぷち」

今の環境問題セミナーなんて聞くと絶望的になるかも知れませんが、
この8年の間に、県産材の流通経路は徐々に確立してきた。
その木を利用した建物も建築可能。
8年前は皆無の状態だった。それは決定的に変わった。いや、変えた。


たったひとつの「山の木を使いたい」という願いを抱いただけで、夢は叶う・・

絶望的な状況になっても、あきらめるのは、まだ早い。

何かひとつ決めて、やってみる。

そういった一人ひとりの行動が積み重なることで、環境問題も解決していくような気もするのですが・・・




この間、山林ボランの尾形さんから手紙が届きました。
「最近、進むべき方向が定まらず、迷っています」
とのこと・・
とは言え、新潟市に積極的に県産材使用を薦める姿が見受けられます。

皆、それぞれの道でがんばっている。

私も、いつの間にか県産材使用の目的は全うし、伝統構法を守る道へと前進しています。
地元の木を巧みに利用してきた伝統技術の継承。それが今の私の大きな課題で、その先端を担う人たちとの出会いがありました。
気がつくと、また中心になってるかも知れません。

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本町K邸の外観

2008-06-04 19:26:20 | 1時間耐火の増築~本町K邸


昨年の春から増築工事を行っていた、本町K邸が脇の塀工事が終了し全工程が完了しました。

この建物は、もともと前館、中館、後館と3つの鉄筋コンクリート建築物の集合だったのですが、前の5階の建物を解体し、その場所に、玄関と階段+トイレの20坪程度の木造部分を付け足し、中館の1階部分の水廻りを改装するというもの。

増築の木造は1時間耐火の準耐火構造物で、丁度昨年の法改正が重なり、確認申請が厳しい時期でした。それでも「木造」ということで、構造計算書までの審査がない分、助かった面もあります。
それでも、層間変形角150分の1(通常は120分の1)をクリアするのに、ダイライトや構造用合板だらけになっています。
また、1時間耐火のために梁に強化石膏ボードを貼ったり、2階床下や壁に12ミリ石膏ボードを2重貼りしたりしているので、思った以上に手間がかかりました。
(そのため中越沖地震ではびくともしませんでしたが・・)

夏の暑い時期に、コンクリート部分のサッシを入れ替え、屋上防水も行いました。
サッシはビル用よりも住宅用のほうが機密、断熱ともに性能が良く、一回り小さいサッシをはめ込んだほうが効率がよいこともわかりました。
前のサッシの枠内に木軸で下地を組んで、両面ダイライトを貼り、防火性能を抑えておいてから、住宅用サッシを取り付けます。
雨仕舞を考えて、住宅用サッシの直下に水切りを設置して流用しました。

秋には中間の1階の水廻りを改装しました。
コンクリートの建物は夏暑く、冬寒いので、床、壁に木軸で下地を作り、その中に断熱材を入れています。
今までと比べ物にならないくらい省エネな部屋が出来上がっています。
風呂、脱衣、台所+居間の居住空間の殆どが納まって、暖かい空間に仕上がっています。


外構工事が冬場にまたがり、雪消えと共に、北面の塀工事を行いました。
塀は、既製品のアルミでは芸がないので、ヒバ材で竪格子にしてみました。
ヒバは水に強く、腐りづらい材料です。

これが、適度に焼けてくると、破風やパラペットのような褐色になり、色のバランスもとれます。

増築は、出来上がった全体のバランスを考えなければならないので、新築よりも面倒です。でも、その分、やりがいがあります。
風や光の採り方を工夫してやる必要がある。

市内でも、こんな増築してる所なんて、見当たらないでしょう。
(たいがいは、壊してしまうのだろうか?でも、新たに同じ面積の建物を作るなら、利用したほうが得策です。)

心残りは、木造部分が伝統木組みでできなかったことくらい・・
普通のプレカットに少し注文を出して、仕様をレベルアップしています。
私は、フツーの在来を手がけてもレベルは高い・・
それは常に強い建物を追い求め、工夫しているから・・

唯一、雁木部分の差し鴨居は伝統仕口でやってます。でもボードで巻いてあるので、技術が分るのはこれを解体したとき。

本屋も「せいがい屋根」を実現しています。1.5m程軒先を出してある。
建物から外に3尺(90センチ)梁を出して、軒桁を渡しタルキを2尺(60センチ)だして合計150センチ。
理由は全体のバランスを見て、このくらい屋根鼻を出さないと、かっこが悪いから・・
タルキは6センチ×9センチという、普通のタルキよりも2回り大きいサイズです。(フツーの家は4.5センチ×6センチか?雪が降るからね。)

一応、構造材、下地材共に90%以上は県産杉を使ってます。
(土台が米ヒバくらい。)
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一升もん

2008-06-03 20:57:23 | 悠久町M邸 木組みの震災復興住宅


悠久町M邸では、引越し荷物を片付ける作業が続いています。
春に、引越しをして、建物いっぱいだったダンボールがようやく片付いてきたようです。

一升瓶に和服等のリサイクル布で作った衣装を着せて飾ったりしていました。
「いっしょうもん」と言うそうで、酒瓶も、こうなると芸術品になる。
古民家風の建物に丁度似合っています。

冬場に床板に塗ったカキシブも焼け加減が丁度よく、
「わび、さび」をかもし出しています。

私の建物は構造がそのまま見せ場になるので、内装に凝らなくても、小物で十分雰囲気作りができる。
お客さんの工夫のしどころです。
建物を存分に楽しんでください。
愛着を持って頂ければ、作った甲斐があります。


片付いたら、色々な人を呼んでくるそうで、集いの場になればと思います。

   「震災復興住宅」

その名のとおり、地震を乗り越えて新たな生活の場となり、震災前よりも楽しく暮らせることを願っています。

越後杉と木組みに守られながら・・
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皮むき

2008-06-02 20:34:26 | 山の木の話(越後杉)


最近は、涼しい日が続きます。
九州、四国は入梅したとのこと。
いよいよ、雨の時期となってきた。

ガソリンも昨日から値上げして、1リットル170円となり、200円も、もう目の前まできています。
石油高騰と同時に、食料も値上がりしてきている。
木材はというと、まだ外材は値を上げないようで、国産材が主役になるのはもう少し時間がかかりそう。
でも、輸送コストが上がれば、いずれは値上げに踏み切ってくるでしょう。

「越後杉は地場の活性化が目的で、弱い材料だ」

と使いたがらない工務店も、何時まで続くか・・さすがに外材が値上げすれば国産材にシフトする・・

「弱いから・・」等と言っても、それしかなければ、何が何でも使わざるを得ない。
まあ、そうなれば県産材の流通も整い、山も整備されるのでしょうが・・
狂う材料を如何に使いこなすか、10年保障がある限り、安易に手が出せない品なので、抵抗もあるでしょう。




晴れ間を見て、次の物件用に杉の丸太の皮むきをしてみました。
根曲がりの杉丸太の右奥にむいた皮が山になっています。
実は、この皮の部分しか、木は生きていない。
丸太の大半は死んでいます。

死んだ細胞を、生きた表皮がとりまいているのが植物です。

だから、穴が空いたり、皮がむけると、そこが腐りやすく、虫も入って、立ち枯れにになってしまうのです。
そのため、皮の部分が、防腐性のある液体を出し、内部を保護します。
虫が入ったりした場合、ヤニを出して、防虫、保護をする。

その成分が、天然の防腐材となっています。
桧の成分のヒノキチオールや杉の「シブ」は、外敵から身を守るためにあります。

先日、見学会のプレゼントに、杉皮を小分けにして配っていました。
(施主さんが、訪れた人用に事前に自ら用意し、包装したのでした。50組も・・!お疲れさんです。)

杉皮に含まれる防腐成分が、流しのヌメリの主成分のばい菌を殺菌することでヌメリをとります。
普段、捨ててしまう杉皮にそんな効果があったとは・・


杉皮と、丸太の間には、薄い「シラタ」があり、これは柔らかく、水分が豊富です。「カミキリムシ」はここに卵を産みつけ、幼虫がこの中で成長していきます。柔らかいおいしい部分を食べながら・・

丸太は皮のついたまま放置すると、カミキリムシの幼虫の餌食になります。
皮をむき、乾燥させれば、卵からかえっても、死んでしまいます。

でも、皮をむくと、干割れが入ってしまう欠点があります。
日陰に干しながら、少しずつ乾燥させないと、干割れが生じるのでしょう・・
「磨き丸太風」に仕上がればいいのですが・・

材木屋産には「皮むき機」があり、刃がぐるぐる回る中を丸太を通すことで、簡単に皮がむけます。
でも、仕上がりは、ボサボサで見れたものではない。

きれいにむくには、「マサカリ」等で削ぎとっていかなければなりません。
まさに「根気」のいる作業です。
自分で仕上げた丸太は、愛着があり、「粗末に扱いたくない」原動力になります。

さて、この丸太がどの現場に使われるのか・・楽しみであります。


山の木の話へ・・
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