Straphangers’ Room2022

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公共交通とは見做し難い

2023-03-23 20:54:29 | 交通
四国といえば、牟岐線の末端区間が「廃止」されてたんですね。もともと半分以上が高速バスと「共通化」されており、バス転換が妥当としか言いようがないのですが、通学需要対応とかがあるんでしょうか。それでも1両2両のレベルであれば常時バス転換の方がいい区間がありそうです。

末端区間は共通どころか阿佐海岸鉄道に移管されてDMV化となっていますが、こちらは満席の場合は乗れません、という予約制の乗り物になっており、輸送力、乗車券の購入スタイルといい公共交通ではなくなった感じですね。もともと海部までが牟岐線だったのですが、1駅手前の阿波海南までを移管しています。
モードチェンジをやりたかっただけです、というしかない感じで阿波海南文化村まで伸びていますが、こちらはまだマシな方で、高知県側はもともとの終点甲浦でモードチェンジを行った後R55側の海の駅東洋町に出るまでは理解できますが、そこから今来た方向に戻って道の駅宍喰温泉を終点にしています。

これでは全線通しで乗る意味が全くないわけで、世界初の交通機関というアトラクションです。
土休日は1往復室戸岬方面まで往復しますが、観光タイプのバス1台の定員の半分程度しか乗れないわけで、片道ツアーというしかない運行です。
そもそも高知東部交通と徳島バス南部の路線があるわけで、阿波海南文化村(海南病院)や宍喰駅前も含めて全線カバーされています。しかも牟岐-東洋町、甲浦岸壁-室戸という系統ですから流動にも即しており、甲浦と阿波海南で乗り換えが必要なDMVって何?となっていますね。DMVという乗り物のショーウィンドー以上のものでもないのですが、それを地元負担でする意義はどこにあるんでしょうか。路線バスですら地元が支えていかないといけないのに。

一方でJR四国は鉄道線と並行するローカルバスの時刻表をまとめて掲示して公共交通としての維持を前面に押し出しています。
牟岐線では阿南ー浅川間の一部駅間相互で高速バスとの乗車券共通利用サービスも開始しており、今後これがローカルバスとの並行区間でも進むことが期待されます。そして牟岐線に関しては海の駅東洋町までのバス時刻を出していますが、DMVは出ていません。まあある意味当然とはいえ、ローカル鉄道と路線バスがタッグを組む中で無視される(戦力外)のDMVはいったい何なのか。「税金で電車ごっこ」どころじゃない感じです。

まあ牟岐線は運行形態、さらには著名な岬に向かう途中まで、というスタイルまでJR北海道の日高線(区間廃止前)と似ていますが、日高線は昔から時刻表にJRバス日勝本線を併記したりして一体化を意識していましたが、廃止に伴い幹線バス(高速バス)と路線バスを組み合わせた対応になっています。このやり方は沿線に高規格道が並行する留萌線の今回の大部分廃止でも踏襲されていますが、牟岐線も遠からずこの道を歩むのでしょうね。徳島口ですら1連、2連という輸送量ですから、阿南以南を鉄道で維持する意味合いがどのくらいあるのか。バス会社に体力があるうちに決断すべきでしょうし、その意味では支える側の自治体も「お遊び」に限られた資金を垂れ流すことは許されないでしょう。



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