公平で経済格差の少ない社会を創り上げるのが、国民の大きな目標である。
そのためには、格差を拡大する政策は最小限に抑えて、経済成長を達成することが、最大の政治家の役目である。
それが実行出来る政治家を選挙で選び、任期中の実績を評価して次の政権を選ぶのが民主主義政治の基本である。
少なくとも、選挙の公約に掲げた政策とは反する政治を行ったり、公約に掲げただけで、迷走して実行出来なかった政権は、交代させられるのは当然だ。
さて政権交代した「安倍自民党政権」は、正しく行動をしているだろうか。
少なくとも経済の再生を公約して、超金融緩和による経済への刺激策は、庶民の犠牲の上で、全体的には気分的に経済が回復しているのは事実である。
しかし、物価上昇率を差し引いた実質収入は、2014年4月からは完全に下回っていて、生活水準は低下している。
大企業や金融関係者を潤わせた「円安誘導」は、完全に諸物価の値上がりにつながって生活を圧迫し始めている。
超金融緩和は、【生活水準の低い層の犠牲を強いる】政策で、安倍政権の成果としては、マイナス面の方が大きい、というべきであろう。
経済成長を達成しながら、所得格差を縮小するのが、政権の最大の責務である。
従来の様な、お定まりの経済成長政策では、所得格差が拡大して多くの国民の生活水準が低下せざるを得ない。
安倍政権は超金融緩和政策によって利益を増大させた大企業に、勤労者の給与ベースアップを要請して、一部の実績を引き出した。
しかし、消費税アップと輸入品の高騰の影響により、ベースアップ以上の生活費増加で効果は限定される。
それどころか、恩恵のない中小企業の勤労者は悲哀を受けるだけである。
経済成長を達成しながら、低所得者層の収入を上げていく確実な政策は、『最低賃金の引き上げ』が、もっとも効果的である。
引上げ額は、経済成長率を上回る引き上げ率を法制化すべきで、これが実施出来なければ【格差拡大の流れ】を止めることは出来ない。
低所得者層への給与による還元は、懸案の【賃金デフレ】をストップさせ、国内の消費需要を確実に回復させるので、デフレ経済から離脱ができる。
最低賃金に依存してきた事業者は、退出の憂き目を見るが、別途、救済する。(続)