Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

駝鳥が見ない現実

2012-04-22 11:28:00 | 時事
5月5日に北電泊原発が定検に入り、日本の原発稼働がゼロになることが確定的です。
この定着を恐れてか、関電大飯の再稼働を急いでいますが、さすが民主党というか、やり方がずさんすぎます。

本来地元や国民に何を説明すべきなのか、何が不安の種になっているのかを考えたらやるべきこと、方向性は自明なのですが、そこに触れずに「必要なんです」では通じないでしょう。
経産相の「ブレ」も批判されていますが、そもそも根底に反原発がある人物でしょう。経産相という職責を担わせるべき人材かという根本の問題があるわけで、ことあるごとに「地」を出して足を引っ張っています。

例の「電力が足りているうちは再稼働を認めない」にしても、「足りている」の定義は何なのか。
それこそ自転車のダイナモで「自家発電」をしても「足りている」と言えるわけで、ましてや足元の燃料費高騰の主因である非効率な旧式火発のフル稼働は十二分に戦力視しているわけで、それで「足りている」というのでは、産業界はいよいよ「身の振り方」を真剣に考えているでしょうし、一般家庭も冗談抜きで「空洞化」への対応を考えるべきでしょう。

余談ですが来年は最後の移民船が出てから40周年です。ほんの40年前まで日本が移民を出さないと食っていけなかったことは記憶にとどめるべきですし、その節目の年がエネルギー不足による産業空洞化による「移民再開」の年にならないことを祈りたいです。

電力各社のあの手この手で電力を確保する姿勢は本来もっと評価すべきですが、電力会社批判の大合唱の前には無力です。おまけにこうした努力すら否定したいのか、先日も四電橘湾で自主点検をしていなかったという朝日の「誤報」がありましたが、先送りできない法定点検はともかく、自主点検や保守のサイクルを最大限伸ばして「無理」をしているということが近い将来どういう悪影響を及ぼすのか。「足りている」の前提がこうした「無理」であることを無視して脱原発を唱えるメディアには、片道燃料での特攻隊を賛美した翼賛メディアのDNAはしっかり受け継がれているようです。

電力確保のために保全を最小限にしている、というのは製造業に従事する人間であればどれだけ危ういかが体感的にわかる話ですが、さらに問題なのはコスト転嫁すらできないということでしょう。
電力会社の高給体質は金融危機当時の金融業界と同じで襟を糺すべき部分ですが、それとコストの正当な転嫁は別次元です。

先日の朝日は経産省の基準を紹介していましたが、「何とかはしちゃダメ!!」と「分かりやすく」解説したつもりでしょうが、下世話というか下品なその表記を見ると、世情に疎い人たちを「誘導」しようとする見え透いたものを感じます。
こうした見え見えの誘導に、投書欄に溢れる反原発、電力会社ケシカランの声のオンパレードも誘導策でしょうが、既にリタイアして生産活動とは無縁で責任を持たない層の何とも無責任なこと。産業がどうなろうと年金をもらえるからこその浮世離れした意見ですが、こうした層に阿って電力料金の正当なコスト転嫁もしないのでは、主権者がこの問題に対する正確な判断が出来ない状態と言えるわけで、まさに負のスパイラルになっています。

上記の朝日の記事は、あまりに下品で顔をしかめたのですが、「何とかはしちゃダメ!!」というのが一般則であるのなら、朝日は自分の「商品」の価格にそうしたコストを転嫁していないと言えるのか。
広告宣伝費の原価算入はダメ、というのも、一般家庭ですらガス会社などライバルがいる状態というのを無視しているわけで、電車の中吊りその他に出稿して宣伝している朝日とどこが違うのか。

人件費を下げ、広告宣伝費の原価算入を止め、無駄な施設を売却すれば100円で売れるでしょう。それこそ薄給で有名な産経がそうしているんだし。
まず隗より始めよが出来ない会社が、偉そうに言うべき話ではないことだけは確かです。







尖閣購入に見る目的意識

2012-04-22 10:55:00 | 時事
石原都知事の尖閣購入発言に対して賛否が渦巻いていますが、「東京都」が「沖縄県石垣市」の土地を購入するという相当突拍子もない発想に対して、ことのほか多くの賛同があると言うのは考えさせられます。

1自治体が国政レベルの論点を掲げるのはおかしいという声もありますが、ならば大阪市長のこれまでの発言はどうなのか。関西2府4県4政令市の行く末を左右するような発言が平気でされていますが、大阪市(大阪府)以外の自治体に首を突っ込むやり方に対して、今回の都知事の構想は、その基本理念については日本国民であれば誰も傷つかず、当たり前に賛成できるという意味で非常にスマートである点が一枚上手であり、近年「老害」が目立つ知事ですが、まだまだ手腕や表現力の非凡さは失われていません。

おもしろいのはメディアや「識者」が総じて中国に阿るが如き反応を示していること。
そういう意味では自民党時代も含めて時の政権もまた無為無策を繰り返してきた責任があるわけで、都知事の「強硬姿勢」がようやく30年来の懸案を動かした格好です。

ちなみに都知事にとっても「政府」との30年来の因縁があるわけで、それを振り返ると時の政府の無為無策というか弱腰が浮き彫りになります。
そう、1978年の灯台建設と、2005年まで外務省が横やりを入れて海図への記載がなされなかったという事実。「国会議員」としての活動からの因縁ですが、当時の活動も右翼団体が絡んでいたこともあって、「右翼が余計なことをした」というメディアの「黙殺」が目立ちました。

今回もメディアのほうは一部ローカルメディアは未だに「石原ケシカラン」の合唱ですが、全国紙レベルになると理がどちらにあるか分かって来たようで、21日の朝日天声人語のように尖閣は固有の領土であり、周辺海域での資源が分かってきてから中国が領有権を主張するようになった、言うべきことを言うのが外交だ、とこれってどこの産経?という変化も見られます。

ただ、出だしの「中国アレルギー」的な反応は記憶すべきでしょうね。石垣市議会の採択にしても、「国が購入すべき(そのうえで石垣市に払い下げるべき)」と各メディアが伝えた部分の先に、「国が無為無策だった」という国の領土保全姿勢への批判を意識的にカットしていたのも、「日本の領土保全」というテーマがまずありきと言う部分が「中国様」のお怒りに触れるかもしれない、と自主規制していたわけですから。

こうした「正論」には反対しにくいのか、メディアや「識者」の類が搦め手から攻めるように「東京都が首を突っ込む問題じゃない」「都民の利益になるのか」と批判していますが、まず意図的な混同を狙うように「東京都尖閣諸島」となるが如き設定を吹き込むのは論外でしょう。

今回の「購入」は石垣市に東京都の所有地ができるということです。
別の自治体に所有地を持つというケースはそれこそいくらでもあるわけで、東京都も教育関係のセミナーハウスや水源地など各地に所有しており、それと同じ手続きで購入できますし、先例もあるわけです。

都民の利益、理由がない、という点も、理由はいくらでもあるでしょう。自然環境という意味では世界遺産の小笠原で狽チたノウハウで尖閣を都民の自然教育の場とするとでもいえますし、産業開発という意味では沖ノ鳥島のように水産資源確保の目的でもいいでしょう。都内の漁船が行かないという批判に対しては、東京という一大消費地は全国、全世界から買い漁っているのだから、都民の利益に容易につながると言えます。

時事問題を絡めれば、原油、天然ガスなどエネルギー資源が豊富と目されている尖閣を購入することで、資源権益を確保し、自前の発電所建設など東電に頼らないエネルギー政策を目指しているエネルギー政策に寄与する、ということもできます。

このように理由はいくらでもあるわけですし、都と都民のメリットにもなります。政府が中国に阿って上陸させないために設定した賃借権は年間2000万円、地価3億円程度ですが、これとて地価をきちんと鑑定すれば1億円程度という話もあるわけで、資源権益という意味では桁が2、3個違う話であり、安い買い物でしょう。

メディアや「識者」はいろいろ論って批判、反対していますが、反対のための反対の域を脱していません。
逆に都知事の側には根底に「正論」があるからこそ世論はそうした笛に踊りませんし、どうすればいいのか、という方向性を持って考えています。

都知事の帰国後の発言や「あの」天声人語を見れば、「本来あるべき姿」は明白であり、それが出来ないのであれば都が購入することについては、まず目的達成ありきで、何が障壁でどうすればいいのかを考えれば済む話です。
あれこれ論って出来ない、おかしいと言うのだけでは何事も前に進みません。こうした論点、問題点がある、と抽出することは重要ですが、「ではそうすれば」という次のステップを欠いては無意味です。実社会でもこうした「評論家」的スタンスでは何も評価されないのですから。



政府の対応もたいがいだが

2012-04-15 23:39:00 | 時事
交通ネタなどが続いて平和な雰囲気でしたが、この話題を避けるわけにはいかないでしょう。

金曜日に北朝鮮の「自称人工衛星」の打ち上げが失敗に終わったわけですが、各国メディアを招待した手前もあるとはいえ、4時間ほどで失敗を公表すると言うのはまさに想定外でした。

今回は誰がどう見ても経験不足の「三代目」の箔付けを狙った打ち上げだったわけですが、それが失敗に終わったことをどうにしかして糊塗するのではなく、若き指導者は「失敗」に立ち向かう、という演出に持って行くあたり、なかなかしたたかと言えます。

このあたり、先般の権力掌握以降、相当な規模で粛清をしているという情報もあるわけで、今回の失敗の責任を取って粛清される人も相当数出るでしょうし、ちょっと違う食えないタイプかもしれません。

さて、問題なのはやはり我が国の対応です。
官民挙げておかしな対応と言うか、まずは政府が酷すぎます。米軍情報で「失敗」を知っていたとはいえ、クロスチェックする情報を待って発表が遅れたというのは論外ですし、そもそもアラームくらいは鳴らさないと話になりません。

緊急地震速報だって外れが混ざっていても速報することに意味があるわけで、外れるから出さなくても良いい、と言うような評価は批判の対象になっていますが、今回のミサイルに対する警報発令がなかったという事実は、有事の際の警戒態勢を大いに疑わせるものです。

さらに意味不明と言うか首をかしげるのが沖縄の「市民団体」やメディアです。
ミサイルの通過地点に当たるわけで、今回の失敗で黄海海上に破片が「墜落」したことを考えたら、射程計算を間違えたり、道半ばで爆発したりしたら、南西諸島に破片が多数落下したり、本体がそのまま落下することも十分あり得ました。

とにかく経路上にあるのですから迎撃態勢や救護や爆発物対応の兵力を配置するのは当然中の当然なのに、なぜかそれが気に食わないようで、やれPAC3の配備はおかしいとか、自衛隊が増強されるのはおかしいという主張を繰り返すばかりか、自治体などの現業に押し鰍ッる始末です。

さらにメディアも同調して、失敗ミサイルに対して力を入れ過ぎではないか、と絵に描いた結果論と言うか後知恵での政府批判ですから話になりません。

確かにかなり厚巻きであったことは確かですが、それが不要とまで言い切れる神経を疑います。
鶏を裂くに牛刀を持ち出したのがオーバーであっても、刃物を使わなくては鶏は裂けないわけで、「市民団体」やメディアの主張は刃物自体を咎めており、ならばどうやって万が一に備えるのか。

それこそ憲法9条をお題目のように唱えていれば北朝鮮のミサイルは失敗に終わるとでもいうのでしょうか。そんな悪い冗談でしか説明がつかない対応を目の当たりにすると、政府のドタバタもかわいく見えます。








阪神三宮駅東口開業(後編)

2012-04-15 22:56:00 | 交通
さて今後の注目点は、西口周り、元町方の工事です。
今回見たところ、0番降車ホームの取り壊しと1番線の拡幅がまず来ると思っていましたが、どうも違うように思えてきました。

2番線ホーム元町方の急ピッチな取り壊しと仮設化を見ると、次のステップは3番線の下り本線化のようです。4月当初の段階で既に3番線から急カーブで現行下り線に合流するイメージの「基礎」が見えていました。


(4月当初の段階では基礎だけだったのが)

さらに1週間程度後に見ると、3番線からの線路が現下り線の合流直前まで敷設されており、切り替えを待つだけという感じになっています。


(1週間程度経つと線路が敷かれてました)

合流地点は現行の階段より手前であり、現行の階段を取り壊すことなく3番線の下り本線化を実施するようですが、3番線から下り本線を結合したら2、3番線ホームへ現行階段からのアプローチが出来ません。ですから今の1番線のあるエリアに下ろす階段を設置しないと、3番線の下り本線化は不可能です。


(同じく1週間程度で壁がフェンスになった。このエリアは下り新本線に分断される)

大阪寄りに伸びる西口コンコース平面からホームに降りる構造物が建設出来そうなのは、予定通りの位置に集約された階段であり、それがホームに着地するのは2番線停車位置の手前です。


(コンコースからのES、階段が降りてくる開口部)

2番線は元町方を埋めて、広くなった部分に新しい階段とESが下りてくる計画ですが、ちょっと窮屈ですが、梅田方に余裕があることを踏まえると、停車位置がさらに梅田方に移動して、余裕を捻出すると見られます。


(梅田方には1両分程度の余裕がある)

しかし下り本線の切り替えは一夜城方式で出来ますが、階段の架設も一夜城で出来るかどうか。


(ホーム元町方先端に作られたブロックの基礎は何を意味する?)

仮設にしてその背後に本設と言うのも作業空間が取れそうにないですし。
ただ、新しい階段と現行階段の中間付近にEVと階段が設置される計画なので、現行階段と合わせて3箇所のうち2箇所を使い、徐々に本設化するのかもしれません。


(平面図。メインのESと階段の後ろにもEVと階段が)

そうなると下り本線切り替え時点では現行階段と仮設階段で下りホームの乗降までまかなう必要が出てきます。東口が出来て分散されるといっても難しいでしょう。
そこで0番ホームの取り壊しが後回しのように見える部分との関連が出てくるわけで、新しい階段の完成まで、0番ホームを使って捌くのではないでしょうか。現状通り降車のみにするのか、もしくは乗車専用にして、先にドア扱いをするとか。


(0番降車ホームの下には線路が描くカーブ状の基礎以外にあまり手が入っていない)

本設の西口コンコースへの階段が完成した時点で、0番線を撤去し、上り本線の移設とホーム拡幅となる。こういうところでしょうか。

あとは西口コンコースの拡幅ですが、増設分の床面が出来ているのは見えますが、既存通路との間をどうするのか。浜側(そごう側)については、券売機と飲食店(千人代官)の間が空いており、そこを活用しそうですが、既存通路や山側(JR駅側)から増設部分にアプローチできる空間をどう確保するのかが見えません。


(券売機と千人代官の間の空間)

もしくは仮設階段を供用して3番線を下り本線化した時点では、元町方2番線のエンド部分を敢えて仕切って、上記のそごう向かいのスペースに出てくる「下り専用改札」を設置するかもしれません。
(2番線を両面使用にすれば始発電車への乗り換えについての不便は起こらない)



阪神三宮駅東口開業(前編)

2012-04-15 22:36:00 | 交通
阪神三宮駅の改良工事は3月20日に東口が開業して一つの区切りを迎えましたが、4月に入り、ようやくその東口などを見てきました。


(メ[トライナーから見た東口の地上部。ミントからの横断デッキも改良の目玉)

空港からメ[トライナーで来ると、これまではJR駅のほうにESで降りて線路に並行にフラワーロード側に出て、さんちかへの階段を下りるのがこれまでのルートでしたが、まだ仮囲いや資材の残るミント神戸横に新しい駅入口ができており、動線がガラッと変わりました。


(東口への入口)

ただミント側にあるESがいったんミント側に出て、JR側に戻る行程で、さらに地下に降りるESまで同じ向きと、Zの字を何度も辿る格好なのはちょっと手戻り感があります。


(東口改札前からミント側。右に行くと中央幹線側の入口。正面はミント。左に回り込むと吹き抜け経由ES)

今回は1階を歩いて中央幹線側の駅入口に出ましたが、吹き抜けの地下通路を見るに、一気にミントのB1に下りて、連絡通路を行くのが良さそうです。


(東口改札前からさんちか方面)


(さんちかから東口方面)

改札前は意外とスペースがない印象。改札横に売店が出来ましたが、有人ブースは小さく、定期券売り場がないので、「三宮姫路1day」など企画券が買えないようにも見えますから、朝この入口を使うことは案外と少なくなりそうです。


(東口改札付近)

改札を入ると今度は広く、奥行きがあります。ホームへは階とESが2箇所に分かれてありますが、どちらも引き返す方向でこれも手戻り感。ただ後述のように停車位置を考えるとそうせざるを得ないのです。


(これが阪神三宮?と言うラチ内コンコース)

停車位置が従前のままの上り1番線はいちばん手前を引き返して降りないと電車がいません。
普通車の場合は降りてもさらに歩きますし。


(仮囲いのその先に普通車の停車位置)

停車位置を完成後の位置にした下り2番線と3番線側も、元町方に詰めて停車するので普通車の最後尾はいちばん手前を引き返して下りたところ。あちらを立てればこちらが立たない感じです。


(下り普通車もこの位置関係)

上り降車ホームの0番線は残りましたが、グランドオープン時には姿を消す施設のため、東口にはつながっていません。


(1番線は本設の位置に振るためのカーブが入る)

梅田方の先端は1両分くらい余らしていますが、これは何を意味するのか。近鉄車7両編成の乗り入れというのも考えづらいですが、停車位置を梅田方にさらにずらすのであればこのタイミングでなぜしないのか。


(4月冒頭の時点での西口階段からホームへの通路)

新しいホームの部分までは「これが阪神三宮?」と言う感じの雰囲気ですが、西口を見通すといつもの風景です。しかし大きな変化点として、2番線の停車位置が梅田方に動き、使わなくなった部分に柵が立ち、早くもホームが崩されています。