庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

バイオマスエネルギー優遇政策は地域社会の自立に貢献する。

2010-08-29 | バイオ燃料・バイオマス
前回にエネルギー需要の増加に対応する方向として、再生可能エネルギー(特にバイオマス資源、木質資源)の生産に投資をすることが、雇用を生み出す事に貢献すると説明した。
これは、途上国に限る話ではなく、日本においても同じことが言える。
しかし、日本の経済産業省は2020年、2030年に向けたエネルギー供給政策において、原子力発電所の14基の増設を計画している。

これは、2020年までにおける「温室効果ガスの排出削減」を国際公約にしようとしている政府の方針にそって、現在、50基もある原子力発電の大幅な更新と増設をもくろんでいる。
地元の賛成を得る事が条件とはなっているが、一次的に工事期間にお金が地元に入るが、多くの設備の投資資金は、中央の大企業の収入となって、地域社会に還元されることは少ない。
バイオマスエネルギー関連の施設であるならば、原料の樹木の生産やエネルギー化工場での雇用機会が大幅に増える。

途上国と先進国における構造が、地域社会と中央経済社会の構造と同じ様相となっている。
地域社会が自立に向けて経済を活性化し、雇用機会を大幅に増やす事が必要である。
この日本のエネルギー生産構成を、2020年、2030年の目標に向けて計画的に転換する機会をいかして、地域主権を伸ばしていく方向に向けるべきである。
その為には、原子力発電ではなく、バイオマスエネルギー利用(発電と熱エネルギー)の技術を徹底的に優遇していくことである。

今まで説明してきた様に、日本は森林資源の恵まれた気候であり、その自然の成長量の半分を適正に利用することで、1次エネルギーの5%以上を賄う事ができる。
この分は、現在では石油などの化石燃料に依存しているので、そのおカネは中東の産油国などの、大金持ちの収入となってしまっている。
これが、日本の地域社会にお金が回る仕組みになれば、波及効果を生みだして、地域経済が活性化する。

民主党の政権交代によって、今まで放置されてお荷物扱いされてきた日本の林業を、技術革新と事業の再編を通じて活性化しようとしている。
それを今までの林業だけではなく、副産物である端材や小径材をエネルギー利用に回し、エネルギーの地産地消を優遇する政策を選択すれば、地元の経済にとって効果が大きい。
しかし、残念ながら、民主党の政治家はそのことをほとんど理解していない。

林業活性化を政策として、日本の木材需要の自給率20%を2020年までに50%に引き上げることを経済成長戦略の中に謳っている。
しかし、農水省と林野庁の官僚にそれを指示しただけで、政治家は何も行動していない。
官僚依存の政策立案から、一歩も進んでいないのが、現状である。

マニフェストを実行しているかどうかで、リーダーの言い分の争いをしている状況ではない。
本当の地域社会の経済的自立と、将来立国のあり方を真剣に取り組む大事な時期であるのに・・!

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