庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

目的地を見失ったがとにかく進むしかないと暴走する運転。

2016-11-07 | 経済問題

安部政権は、デフレ経済に逆戻りをしている状況に、なすすべなく手をこまねいていると言われないように、暴走の様相を呈している。

実現できる可能性がない「TPP法案」に、国民の信頼を得るための誠実な議論を省いて、無責任な大臣の空疎な答弁を繰り返して時間を費やしてきた。

時間の累積だけが「慎重審議の目安」という情けない状態で、ついに、予定時間がきたので、「粛々と審議打ち切りをして採決」というお定まりの儀式だ。

その肝心の相手国のアメリカは、今の「TPPはアメリカに不公平」という候補者同士が否定合戦に終始して、アメリカの経済戦略が大きく転換される。

それでも、アベノミクスの目玉であったという理由だけで、とにかく【TPP法案の可決だけでも実現】して、アベノミクスのアクセルを踏み続ける。

 

そもそも、経済成長を維持することを目的にするならば、国内の投資拡大を継続するか、働く人の収入を増やし続けて、消費の拡大を継続するしかない。

安倍政権だけの責任ではないが、日本はバブル崩壊以後の経済界では、生き残りのためには【働く人の賃金を引き下げる努力】ばかりを実施しているのだ。

その政策は「非正規雇用社員」の対象を広げ続けて、今では4割にも達している。

しかも正規社員に比べて賃金水準は、3割以上も低いレベルで放置してきた。

これでは、消費性向が増加するわけがないのは、ネコでもわかる。

日本の高度経済成長時代には、企業収益の増加を上回る賃金上昇が、企業度努力の象徴であったのだが、いまでは、賃金抑制が経営努力の成果とされている。

 

また経済成長の維持のためには、輸出を拡大して外貨を稼ぐことが、経済成長の代名詞になっていた。

しかし日本が一人勝ちになった時代から、輸出で稼ぐ産業分野が、海外への移転を迫られる時代になり、家電業界、自動車業界などは製造拠点を移転し始めた。

現在のアメリカでも問題となっている【メキシコへの製造拠点の移転】を加速して、メキシコの製造業の技術水準のレベル向上に貢献してきた。

それが、アメリカ企業の製造拠点の移転も促進して、アメリカ製造業もメキシコへの移転が生産コスト削減の大きな潮流となっている。

メキシコへの経済貢献が、日本とアメリカの製造業に空洞化を加速していたのだ。

 

それでも安倍内閣は、「製造業の復活をアピール」して、円安誘導の成果で、一時的には輸出競争力を増加させたが、また逆戻りで進路を見失った。

労働者の賃金抑制がデフレ経済の要因になっていることも、やっと気が付いたが、賃金水準の引き上げは、容易な政策ではない。

残された唯一のアピールする政策は、「TPP交渉案の早期批准」であったが、アメリカ大統領選の行方で暗雲が立ち込めた。

専門家は、【TPP交渉案】は、経済的にはプラマイゼロと、評価している。(続)

 


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