毎日暑い日が続く今年の夏。熱中症の予防に水分補給は欠かせません。本稿ではその「水」について感じることを綴ってみたいと思います。
この7月から8月にかけて、東京都水道局を含む首都圏の7水道事業体が「首都圏New!水道水キャンペーン」を実施しています。各水道局のHPによれば、今年は「水道水の『安全性』と『おいしさ』を伝えることで、みなさまに蛇口から手軽に水道水を飲んでいただくこと」を目的にしているとのこと。
国土交通省が毎年公表している「日本の水資源」によると、わが国の生活用水の使用量は1998年をピークに現在は緩やかな減少傾向にあります。一方で水道設備の老朽化が進み、それらに起因する減水などのトラブルや改修コストの増加などが各水道事業体の大きな課題のひとつとなっています。したがって今回のキャンペーンには、水道水の利用を少しでも促して、水道事業の収支改善につなげよう、という狙いもあるのだろう、と推測しています。
それでも、これだけミネラルウォーターが日常生活に浸透したなか、水道水は「安全です」どころか「おいしいです(!)」とまで言い切る首都圏の水道事業体の強気の(?)姿勢には個人的にはとても好感を持っています。それだけ水質と、浄水の技術や水道設備のメンテナンスを含めた事業品質に自信を持っていることのあらわれと思うからです。
それにしても、首都圏のような世界有数の人口密集地帯で水を蛇口から直接、しかもおいしくいただけるなんて、考えてみればスゴイことだし、とてもありがたいこと。そんな水道インフラを支える方々の日々の努力に(もちろん水を大切にしようとする市民や企業のさまざまな努力にも)敬意を表したいと思います。
水道品質の高さは首都圏に限りません。たとえば九州の熊本市。今年3月、同市は、優れた水資源の維持管理に取り組む都市等を表彰する国連の「生命の水」最優秀賞に輝きました。受賞テーマは「自然のシステムを利用した地下水保全」。約73万人の市民の水道水をすべて地下水で賄っていることや、地下水を涵養するために休耕田に河川水をためるなどの取り組みが高く評価されたものです。阿蘇の豊かな伏流水、そして人々の高い意識と創意工夫とが調和した、まさに「いのち」にやさしい水道事業だと思います。
国土交通省などのデータによると、水道水が直接飲める国は日本を含めて世界で10数カ国程度しかないそうです(諸説あるようです)。そのなかでも安全な水道水を飲むことができる人数の多さでわが国は群を抜きます。それだけ日本は清らかな水に恵まれた国、そして世界最高レベルの水道技術を有する国ということができるでしょう。そんな国に暮らせるわたしたちは幸せです。人間の身体の60~70%が水分であるわけですから・・・(もっともわが国ではゲリラ豪雨などの水害に十分な注意と対策が必要ですが)。
さて、水をめぐる環境について、何もかも日本の対極に位置する国がすぐ近くにあります。いうまでもなく中国です。
(続く)
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