北海道を代表する土産菓子というと「白い恋人」ですが、これの「パロディ」版が関西で売られていることについて「白い恋人」の販売元が販売停止などを求めて提訴しました。
私も出張の際に伊丹空港や姫路駅でこの商品を目にしており、「大阪新名物」のサブタイトルにさすが大阪という妙な感心をしていましたが、やはり「本家」は看過できなかったようです。
「今ツイッターで話題」という中途半端に時流を取り込んだキャッチコピーや、みたらし味のゴーフレットという仕立ても人を食ってますが、パッケージデザインに、「面白い恋人」という商品名ともに「本家」のパロディというよりも似せているという印象が強く、こんなパチモンをどこぞの商店街の一角や露天で扱うのならまだしも、駅や空港で堂々と売っているあたりがさすが大阪というところです。
(伊丹空港にて)
このあたり、伊丹空港の売店では橋下知事(当時)と揉めた「なにわのまちおこし」(要は大阪名物の粟おこし)などのきわどい商品をかねてから扱っていたように、そうした知的財産に関する意識が全体的に低かったことは容易に想像がつきます。
今回の提訴で驚いたのは、この「面白い恋人」の販売元です。
一旗上げようとした中小メーカーかと思いきや、吉本興業の子会社と来ました。まあお笑いを売る会社が笑いを取りに行き過ぎて勇み足、といえばそれまでなんですが、一時は株式を上場していたような「大会社」の子会社にしては意識が低すぎます。
特に券\プロダクションですから映像コンテンツその他の知的財産が会社の財産であり、そうであるからこそ他社から知的財産の侵害で提訴されるようなレベルでは「お里が知れる」というか、脇が甘い、というかでしょう。
15年位前にサザエさんと天才バカボンをミックスした「サザエボン」というパロディ商品を巡る問題が発生したのですが、販売はしていましたがパロディとしての発表の色彩が濃かった段階ではある程度黙認されていたものが、商業化された途端に知的財産権の侵害を理由に販売差し止め請求がなされ、当然ながら請求が通り、商業化した業者は破産に追い込まれています。
今回も吉本がパロディとして舞台の小道具、百歩譲っても吉本の自社施設限定で扱うのであれば「パロディ文化」でも通ったんでしょうが、空港や駅で土産菓子として大々的に販売しては「件p」とは程遠く、単に模倣商品の販売という知的財産権の侵害という事実だけが残ります。
吉本はさすがに大企業ですから「サザエボン」のような末路は辿らないでしょうが、こういう騒動を引き起こしたということで、コンプライアンス意識の低さは指弾されても仕方が無いところです。
特に所属する人気漫才師を「黒い交遊」を理由に解雇して券\界引退に追い込んでコンプライアンスへの取り組みを「演出」している傍らでのこの不祥事、コンプライアンス意識が定着しているのではなく、コンプライアンスを体よく利用している企業体質ということでしょうか。
今回の提訴に対し、「パロディは文化だ」「パロディを理解していない」といった批判が「白い恋人」側に寄せられているようですが、それこそ面白ければなんでもいい、ということで、コンプライアンスに無頓着という自覚が無い、大の大人として恥ずべき発想であることを露呈しています。
そもそも「白い恋人」は賞味期限の偽装問題で世の指弾を浴びた経験もあるだけにコンプライアンスには非常に敏感な企業ですし、土産菓子として確固たる地位を確立した背景には、模倣商品による侵食を許さないための徹底した知的財産の管理がありました。
そういう企業を相手に知的財産を軽んじるような行動はまさに愚劣といえます。
なお、余計な忖度というより邪推かもしれませんが、「面白い恋人」はパッケージだけの模倣で土産菓子のマーケットとしては中身が全く違うこともあり競合しない可能性が高いのに、なぜ今回提訴したか。一事が万事で知的財産の侵害を許さない、という厳格なスタンスもあるでしょうが、一つには「吉本」がパロッたということもあるかもしれません。
「白い恋人」と聞いて、広大で美しい北海道の大地をイメージする人は少なくないわけで、企業および商品のイメージが確立しているわけです。
それを吉本がパロディと称して模倣したわけです。大阪の「お笑い」の最大手としての吉本に抱く消費者のイメージはどうでしょうか。倹lがガチャガチャ騒いでいる演件黷ニいう感じで都市の猥雑さがまず思い浮かびますし、「紳助事件」を例に挙げるまでもなく「興行物」につきものの「反社会勢力」との関係すら想像されるわけです。
おそらく「白い恋人」の持つイメージの対極になるわけで、商品や企業が確立させてきたイメージを毀損すると認識したのではないでしょうか。
「面白ければ...」と考える人たちにはまず理解できない話でしょうが、本件は知的財産に加え、ブランド、イメージ戦略というものの重要性を考えさせる事案といえます。
私も出張の際に伊丹空港や姫路駅でこの商品を目にしており、「大阪新名物」のサブタイトルにさすが大阪という妙な感心をしていましたが、やはり「本家」は看過できなかったようです。
「今ツイッターで話題」という中途半端に時流を取り込んだキャッチコピーや、みたらし味のゴーフレットという仕立ても人を食ってますが、パッケージデザインに、「面白い恋人」という商品名ともに「本家」のパロディというよりも似せているという印象が強く、こんなパチモンをどこぞの商店街の一角や露天で扱うのならまだしも、駅や空港で堂々と売っているあたりがさすが大阪というところです。
(伊丹空港にて)
このあたり、伊丹空港の売店では橋下知事(当時)と揉めた「なにわのまちおこし」(要は大阪名物の粟おこし)などのきわどい商品をかねてから扱っていたように、そうした知的財産に関する意識が全体的に低かったことは容易に想像がつきます。
今回の提訴で驚いたのは、この「面白い恋人」の販売元です。
一旗上げようとした中小メーカーかと思いきや、吉本興業の子会社と来ました。まあお笑いを売る会社が笑いを取りに行き過ぎて勇み足、といえばそれまでなんですが、一時は株式を上場していたような「大会社」の子会社にしては意識が低すぎます。
特に券\プロダクションですから映像コンテンツその他の知的財産が会社の財産であり、そうであるからこそ他社から知的財産の侵害で提訴されるようなレベルでは「お里が知れる」というか、脇が甘い、というかでしょう。
15年位前にサザエさんと天才バカボンをミックスした「サザエボン」というパロディ商品を巡る問題が発生したのですが、販売はしていましたがパロディとしての発表の色彩が濃かった段階ではある程度黙認されていたものが、商業化された途端に知的財産権の侵害を理由に販売差し止め請求がなされ、当然ながら請求が通り、商業化した業者は破産に追い込まれています。
今回も吉本がパロディとして舞台の小道具、百歩譲っても吉本の自社施設限定で扱うのであれば「パロディ文化」でも通ったんでしょうが、空港や駅で土産菓子として大々的に販売しては「件p」とは程遠く、単に模倣商品の販売という知的財産権の侵害という事実だけが残ります。
吉本はさすがに大企業ですから「サザエボン」のような末路は辿らないでしょうが、こういう騒動を引き起こしたということで、コンプライアンス意識の低さは指弾されても仕方が無いところです。
特に所属する人気漫才師を「黒い交遊」を理由に解雇して券\界引退に追い込んでコンプライアンスへの取り組みを「演出」している傍らでのこの不祥事、コンプライアンス意識が定着しているのではなく、コンプライアンスを体よく利用している企業体質ということでしょうか。
今回の提訴に対し、「パロディは文化だ」「パロディを理解していない」といった批判が「白い恋人」側に寄せられているようですが、それこそ面白ければなんでもいい、ということで、コンプライアンスに無頓着という自覚が無い、大の大人として恥ずべき発想であることを露呈しています。
そもそも「白い恋人」は賞味期限の偽装問題で世の指弾を浴びた経験もあるだけにコンプライアンスには非常に敏感な企業ですし、土産菓子として確固たる地位を確立した背景には、模倣商品による侵食を許さないための徹底した知的財産の管理がありました。
そういう企業を相手に知的財産を軽んじるような行動はまさに愚劣といえます。
なお、余計な忖度というより邪推かもしれませんが、「面白い恋人」はパッケージだけの模倣で土産菓子のマーケットとしては中身が全く違うこともあり競合しない可能性が高いのに、なぜ今回提訴したか。一事が万事で知的財産の侵害を許さない、という厳格なスタンスもあるでしょうが、一つには「吉本」がパロッたということもあるかもしれません。
「白い恋人」と聞いて、広大で美しい北海道の大地をイメージする人は少なくないわけで、企業および商品のイメージが確立しているわけです。
それを吉本がパロディと称して模倣したわけです。大阪の「お笑い」の最大手としての吉本に抱く消費者のイメージはどうでしょうか。倹lがガチャガチャ騒いでいる演件黷ニいう感じで都市の猥雑さがまず思い浮かびますし、「紳助事件」を例に挙げるまでもなく「興行物」につきものの「反社会勢力」との関係すら想像されるわけです。
おそらく「白い恋人」の持つイメージの対極になるわけで、商品や企業が確立させてきたイメージを毀損すると認識したのではないでしょうか。
「面白ければ...」と考える人たちにはまず理解できない話でしょうが、本件は知的財産に加え、ブランド、イメージ戦略というものの重要性を考えさせる事案といえます。