べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

雪庇(せっぴ)防止アングルの効果

2011-02-09 11:40:01 | 雪国の家づくり講座
雪庇防止アングルの紹介です
雪庇が出ない分、屋根鼻を痛めず雨樋の損傷も抑えられ安心です


2001年に竣工した長岡北地区H邸は当社の3×9パネル工法にて施工した住宅です。今年は雪の量が多く、前面道路が1台しか通れなくなり、駐車場も雪で埋まってしまい、車を駐車するスペースも無くなってしまった為、機械による除雪を行いました。

建物自体は、伝統構法に切り替える前の「在来工法+3×9パネル」工法だったので、積雪には十分耐える構造なのですが、道路から玄関までの通路が埋まってしまうという事態になってしまいました。



道路側から見たところ・・・
完全に雪に埋もれています


ユンボを導入して、除雪しました


圧雪なのでスコップでは歯が立たず重労働なのですが、
機械だとあっという間に除雪していきます。
4tトラック4台分の雪を捨てました。


ようやく駐車できるようになりました。



伝統構法に切り替える以前でも構造は強くしようというポリシーがあったので、屋根の雪に対して配慮をしていました。現在同様2mの積雪でも十分ですが、屋根鼻だけは雪庇対策の必要があります。

雪庇の重量が軒先や雨樋を痛めてしまうので、これを早めに落としてしまうか、雪庇自体を防止する対策が必要です。

H邸では、雪庇が出来ないように、「雪庇防止アングル」が設置してあります。



全景
雪庇が出ていません


雪庇防止アングル


雪庇防止アングルは、屋根鼻部分に取り付ける網状の金具です。
雪は、こういった網状の部分に付着せず、風によって溶けるという性質があり、それを利用した構造になっています。
ビルの屋上にある手摺部分の外側に雪が溜まらないのと同じ原理です。

こういったアングルを取り付けることで、雪庇を防止して、屋根鼻の痛みや雨樋の破損を抑えることが可能です。




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このブログを開いてから、家づくりや環境、食について様々な想いを書き綴ってまいりましたが、その情報量の膨大さに書いている本人も何処に何を話題にしていたか整理がつか...

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雪庇を落として安心の土合町K邸

2011-02-09 11:22:34 | 長岡市土合町K邸(越後杉)
円形出窓が印象的な土合町K邸ですが、
雪で覆われています。


先週の土曜日に市内の建物を点検して見て廻りました。
伝統構法の家は基本的に積雪2mまで大丈夫ですが、見た目よりも締まって重くなっているため、1.5mくらいになったら下ろす必要がありそうです。

また、軒先から伸びる「雪庇(せっぴ)」は、屋根鼻を傷め、特に雨樋に荷重がかかっては損する恐れがあります。

土合町K邸では、お客さんが自分で雪庇をつついて落としていたので、全体を下ろす必要がないと判断しました。
木製の先端にへら状になった「雪庇落とし」で落としていたそうです。
こういった工夫で大規模な雪下ろしをすることなく、安心して住んでいられるのも耐雪に優れた構造ならではでしょう。



道路側から見た所
かなり雪を載せています。1.2mくらいでしょうか・・
量は少なくても重量があるので、2mくらいの積雪量と同程度でしょう。


車庫に積もった雪
屋根鼻から出ていた雪庇を落としているので、
屋根が傷む恐れがありません。



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2m以上の積雪に耐える深沢W邸

2011-02-08 16:27:40 | 長岡市深沢町 山の木
2週間程、屋根の上で雪下ろしの日が続きました。ここへ来てようやく一段落と言ったところです。

今年の雪の特徴は、一時期に降り積もる雪ではなく、少し積もっては気温が下がって凍りつき、それが圧雪となって徐々に積もって見た目は少なくても、重量は1.5倍以上あります。おそらくトータルで2mは降っているでしょう。
また、屋根の軒先に溜まる雪庇(せっぴ)の成長が著しいのも今回の雪の特徴です。屋根の先端からスコップ1本分の長さ(90センチ以上)も飛び出している所もあり、これを下ろすのに時間がかかり、危険な作業となりました。

先々週の週末に冬型が強まり、積雪が一晩で30センチを超え、これ以上降ったら危ないということで、雪下ろしの依頼が殺到しました。
1日に平均2件、多くて3件の屋根の雪を下ろすことになりました。
我々に依頼の来る屋根は、難しい場所しか来ません。(簡単に下ろせる所は自分で下ろしていますから・・)

私も、連日の雪下ろしにて、右腕の神経がしびれるくらいになりました。腱鞘炎まではいかなくても手の血行が悪くなり、冷えてさめてしまうのです。



写真は、深沢W邸ですが、積雪が2mを軽く超えています。引渡しの時に、2mくらいは大丈夫と言っていたのですが、それ以上となると危険であろうということで、雪を下ろす事になりました。



雪庇(せっぴ)が屋根からせりださいています。
ここを昇ることから苦労がはじまります。



雪庇をようやくよじ登り、軒先の部分から雪を落としていきます。
人間の頭と同じくらいの高さまで雪が積もっていますが、
足元にはまだ50センチ以上の雪が積もっているので、
2m以上は雪が積もっています。


雪庇の下は屋根は無いので、下手をすると雪庇と一緒に落下する危険もあります。
和瓦の場合は特に雪が滑り易いので注意が必要です。足がかりを確かめながら雪を掘り進めなければなりません。



スノーダンプの置いてある部分が屋根の先端です。
そこよりも更に外側は雪庇です。
この雪庇を落とすのが大変危険で時間のかかる作業なのです。


屋根の中央部分は、「スベリ」を用いて雪を滑らせて落としていきます。


スノーダンプを使うと楽なのですが、雪の量はハンパではありません。


ようやく半分以上を落としました。


家の脇には雪の山が出来てしまいました。
これだけの量の雪が屋根に載っていたのです。


本屋の雪下ろし作業が終了しました。


深沢町W邸は「伝統構法」の住宅です。
中越沖地震の直前に上棟し、瓦を載せて耐力壁や2階の床が全く施工されていない面材の要素が不完全だった時に地震に合いました。この地域は長岡でも柏崎に近く、震度は6弱以上だったと思います。

  「木組み」の骨だけで、地震に耐えることを証明した建物です。

地震後に耐力壁や床も施工したので、更に強度を増しています。

小屋組みやタルキも雪国仕様なので、2mを超える積雪でも十分に耐えます。

   「越後杉は弱い」

と言われていますが、その弱い材料を巧みに組み合わせて地震にも大雪にも耐える建物に仕上がるのです。

  雪国住宅の技の結晶です。

雪国に伝わる家造りは地域に起こってきた災害を経験しているので、その技術をそのまま活かせば耐震・耐雪・耐久性に優れた家になります。

当社の造る家は、これが標準で、オプションではありません。
如何に強い建物を作り、長持ちさせるか・・それがお客様の家族の命と財産を守ることになるのです。


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