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【アベノミクスで低迷必至?】個人消費は盛り上がらない③

2013-08-15 00:03:26 | 日本

(前回からの続き)

 とはいえ、いくら食費やエネルギー代がかさんでも、それを上回る収入の伸びがあれば、差し引きで贅沢品の購入とか教養や娯楽のために使えるお金が増え、生活レベルは向上することになります。

 しかし、本稿前段でご紹介した公務員のように、今年度の所得額が昨年度並みとなる人たちにとっては、上述のとおり、円安の影響で食料品やエネルギーを筆頭に生活コストが上昇傾向にあるため、実質の可処分所得は昨年度よりも減少する可能性が高くなりました・・・。

 仕事柄、公務員の皆さんはプライベートでも堅実な家計を営む方が多いことでしょう。資産運用のスタンスも預貯金中心の安全志向なのではないでしょうか。そのため「アベノミクス」(というよりは米FRBのQE)がもたらした株の資産効果の恩恵を受けている人もそれほど多くはないでしょう(公務員に限らず、一般的な日本人は皆、そんな感じでは?)。

 ということで、この先の厳しい家計運営が予想されるなか、わが国の全勤労者の7%を占める公務員、そしてその家族の「財布のひも」は今年から来年にかけて、一段と引き締まるものと推測されます。

 それでも公務員の皆さんは民間の勤労者と比べるとまだ恵まれているのかもしれません。なぜなら、最低でも昨年度と同じレベルの給与・ボーナスが保証されているからです。民間企業のなかには今年の給料支給額が昨年よりも減ったところも少なくないでしょう(もちろん、大手輸出企業とか証券会社などのように、今夏のボーナス支給額を大きく増やしたところも多数あるようですが・・・)。

 さらに公務員には法的な雇用保障があります。不透明な経済情勢のもと、大幅増は期待できないまでも安定した収入を得て、定年まで勤務できるのは大きな救いです。これに対し、民間会社に勤める人の雇用は先行き不安定になるばかり。安倍政権が進める「雇用制度改革」も「行き過ぎた雇用維持型から労働移動支援型への政策シフト」を謳っていることですし・・・。現状、賃金の低いわが国の非正規雇用(契約や派遣など)は全雇用数の1/3あまりですが、アベノミクスのもとでこの割合はさらに高まりそう・・・。このように将来の雇用保障が揺らぐなか、中長期的には民間の消費行動は(場合によっては公務員以上に)慎重なものにならざるを得ず、したがって個人消費主導によるデフレ脱却は難しい―――そう予測しています。

 足元の景気、とくに投資が弱いということで、安倍政権はここにきて法人税の減税を検討しているようです(以前から「財政再建が急務!」と言っていたことと矛盾しているような気が・・・)。はたしてそれは真に効果的な施策といえるのか? 多くの企業が潤沢なキャッシュを持っているなかで設備投資を手控えているのは、決して税金が高いからではなく、需要、つまり個人消費が弱いからではないでしょうか。

 というわけで、円安誘導による生活コスト引き上げに消費増税と、アベノミクスは堅実な家計の個人消費を大いに盛り下げてくれています。このままでは個人消費の低迷が企業業績にも悪影響を与えて唯一の頼みの株価まで停滞へ・・・そんな気配をいちばん身近に感じているのはほかならぬ公務員(財務官僚?)の皆さんだったりして!?などと思っています。

(「個人消費は盛り上がらない」おわり)

(本日8月15日は終戦記念日。戦没者のご冥福と、わが国の平和と繁栄を祈念したいと思います。)


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