庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

将来のエネルギー供給の確保が経済活性化の基本。

2009-10-23 | バイオ燃料・バイオマス
日本の豊かな生活を支えて将来も安定的に持続できるには、エネルギーの確保が基本である。
それなのに、エネルギーの自給率を将来的に上げていく戦略は全く検討されていないのが実情である。
原子力発電(燃料は海外からの輸入)は、放射性廃棄物の問題が残っていて、将来性がないので除外して検討すると、自給出来ている割合は、10%をはるかに下回る。

食糧の自給率が40%に満たないレベルであることを問題視して、国策として45%まで引き上げることが、マスコミでも話題にあがった。
しかしながら、食糧と同じくらいに大事なエネルギーであるのに、輸入依存体質の問題についての議論は、まったくないと言える。
その上、ほとんどのエネルギー源は、生産の需給がひっ迫する石油や天然ガスなどの化石燃料に依存し、特に石油は生産量がピークを越したことが指摘されている。
石油の価格高騰は避けられない状況にあり、天然ガスも石炭も価格が上がることは必然である。
このブログに書いてきた様に、再生可能エネルギーの技術開発と普及促進には、最大の力を注がなければ、化石燃料の需給のひっ迫と価格の高騰で、日本の経済活動は大きな影響を受けてしまう。

では再生可能エネルギーの開発によって、日本のエネルギー自給率を上げることは出来るのであろうか?
これは大変重要な課題であり、難しい内容が含まれているので簡単に説明はできないが、あえて要約すると、次の様な説明になる。
2050年において、電力に変換して使われるエネルギーの比率は、再生可能エネルギーを積極的に開拓することで、67%まで上げることが可能である。
輸送機器(自動車、航空機など)と熱利用の分野では、再生可能エネルギーの比率は30%程度に引き上げることが想定可能である。
これらの想定に沿えば、日本の再生可能エネルギーの比率は、60%程度まで増加させることが可能であり、これはエネルギーの自給率を50%以上のレベルに、大幅に改善して経済の安定に寄与する。

この想定される再生可能エネルギーの中で、バイオマスエネルギーの比率は14~17%程度を占めることになるが、ほとんどは国内の廃棄物(産廃、林地残材)を有効に利用することで達成できる。
そしてバイオマス(生物資源)の利用で、さらに向上させる手段は、これから続々と開発される可能性があるが、日本政府と企業は、ほとんど何も手を打っていない。
ここ数回のブログで書いた様に、外国の企業や先進国では、積極的にバイオマスエネルギーの可能性を求めて研究開発を支援し、原料となる栽培作物の適地を探っている。
これらの土地の利用権の争奪戦が、遠からず国際的な問題に発展するであろうが、日本はすでに大幅に立ち遅れているので、海外からのバイオマスエネルギーの調達は限定的であろう。

それでは、日本の国内で手に入れられるバイオマスエネルギーは、わずかな量にとどまってしまうではないか?
この疑問は当然であり、日本の国内の土地利用で森林地域(70%程度)は、持続的な木質バイオマスの利用が可能としても、限定される。

しかし、日本には、広大な海が周り中に存在している。
この沿岸地域の利用、開拓が日本の将来のエネルギー自給を可能にできる。以下次回に・・・・!

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