世界の経済が発展することで、持続性のある生産と消費活動が活性化して、多くの貧困国が成長できる環境になることは確かである。
しかし、その生産物を世界共通のルールに規制された自由取引市場に投入して、自由競争にまかせる考え方は、明らかに誤りである。
各国の経済基盤、インフラ整備、人権問題、社会福祉のレベルが大きく違い、公平で自由な競争条件が整っている状況では全くない。
各国間の状況の違いに応じて、二国間の協定を結んで相互の利益になるような貿易取引の協定を結んで実施すれば、問題は少なくなる。
しかし自由貿易論者は、二国館貿易協定のメリットを否定するばかりで、弱者の救済の論理には、立ち入らない。
いわゆる弱肉強食の世界での自由競争が、産業を進化させるとのマクロ経済の理屈ばかりを主張している。
しかし、全体の経済水準と低所得者層の格差が大きく拡大している事実は、これらのグローバル化を支持する頭デッカチには見えていない。
この問題が社会不安を増大していることを指摘されても、それは自分の専門外の課題だからと、なんの対策も提示することもできない。
つまり不都合な事実は全て他人ごとにして、自分の専門の分野の成果だけを強調するタコツボ学者に安住している。
現世界の最大の問題から逃げているようでは、発言の資格もない。