庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

将来を見据えた高レベル目標を達成する技術を創出せよ。

2013-06-02 | 快適エネルギー社会問題
日本の石炭火力発電の技術は、現状では世界一のレベルで、「エネルギー利用効率43%」は世界一、「排気ガスのクリーン度」は世界一である、と5月21日のブログで紹介した。
その上で【発電電力量当たりのCO2排出量】を、天然ガス発電のレベルに抑制できる技術で、最新のシステムを開発して実用化すれば、まさに、『世界一の先進技術』を獲得したことになる。
日本の将来エネルギー戦略の要になるコトはもとより、世界におけるエネルギー利用の取組において、範を示した「世界的な貢献」になる。

2010年における【石炭火力発電】の占める割合を示しておこう。
世界平均では41%が石炭火力に依存していて、依存比率が高い国からあげると、中国:78%、インド:58%、アメリカ46%、ドイツ:44%、である。
日本は27%であるが、近年は【発電電力量当たりのCO2排出量】の欠点を批判されて、新設の計画はゼロであった。
ところが原発の再稼働が難しく、代替電力として「石炭火力発電」の発電コストと安定供給面での優位なコトが見直されて、新設の計画が動き出している。

ここで新設計画の設備に、将来は【発電電力量当たりのCO2排出量】を削減する技術の追加によって、長期間に渡って利用出来る発電設備に衣替えをすれば、世界中から「先進技術の供与」を期待されるコトになる。
日本は今までは、アメリカやヨーロッパの技術を後追いで導入して、日本流の改良技術によって、世界に誇れる技術水準と新産業を育成してきた。
ここからは、エネルギー分野での世界一を目指す絶好の機会が到来している。
この機会を日本政府が見逃す様な消極姿勢では、将来において先進国の地位を保つことは難しくなる。

それには、数年のうちに【発電電力量当たりのCO2排出量】を規制する法制度を創りだすコトが最も有効である。
世界一の技術水準と品質を誇る「自動車産業」は、どの様にして育成されたかと振り返れば、その理由は明快である。
1970年代の初頭に実施された、『自動車排気ガス規制(日本版マスキー法)』によって、従来は常識であった【CO,NOx,HC】の有害ガスの排出濃度を、10分の1以下に抑制する法制度を実行した。

この法規制で、日本の自動車企業の技術レベルは世界一流に進化したのだ。(続)

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。