Straphangers’ Room2022

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「歩く風評被害」に公的支援?

2012-07-29 18:42:00 | 震災・災害
ここ数日、いわゆる母子避難者への対応についての記事が朝日に出ています。
要は仕事などの関係で離れられない父親を置いて、妻子が疎開している人たちなんですが、基本的な問題として、その「避難」に合理的根拠があるのかという問題があります。

要は政府や「御用学者」が喧伝している放射線量は信じられないから自衛するんだ、ということなんですが、こういう人たちを公費で支援するのであれば、その基準は厳格に設定すべきですし、「ちょっと不安なので」というレベルも何もかも認めることが社会通念上妥当かどうかは言うまでもないでしょう。

逃げてきた現地には子供ともども住んでいる人も多いですし、少なくともこうした人たちが喧伝して来た「急性期の症状」は出なかっただけに、安全に関する政府等と避難者の主張のどちらに合理性があるかを考えたいものです。

不安だから、といって逃げた人の中には、沖縄や海外に逃げた人も少なくないですが、では我が家が「不安だから」(千葉県もホットスャbトとかで大変ですよね)と海外移住を決断したら公共は支援してくれるのか。言うまでもなく一蹴されるはずですが、それとのボーダーラインがグレーなケースを大勢救済しかねない流れと言えます。

今回の一連の記事で気になったのは、母子避難者の「母親」によるコメントで、看過できない「風評」が無批判で垂れ流されています。
つまり、事故直後にネットを中心に広まった、「福島の子供に放射線障害が多数出ている」の類の話が書かれているわけです。

鼻血が出た、口内炎になった、顔がヒリヒリする、といった「症例」を出し、だから大変だと思い避難しました、というのがお決まりのパターンですが、その症状が原発事故と関係があるのでしょうか。
これはこうした人たちの「デマ」と斬って捨てるだけに留まらず、事故から1年半近く経って福島に対する風評被害を与える重大な問題記事と言えるのです。

これは放射線と関係あるんです!と言い張るんでしょうが、科学的、疫学的に認められた相関が無い以上は、それを原発由来と主張することは「根拠がない話」であり、ましてや新聞がそれを掲載することは非常に問題です。

厳しいことを言えば、鼻血も口内炎も顔のヒリツキなら私もありますが、原発事故の前後で有意に差はないですし、原発由来以外の理由を説明が出来る症状であり、それを結び付けるのは想像力が豊かではありますが、論理的ではありません。

以前、沖縄に避難していた母子避難者が、沖縄で青森の雪を使って雪遊びをするイベントを中止に追い込んだ(結局復活実施しましたが)ことを厳しく避難しましたが、こうした「歩く風評被害」の害が顕著という客観的事実を考えると、政府や社会、メディアのすべきことは、科学的根拠のない避難を止めるように促し、また、避難を正当化するために自分達が風評被害をふりまいているという現実をきちんと指摘すべきでしょう。

二重生活などする余裕もなく、雇用から何から不十分な東北各地で頑張っている被災者の人たちに対して、逃げるだけの経済的余裕があるわけです。ならば公的支援はどっちにあるべきかは言うまでもないでしょう。






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