ここまで書いたブログで、「資本主義社会は格差が拡大する」必然性があることは理解されたでしょう。
世界での事実が証明しているし、日本の社会も例外ではなく、この20年の【賃金デフレ】が引き起こされて、格差が拡大している。
アベノミクスの第一の矢による【インフレターゲット政策】においても、物価上昇に追い付かない賃金上昇の実態は、格差を拡大する影響の方が大きい。
一部の輸出関連企業の業績向上によっても、ベースアップは、限定的で大多数の勤労者に賃金上昇には繋がらない。
そこで、政策的に『最低賃金の上昇を物価上昇率以上に引き上げる』ことを、確実に実行して行けば、下からの押し上げ効果によって、勤労者の収入全体が上昇することは確実である。
大多数の国民の収入が増えれば、「消費購買力不足によるデフレ現象」は、時間の経過とともに解消されて、目標のインフレ率まで物価上昇が達成される。
そこで、超金融緩和によるインフレターゲット政策は店じまいに入るのだ。
インフレ率が過多にならないうちに、金融量の引き締めによって、加熱を防ぐ「伝統的な金融政策」に戻ることができる。
前例のない「超金融緩和に踏み切る覚悟がある政権」ならば、「最低賃金の引き上げ政策」が実行出来ない理由はない。
出来ない理由を上げるのではなく、「やれることは全部やる」と覚悟を決めれば、方策はいくらでも提出できるであろう。
専門家が考えれば、すぐに具体的な政策が提案されるだろう。
だが、それを待っているのも他人任せであるから、当方の素人的な頭で考えた「最低賃金の引き上げ政策」を、具体的に書いてみよう。
この最低賃金を決める権限を各都道府県に移譲するのではなく、もっと広い地域、道州制で想定された地域で、決める様に義務付けをするべきである。
地域だけの責任にすると、低賃金を売り物にして仕事を誘致する県が競争で引き下げる様になるので、政府の規模に近い州レベルで決めるのである。
例えば、九州の地区では『将来の州のあり方を目指した産業育成』を基本にして、給与の水準の目標を掲げて、最低賃金を決める様にするのである。
政権交代した「民主党の公約」では、『最低賃金を時間当たり1000円』以上に引き上げるとしていたが、公約は実行されなかった。理由はなにか?